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【40万PV達成❤️】絶望のFRONTIER  作者: 泉水遊馬
RAINY DAYS 
52/108

RAINY DAYS -6

翌日。ステーションに到着すると、エンドオブザワールドとヴァンダルハーツの一面が揃っていた。

「遅いぞシーナ!」

アキラの怒号が飛ぶ。

そうだった・・・。これからこの人の指揮下に入るんだった。

「ヒュウガとミオは横浜からダイブする予定だ。すでにメンバーの入れ替えも済んでいる。

今日はエンドオブザワールドとミオの力量を確認したい。迅速なコンプリートを目指せ!」

アキラはこう言い捨てるとブースへと向かっていった。

俺は皆に続きブースへ入りダイブ。ニュートラルフィールドで合流した。

そこにはレイニーデイズの4人が並んでいた。伝説のパーティーの復活である。

そこにリョウが加わり新たな構図のパーティーができていた。

『今日はレイニーデイズのアカウントの復帰が目的だ。

しかしエンドオブザワールドは限りなく全力を尽くしてミッションをコンプリートしろ。いいな!』

アキラの激に圧倒されながら俺たちエンドオブザワールドはポジションの確認を行った。前衛にナギサとミオとアサミ。スキッパーに俺。ボランチにダイキ。もちろんリベロはいないからダイキが殿しんがりから指示を出す。確認作業が終わり、俺たち2パーティーはR-BフィールドNO31に入った。


ミッション自体は順調に進んだ。ミオとアサミが素晴らしいコンビネーションで前進し、ナギサの動きでそれをフォローしていく。俺はナギサの後方につきバックアップに徹し、ダイキはミオとアサミの前進についていく。

レイニーデイズのメンバーはそれを最後方から見ているという状況だ。ナギサの前方を開ける連射をする俺の体を誰かが突然引っ張る。アキラだ。

『一定の距離を保つだけではなく、いったん離れて広く廻りを見ろ!!』

アキラが俺を後方へと引っ張る。すると、ミオとアサミの距離が近い。あれでは狙い撃ちされた時に、二人とも被弾しかねない。だからナギサは二人と距離を置いていたのか。アキラと俺はインカムでの会話ができない。違うパーティーだからだ。だからアキラは俺に近づき直接声をあげる。

『スキッパーというポジションは、前衛をコントロールするのが役目だ。的確に指示を出せ!!』

アキラの言葉に俺は、

『ミオ、アサミ!!距離を取って!!近すぎる!!』

と声を出す。すると二人は距離を取り、ナギサが一歩下がってスキッパーのポジショニングに入った。

『この場合、お前は前衛に出ろ!!』

アキラに押しだされた俺はミオとアサミの前に出てワントップの位置になった。


そうか…こういう戦いかたもあるのか…!!!


状況に応じて前衛がトランスするというバリエーション。ここにリョウが加わる。

『シーナ!!ニホントウで前をあけるわよ!!』

俺とリョウはニホントウを抜きイーター部隊の裏に廻りを後ろから切り刻んでいく。そこにミオとアサミが追い付き挟み撃ちにする。そしてナギサが後方を誘導してダイキを前に引き上げる。

この作業をスムーズに進めているのが、殿しんがりから精度の高い狙撃を見せるヒュウガであった。まさに2パーティーが一体となって進むミッションである。

ただ俺の横にピッタリついて指示をするアキラが少し邪魔だ。だが、このミッションのあと俺は正式にヴァンダルハーツに移籍し完全にアキラの支配下になるから、今後も覚悟しなくてはならないのだと憂鬱になる。

そして、最後のガトリング部隊も難なくクリアし、フラッグステージへの入り口が開いた。

『退路確保は私たちがしっかりやっとくわ。』

ナギサが言う。レイニーデイズは退路フィールドへとフィールドチェンジ。レイニーデイズはこのままセーブすれば、アカウントを更新できる。すなわちレイニーデイズとしての役目はこれで終わりということだ。残された俺達はフラッグステージへと入った。


このミッションのフラッグは飛行系オスプレイ。1世紀前に沖縄に配置された軍用機だ。両翼に機関砲を装備したオスプレイ。難易度でいえば高くはないが、ハイイーターの数が多い。

ナギサが叫ぶ。

『ダイキくん!!両翼のシャフトを狙って!!

他のメンバーはハイイーター殲滅に集中!!

シーナはダイキくんの援護!!とにかく動いて!!』

やはり経験多いナギサが場を仕切る。ミオは真ん中から大胆に切り込みハイイーターを引き付ける。ナギサとアサミは両側に散る。

俺はダイキを守るように近づくハイイーターを狙っていく。


悪くない!!


即席のパーティーではあるが、個々の力がこのレベルのフィールドでは充分すぎる。特にナギサとミオの動きが非常に素晴らしい。

上位ランクのパーティーでの戦いかたを随所に見せつけていた。

ダイキが左右に動きながらオスプレイのローターを撃ち狙う。俺はダイキの動きに合わせながらダイキを援護。ヒデのRPGやハルカのシャベリンがあれば一発で仕留められるのだが、重火器がない今の状況では時間がかかりすぎる。この間にもハイイーターの数が顕著に減っていく。

アサミのスピードを最大限に活かした戦いが光る。アサミの覚醒にも取れる戦いに俺も意識を変え、オスプレイのローターに照準を合わせた。ダイキと二人で狙うオスプレイのローター。ダイキの連射が右のローターを仕留めた。

煙を吐き地に落ちるオスプレイ。とどめとばかりに俺がコクピットを狙い撃ち、オスプレイは炎上。

フラッグ戦の終わりを告げた。

『ミオさん、やるわね。』

ナギサの言葉に、

『ナギサさんこそ。さすがハイプレイヤーだよ。』

とミオが答える。一番安堵の様子を見せたのがダイキだ。

普段はフラッグを直接攻撃しない彼が、重火器をもたずにこのミッションではリベロの役を担わされた。

『お疲れ様です。』

俺の言葉に、

『疲れたよ。』

と一言答えて深く深呼吸をした。


退路フィールドはイーターが一体もいない状況。レイニーデイズが暴れた証であった。

そのフィールドの真ん中を堂々と歩きながらセーブポイントへと帰還。

このミッションの目的であるレイニーデイズのアカウント復帰は成され、リベロ抜きでフラッグを倒すという高難易度のコンプリートを成し遂げた。


その夜、オンリーイエスタディで2パーティーのメンバーでの反省会が行われた。わざわざ横浜からヒュウガとミオも参加しての宴となった。

この日、ヒカルとアスカがシフトに入っており、ハルカとナギサはカウンターの客側に座っている。

しかしなぜか俺だけは厨房ミッションに置かれた。


今日は俺もけっこうがんばったんだけどな…。


この宴席でナギサとミオが仲良く話をしている光景が目に飛び込む。ミッションでお互いを認めあったのだろう。普段は敬語を嫌うミオが、ナギサにはちゃんと丁寧な受け答えで接しているのに驚いた。

リョウはナギサとなにやら話し込んでいる。今日の退路ルートでなにかあったのだろうか?

リョウは熱く語るハルカの言葉を頷きながら聞いていた。どんどんひとつになっていく連隊。

ここでアキラが口を開く。

「今、連隊は12人。あと3人必要だ。

各パーティーリーダーが一人づつヘッドハンティング、もしくはスカウトしてくるってのはどうだ?」

この提案にヒュウガが反応する。

「ひとり心当たりがある。手練れのハイプレイヤーだ。」

「誰だ?」

とヒデ。

「元地球連邦軍のツバサだ。」

とヒュウガ。アキラが頷く。

「ツバサか…。たしかにあいつなら間違いない。」

元S級パーティー地球連邦軍。そのパーティーリーダーであったツバサは、現在FRONTIERから距離を取っている状態だ。

「招聘に応じるか?」

ヒデの問いにヒュウガが

「説得次第だ。」

と答える。

「私が話をするわ。」

とハルカ。アキラとヒュウガとヒデが驚愕の表情をする。

「大丈夫よ。殴りあったのも昔のいい思い出よ。それに女同士の方がいいわ。」

とハルカ。あ、ツバサって女なんだ…。

「まだツバサは歌っているの?」

ハルカの問いにヒュウガが、

「ああ、今は横浜の繁華街にあるペギー・リーってジャズバーで歌ってるよ。」

と答える。

「明日行ってくるわ。シーナ、あんたも来なさい。」

ハルカが俺を誘う。なんで!?と思いながら頷くしかなかった。


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