表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『E/O』イオ  作者: たま。
閑章【精霊編】
42/49

第33話【信頼Ⅲ】

エイプリールフールネタはありません。

これも長くなりそうだったのでさらに2に分けました。

話の前半部分といったところですが、少し短いと思います。

この前半部分だけ<アキラ視点>に戻ります。


誤字脱字など色々ご容赦願います。

「黄金蜥蜴?

ああ、ゴールデンリザードね」


「あら、知っておられるのですね。それは話が早いです。

依頼というのは、黄金蜥蜴の捕獲の依頼を受けたとある傭兵パーティの探索と…

もし、その傭兵達が依頼の進行が不可と見なした場合は、引き継いで捕獲をして貰いたいのです」


彼らが受けてからどのくらい経ったかは知らないが、こういう依頼が来るという事はまだ依頼が達成していないのだろう。

という事は、依頼を引き継がないといけない事になる。

ならば…。


「…申し訳ないですがお断りします」


ぶっちゃけ面倒だ。

サービス開始当初からあった依頼扱いの特殊クエストで、クリアする事が出来れば莫大な賞金が出るが

クエストに費やす時間を計算に入れると割に合わないのだ。

何故かというとゴールデンリザード以外のMobが出現しないので、

キャラ育成が出来ないのと副収入が全くない事が原因だ。


さらに生息するダンジョンも特殊な構造をしている。

人では通れないゴールデンリザード専用の抜け道が網目のように張り巡らされており、

ゴールデンリザード自体も非常に素早しっこくすぐに逃げられるのだ。

確かゴールデンリザードのHPは1の筈なんだけど、攻撃が当たらない。

魔法で倒せば良いと思うかもしれないが、どんな魔法だろうとレジスト(無効化)してしまう。

流石に禁呪なら当たるかもしれないが、あんな狭いダンジョンで使ったら自分も死ぬ事になるだろう。

まぁ、試した事がないので何とも言えないが…。

確か、当時の掲示板でゴールデンリザードを倒す方法は、99%の運と1%の予測との事だった。

あれだ…初心者と廃人の差を無くす為の処置なのだろうけど、極端過ぎだな。

それだけならまだ良い。

止めは、ダンジョンの最奥には滝つぼがあり、最終的にゴールデンリザードはそこへ逃げ込む。

逃げ込まれたら最後、ゲーム内時間1週間は出現しなくなる。


「な、何故です!」


受付のお姉さんは、カウンターに手を付き身を乗り出す。

ギルドからすれば、たかが依頼の1つに過ぎない筈だが何か裏がありそうだな…。

改変後に出来た裏設定というやつが…な。


多くの古参プレイヤーは、このゴールデンリザードの依頼を経験している。

受諾できる最低レベルが低い上に賞金金額が莫大なので初心者ホイホイ的な依頼なのだが、

多くの古参プレイヤーが受ける前に止めに入っている。

なので昨今は、被害者はいなかった筈だ。


その性もあって、誰一人受けなかったのだろうな…一部を除いて…。

まぁ、その一部が捕獲に出かけて帰って来ていない訳だが…。


ギルドのお姉さんからすれば俺はまだ初心者傭兵だから受諾すると思ったのだろうか。


「ご先祖様から、この依頼だけは受けるなと家訓になっているのです」


ご先祖様…初代アキラで1回受けたきり、それ以降のキャラでは一切この依頼は受けていない。


「そ、そこを何とか受けて頂けないでしょうか。

お恥ずかしい事ですが、すでに20人弱の傭兵達に断れ続けており…」


まぁ、当然だな。

こんな依頼を誰が受け……ああ、1パーティ受けていたな。

普通は受けるプレイヤーなんていない。


「この依頼を出された領主様からまだ終わらないのかと連日の様に催促がありまして…」


なるほどね。領主すなわち傭兵都市ヴェユス一番のお偉いさんからの依頼になっている訳か…。

こういう裏設定…いや、この程度の設定なら改変前からありそうだな。

俺は依頼の背景にある設定とかあまり興味ないが、アヤカなら知っている可能性があるな。


「へぇ~、ゴールデンリザードの捕獲か~。懐かしいわね」


噂をすればだ。

俺の背後からアヤカが顔を覗かせる。

すると、受付のお姉さんの表情が一気に明るくなる。


「こ、光迅!?

丁度良かったです。あのこの依頼に興味ありませんか?」


「うん、ないかな」


即答だ。

アヤカは、受付のお姉さんの期待をバッサリ一刀両断した。


「な、何故です!?」


受付のお姉さんの表情が一気に暗くなり落胆した。

コロコロ表情が変わって非常におm…可愛い人だな。


「だって、面倒じゃない…。

ずっと昔に受けた事あるけど二度とやりたくないと思ったわね」


サービス開始当初、今と同じように俺とアヤカは2人で行動していた時期がある。

その時2人でこの依頼を受けた事があるのだ。

俺達2人はこの依頼を完了する事が出来たが、リアル時間14時間ほどかかった記憶がある。

俺もアヤカも日曜日のほとんどをE/Oに費やした事になる。

ちなみに、当時のプレイヤーのほとんどがこの依頼を経験しているが、その内の半数以上が途中で依頼放棄している。

最短クリアタイムは8時間ほどらしい…最短で8時間だからな…。

最長で32時間ぐらいだと聞いている。

ぶっちゃけ32時間ぶっ通しでゲームをプレイすれば、家庭用ゲーム機のゲームソフトを1本クリア出来てしまう時間だ。

当時E/Oのスレッドで、こいつらアホだろう…と話題になっていたな。


ああ、ちなみに家庭用ゲーム機もVR空間を利用する。

E/OなどVRMMOとの違いは、オンラインかオフラインかの違いしかない。



「お受けになった事があるのですか!?

それなら尚更…」


「いやよ。面倒だって言ったじゃない。

アキラあなたが受けなさいよ…」


「いや、ボクも御免被る」


アヤカ、お前と14時間探し回ったのは俺なんだぞ。


「何事も経験よ」


いやいや、もう経験しましたから!


俺が依頼を受け続けているのはキャラの育成にもなるからであって、

キャラの育成になりもしない依頼なんて受ける価値ないだろ…。







で、結局受けてしまった…。

アヤカからの援護射撃で受付のお姉さんから水を得た魚のようなトークで捲くし立て、

俺が反論しようものならアヤカが割り込んで代弁をし、あれよあれよと事が進んでいった。


「どうしてこうなった…」


「はっはっは、嬢ちゃん、がんばんなよ」


(何を言ってるんだ?いざとなればザキラ達にも手伝って貰うからな)

投稿大分遅くて申し訳ないです。

多分、この先ずっとこのぐらいのペースかそれ以上掛かると思います。

後、何年掛かるかな…いえ、何でもありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ