虐殺の門 -リョウ
キョウジの横をすり抜けるようにリョウが一気に門へと向ける。
リョウが走り抜けた後方で激しい爆裂音が鳴り響き、最後は爆発の熱い風が背中を押す。
キョウジが自分の犠牲となり、今まさに自分が門へと数歩の位置までたどり着いたのだ。
リョウはセンターコースに目をやった。ナギサが前に進めず進路が塞がってしまっているのを確認する。
しかし、自分の役割を果たしてこそのコンプリートである。
リョウは迫る攻撃を交わしながら門へと飛び込んだ!
兄を探すために始めたFRONTIER。この先に兄がいる…。もちろんそれは確信ではない。
自分を鼓舞するための理由だった。
いつのまにか仲間たちとプレイするFRONTIERにのめり込んでいたのだ。
そして愛する存在にも出会えた。
リョウにとってFRONTIERは、今の人生を人間らしく生きるための居場所なのかもしれない。
リョウが門を抜けた時に感じた事は、達成感より寂しさ…。これで終わってしまうという悲しい感情であった。
飛び込んだ門の内部は真っ白な空間。そこにはミオの姿があった。倒れ込むリョウに駆け寄るミオ。
『あと一人!!』
ミオがリョウを抱き起こす。
『ミオ…あなたたちに出会えて本当によかった…。』
リョウはミオを抱きしめながら言う。
『リョウ、私もよ!!』
それに答えるミオ。二人は振り返り、視線を門の入り口に向けた。
リョウはミオの手を強く握り、もう一人の到着を待った。




