虐殺の門 -アキラ
残り50メートルを越えた地点で、城壁からの攻撃が激しさを増す。
広いエリアの攻防から、狭いエリアへの集中放火になるからだ。
センターコースを走ってきたナギサが前に進めず、左右に動いて敵の攻撃を回避している。
すでにナギサをガードする盾がいなくなっているからだ。
ここで左右からの旋回コースをとってきた部隊が一気に攻める。
右翼のミオをガードするアキラが前に出た。
ミオはまっすぐに門へと進路を定め、最後の詰めに入っていた。
アキラはミオへの攻撃をすべて体で受けとめ、無数の被弾を自分に集めながら乱射を続けている。
レイニーデイズのサブリーダーにして、帝国最強のパーティーのヴァンダルハーツのリーダーが、今…最後の大仕事に着手したのだ。
この大攻撃でアタックメンバーを門へと誘う。これこそがピグマリオの本来の役割だと確信したアキラ。
レイニーデイズ、ブラックダリア、地球連邦軍といったS級パーティーが活動をやめた後に、この国のFRONTIERを牽引してきたのは、紛れもなくアキラである。
必ずコンプリートするという決意をぶれずに持ち続けてきた彼は、身体中をバラバラにされながら至福の一瞬を感じているのかもしれない。
『ミオ!!行けっ!!』
アキラが叫ぶ。この声は爆裂音が鳴り響くこの場であって、彼の声が轟いていた。インカムなど必要なくアキラの最後の声はミオの背中を強く押した。
ミオが門へと疾走する姿を見ながら、アキラの頭部がランチャーで吹き飛ばされ、ゆっくりとその姿を消した。
ヴァンダルハーツのアキラ。
ここまで連隊を指揮してきたリーダーは自分の役割を確実に果たして戦いから幕を引いた。




