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【40万PV達成❤️】絶望のFRONTIER  作者: 泉水遊馬
THE END OF THE WORLD
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THE END OF THE WORLD-2

ビルに入るとまず広いロビーがあり、並んだ無数のソファーには人が溢れごった返していた。ダイキは人の波を慣れた足並みで潜り抜けている。俺はこのむせ返る空気に圧倒され、アサミの手に牽引されるがまま人混に突入した。ロビーの一番奥に喫煙室があり、その扉付近にヒデがいた。

「よう。来たな。」

ヒデは俺に軽く手を挙げ髭面は笑みだった。

「昨日はありがとうございました。」

昨日の礼も言うと、

「まだ礼は早いさ。しっかり回収してからだな。」

とヒデの顔がマジになった。

「リョウは?」

ダイキがヒデに問う。

「ああ、リョウは対象を張っているよ。どこのフィールドに入るか突き止めないとな。」

どうやらリョウと言うのが四人目の仲間らしい。そしてそのリョウは、話の流れ的に解釈すると俺を襲った奴らを張っているそうだ。

ダイキは端末を取り出し、

「名前は椎名 真琴くんだったよね?」

と聞く。

「はい椎名です。」

「オッケー。じゃあ登録ネームはシーナね。次は…。」

ダイキの作業にヒデが口を挟む。

「アバターはSで、初期パラはスピード重視でな。初心者は動きやすい方がいいだろう。」

よくわからないが、まぁ黙っていよう。しばらくしてダイキが、

「よし、完了。キミの端末ナンバーを教えて。IDを転送するから。」

と納得の表情で俺に聞いてきた。

「携帯端末は持っていません。」

当たり前だ。施設暮らしで未成年の俺が端末なんか持てるはずがない。

「わかった。紙に書くから、ブースに入ったらセルフで入力してくれ。」

ダイキは財布からコンビニのレシートを出し、そこに数字を書き込み俺に渡した。

ダイキの作業はまだ続く。

「次は…キミのプライベートページから…パーティー申請…よし。ログアウトして…パーティーページにログイン。申請許可…。オッケー。準備完了。」

手慣れたように一通りこなし、ダイキは俺に親指を立てた。

「ダイキ、俺のストックからM4と弾をシーナに渡せ。相手の戦力がわからんにせよ初期の装備じゃ心許ない。」

ヒデの指示で、再びダイキは端末を操りはじめた。

「わかった。ヒデのM4をシーナに装備させる。ついでに僕のコルトも渡しておこう。」

完全に理解できていない俺をおいてきぼりに、話が進んでいく。


「ターゲットはR-DフィールドNO39に入るみたいよ。」

背後からの声に俺はすぐさま振り向いた。そこには黒髪の長い髪、色白で端正な顔をした長身細身の女が立っていた。

「リョ~ウ!!」

アサミが駆け寄り女に抱き着いた。

俺はリョウって名前で、てっきり男だと勘違いしていた。

挿絵(By みてみん)


リョウは俺を見て、

「あなたが西地区の施設の子?」

と、不機嫌に言った。

「あっ…はい。」

俺の返事に、リョウはため息をひとつ漏らしてこう言った。

「はっきり言って、私はこういう事は乗り気じゃないの。ただパーティーリーダーがやるって言うから付き合ってあげる。」

『こういう事』自体を把握してない俺は、返答を詰まらせた。ただひとつ把握したことは、このリョウって女は見た目はかなりの美人だが、極めて気の強い女であると言う事だ。

「まぁまぁ、あんまりいじめるなよリョウ。じゃあ早速ミッションに入ろう。」

ヒデはリョウを嗜め、全員に促した。


ヒデがロビーの天井からぶら下がる大きなモニターを見ながら、

「よし。今、四階のブースに空きがあるから、先にダイブして待ち伏せよう。」

と、指示を出す。

「あの…俺はなにをすれば…?」

俺の問いに、

「今からキミがすべき事をチュートリアルするから、よく聞いてくれ。」

ダイキが俺にいろいろ説明をしてくれた。聞けば単純だが、俺にできるだろうか。

「じゃあTHE END OF THE WORLD出陣だ。」

ヒデの声で全員が動き出した。


ロビーを抜けると幾つも扉の並んだフロアへ出た。エレベーターに乗り四階へ行くと、同じように扉が並び、ヒデの指示で一番奥の扉に入った。ここがいわゆるブースであり、2メートル四方の個室で、中央にリクライニングシート、その横になにかの機材と小さなモニターがあった。

俺はダイキの指示通り、機材のテンキーからIDとフィールドナンバーを入力。リクライニングに横たわり、機材からコードで繋がれているリストバンドとフルフェイスのヘッドギアを装着した。それは一瞬の出来事だった。頭の中が真っ白になり、意識が飛ぶ。

だがその次の瞬間、俺は見知らぬ街の真ん中に立っていた。

まさに『立って』いるのである。俺はつい数秒前に、FRONTIERのブースに横たわった。だが数秒後には、まるで瞬間移動したかのように雑踏の中に立っていた。周りを見渡し、確信した。ここがFRONTIERの仮想空間なのだと。

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