表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

第九夜 最終話

二人は病院から琥珀が自分たちに宛てた手紙を受け取っていた。


その手紙には出会えて嬉しかった。有難う。そしてさようなら。そう書かれていた。


二人はその手紙を大事そうに抱えた。琥珀の両親は琥珀の遺体を引き取ることを拒否していた。


御影と千優は二人で話し合い両親も説得して


琥珀の遺体を引き取ると火葬して琥珀の墓をつくりそこに収めた。


二人は琥珀を忘れることはできないとそう囁きあった。


あんなにも穏やかで幸福に満ちた日々はなかったから。


ずっと一緒だよ。琥珀は最後にそう言った。


あの言葉を二人は大事に抱えて今を生きていく。


そして二人は結婚することを決めた。


二人の間には子供ができていた。


その妊娠がわかったのは琥珀が死んでから一年後の琥珀の命日だった。


二人は涙した。嬉しくて。そして囁く。その小さき命に



「おかえり」



それは琥珀が祈った祈りが届いた瞬間だった。


春はもうすぐそこに来ていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ