DILEMMA -1
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「おかえり~」
深夜3時。俺は仕事を終えて帰宅するとスグルが出迎える。
まさか初めて合鍵を渡す相手が男だとは思わなかった。
もちろんそんな関係ではない。
知り合って3ヶ月、何度も遊んでいるうちに週末は一緒に遊びだし、結局土曜日は毎週俺の家で過ごすことになった。
「今日はミッション出たの?」
俺がスグルに聞く。スグルは所属していたハングリースパイダーを抜け、傭兵として活動している。
「今日はシックスセンスっていうパーティーのミッションに参加したよ。」
スグルは現在4パーティーを掛け持ちしている。
これはスグルのプレイスタイルが万能性であり、どんなパーティーにも適応できる順応性が高い事を証明しており、4パーティーの中には博多ステーションのパーティーも含まれている。
すべてC級以下のパーティーだが、口コミで広がったスグルの能力の高さが全国に広がっている証拠である。
逆に俺はツバサのシゴキに毎日疲れきっての帰宅している。
ツバサが教育係になりヴァンダルハーツの入って3ヶ月。厳しい指導の中でミッションをこなしている。
しかしさすがにS級での経験値は高い。俺のレベルも4になり、今まで経験値のパラ振りをリョウに任せていたが、今はツバサが行っている。
だが毎日、アキラに怒られツバサに特訓され、ハルカに厳しいダメ出しをされる。精神的にも疲弊している俺を癒してくれるのがスグルの存在だ。
初めてできた親友。
一緒にミッションに出ることはないが、共通の趣味をもつ俺たちは寝る間も惜しんでFRONTIERの話をしている。
「カレー作ったから。」
スグルは料理が上手い。俺の家の小さいキッチンはスグルの持ってきた調味料や調理器具が綺麗に並べられている。
「うん!美味い!!」
俺は叫ぶ。本当にスグルの作る料理は美味い。周囲の人間は俺たちを完全にゲイだと思っているみたいだが、他人になにを思われてもいい。
俺たちはFRONTIERで知り合いFRONTIERで繋がる親友なのだ。
「シーナ、明日もミッション?」
スグルが問う。
「うん、スグルは?」
「僕もシャドウゲートから招聘受けてるよ。」
じゃあ一緒にステーションに行こうと、俺は布団に入り、スグルは持ち込んだ寝袋に入る。周りの目なんかはどうでもいい。
スグルとのこの時間が楽しくてしかたがないのだ。




