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【40万PV達成❤️】絶望のFRONTIER  作者: 泉水遊馬
THE END OF THE WORLD
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THE END OF THE WORLD -3

挿絵(By みてみん)


まさかここまでリアルに自分の体を操る事ができるとは…。深いグリーンの軍服を着た俺は、同色のヘルメットを被り、肩には銃をかけ人波に逆らうように歩いていた。少しセピア色の町並みは、中世のヨーロッパのような景色を広げ、今いる広場のような場所には円形の噴水があり、戦闘服を着た多くの人間が溢れている。人類の歴史はまさに『戦争』と共にあったと言っていい。争いの中で、人類は進化と成長を続けてきたのだ。その足跡を知るもののひとつ、それは兵器である。いわば人類の財産とも言うべき実際の兵器を装備し、このゲームのフィールドで戦っていくのだ。俺の肩からかけているのはヒデからもらったM4(アサルトライフル)。腰に装着されているのはダイキからもらったコルト(サイドアーム)。それなりにいっぱしの戦士の姿なのだが、これからどうしていいかわからず佇んでいたら、耳に装着されているインカムからヒデの声が聞こえてきた。

『全員ダイブしたな?俺とダイキとリョウはターゲットを探す。目印はBLACK EMPERORだ。必ずこの近くにいるはずだ。いいかダイキ、リョウ。見つけたら声をかけてパーティーバトルを持ち掛けろ。理由はなんでもかまわん。だが話がこっちに聞こえるようにインカムは入れとけよ。いいか?』

ダイキ『了解』

リョウ『OK』

『そしてアサミとシーナ。今の場所から大きな時計台が見えるな?そこを目指して行け。俺たちの合流ポイントはそこだ。あっ!あとシーナ、ここはニュートラルフィールドだ。敵はいない。間違っても発砲するなよ!いいな?』

アサミ『は~い!』

「はい!わかりました!」

俺も精一杯の返事をした。


時計台に向かい真っ直ぐ進むと、明らかにアサミの声で俺に女兵士が話し掛けてきた。

挿絵(By みてみん)


「シーナ!こっちこっち!」

アサミは軽装な戦闘服にコンパクトなアサルトライフル(MP5)、腰にこちらも小さなサイドアーム(ベレッタ)を装備していた。俺はここでひとつ気づいた事がある。

今、俺も現実の姿とは違うのである。ならなぜアサミは俺を認識したのだろうか?

「ねぇ…なんで俺の事わかったの?」

俺はアサミに聞いた。

「あは!シーナが着てる日本帝国の戦闘服。それはね初期装備なんだけど、普通はここのひとつ下のE級からはじめて、徐々にフィールドを上げてくるの。だからD級に初期設定の装備の人なんてほとんどいないよ。あとアバターサイズがSだから、私と目線が一緒でしょ。これだけの条件が揃っていたらシーナだってわかるよ。」

アサミの説明に納得した。確かに現実世界では、165センチの俺より10センチぐらいアサミは低かったはず。だが今は同じ目線で喋っている。

周りを見れば、確かにこの戦闘服を着ている人間はいない。、俺の質問は愚問に間違いないなく、このゲームでは常識なのだろう。アサミが続ける。

「でもね、戦闘服にもランクがあって、シーナの着ている初期設定の物でもこのフィールドでは充分大丈夫だよ。逆に火器装備は、私達パーティーの本来のB級で通用するやつだから、安心してね!」

俺はアサミの説明を聞きながらこれから始まるなにかに不安がこみ上げた…。


『あ?なんだお前は?』

突然インカムから野太い男の声が小さいボリュームで聞こえてくる。

『だからうちのパーティーとバトルしないって聞いてるの。報酬はこちらは3万ポイント。そっちはいくら出せる?』

リョウの声だ。

『リョウ、見つけたか。よし、ダイキと俺は時計台の下で合流だ。』

ヒデの声が聞こえてきた。

『わかった。すぐ向かう。』

ダイキの返事もインカムから聞こえてくる。

このインカムって装置は、おそらく登録されたパーティー内だけの通信機能なのだろう。それを思うと、リョウと話している相手の声が、小さく聞こえてくる事に、よりリアルを感じてならない。

『パーティーバトルやりたいって、お前レベル幾つだ。』

『私は7。』

『7だと!?なんでD級をウロチョロとしている?お前何者だ?』

『新人教育よ。フルパーティーでやりたいから新しいメンバーを入れたの。イーター相手のミッションより、バトルで練習した方が実践的でいいから。』

『なるほど、傭兵も良し悪しだしな…。わかった。こっちもまだ初心者のメンバーがほとんどのだから、バトルもいい経験になる。フルパーティーで人数も合うしな。ただオタクらは3万ポイント出すって言っても、こっちは半分しか出せん。これがハンデと言う事で

いいか?』

『大丈夫よ。じゃあ交渉成立ね。10分後にオープンフィールドで落ち合いましょう。こっちのパーティーネームはTHE END OF THE WORLDエンドオブザワールドよ』


『こっちは…』

『BLACK EMPERORでしょ。アバターの戦闘服にパーティーのロゴって、イモっぽくていいわ。それじゃあ後ほど。』

「交渉成立だ。リョウにしてはうまくやったな。」

挿絵(By みてみん)


俺の背後からヒデの声が聞こえ、振り返ると黒いフルフェイスのマスクに、同じく黒のメタルボディスーツを身に纏った大男が立っていた。

「ヒデさん?」

「おお?シーナ。懐かしいなその帝国兵の服。ダイキも来てるな。」

俺は再び振り返ると、俺より少し大きな体で、黒の戦闘服に鉄製のフェイスマスクで顔を覆った

男が立っている。

「今来たよ。」

ダイキの声だ。

挿絵(By みてみん)


「じゃあ、オープンフィールドに移動しよう。リョウ!お前もそこから直接行け。」

『わかったわ。』

「じゃあ、シーナ。今回のミッションを説明する。歩きながらだがちゃんと聞けよ。」

ヒデが説明し、ダイキが補足を入れる。なぜかその間、アサミが俺の手を引いて誘導してくれている。「迷子にならないように」だそうだ。二人の説明で、俺はFRONTIERのシステムや全貌を知る事になる。


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