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『E/O』イオ  作者: たま。
序章【改変編】
30/49

第21話【帰路】

誤字脱字、表現の誤りにはご容赦願います。

昨日、酒場でたらふく食事を堪能した後、俺はすぐに眠ってしまったようだ。

というか、宿に戻った記憶さえない。

酒は飲んでいない筈なんだが…。


それはそうと、上半身の防具が壊れたので防具屋に買いに行こうとしたら、

「その格好で昼間歩くのはどうかと」などと言われアヤカに止められた。

代わりにアヤカが買いに行ってくれた。

で、今アヤカ待ちの状態だ。


これからの予定だが、自宅へ戻り夢幻刀の代わりを倉庫から取り出した後

闇の森でLv50までレベル上げして、精霊探索を本格的にするつもりだ。

取り合えず、闇焔を倉庫に預けて蛇腹剣を予備装備として持って行く。


残念ながら、このゲームはいくらでも武器を持ち歩けるという訳ではない。

大型サイズの武器は基本、背中にしか仕舞う事が出来ない。

腰に差す事も不可能ではないが、色々な制約がある。

標準サイズの武器は両腰と尻上の3箇所、小型のサイズと暗器は両腕と両太ももの4箇所だ。

例外として、マントやコートなどに武器の収納箇所がある装備もある。

基本的にリュックには武器を収納できないが、鞘を差し込むスロットが設けられた物も一応存在する。

結構多く感じるかもしれないが、干渉具合によってかなり少なくなる。

重量の関係もあるので、せいぜい1~3個が限界だ。


で、夢幻刀の代わりが主武装(左腰)で、蛇腹剣が副武装(尻)といったところだな。

蛇腹剣が左腰の装備と干渉するように思えるが、剣身を分割する事で干渉を防いでいる。

闇焔は、大型な上に腰の蛇腹剣と干渉するので背中にしか付けれない。

で、リュックに干渉するとなると倉庫行きとなる。

鞘が手に入ったら倉庫から取り出す予定だ。


っと、アヤカが戻って来たみたいだ。


「良い装備が手に入ったわよ」


「ほう…」


「黒龍革の鎧と白龍革の兜…それ以外にもゴーグルとリュックも…。

本当は単品で買おうとしたんだけど、セットだったら安くするって言われてね」


「ん?プレイヤーの商人?」


「そ、なんでもイスカ王国から仕入れたネt…みたい」


「ふ~ん」


「はい、これ。早速着替えて」


と、一杯詰め込まれた紙袋を渡される。

アヤカは部屋が一旦出て俺が着替え終わるのを待つらしい。

別にアヤカに着替え見られても今更恥ずかしくはないのだが…まぁ良い。


「どれどれ…」


俺は、紙袋をひっくり返し中身を取り出す。


…ん?…これは……


「アヤカッ」


「え?もう着替え終わったの?」


アヤカが、扉を半開きにして覗いてきた。


「いや、まだだけどさ。この装備ちゃんと確認して購入したんだろうな?」


「まぁ…それなりに?」


「それなりに…とは?」


「まぁ、細かい事は良いじゃない。はいはい早く着て頂戴。

ちゃんと着なさいよ、今度は見てるからね」


アヤカは新装備を俺に押付ける。


「ちょ、おい、やめろ。俺はこんなの着たくない!」


黒龍革の鎧は、言うなればオールドスクールモデルの水着……略してスク水だ。

競技用水着でなくて、下半身部分がスカート型のやつだ。

ご丁寧に胸部に「6年3組あきら」と書かれている…。

白龍革の兜は、どう見ても水泳用のキャップだ…。間違っても兜ではない。

それ以外にゴーグルやビート板型のリュックなど…。

イスカ王国で仕入れた事やあのエ○ゲー風の制服と同じように、

生産者の悪意と趣味丸出し感溢れるデザインが、デジャブとしか思えない装備品だ。

イスカ王国の防具職人は変態しかいないのか?!

いや、待て。同じ生産者の可能性の方が高いな。

忘れもしない…あの制服シリーズの生産者の名前は、シュウジ=アップルという奴だ。


俺は、渡された装備であるスク水もとい鎧の詳細を確認する。



黒龍革の鎧

ベース:ボディスーツ

生産者:リーヤ=アップル

耐久:300/300

防御力:100

備考:龍革効果、魔法ダメージ-50%、

   名品効果、物理ダメージ-30%

生産者コメント:水着マニアの心を揺さぶる至高の逸品。



ん?ボディスーツ…これ下着じゃないか…。

生産者は…名前からして同じプレイヤーだな。

防御力はかなり低いが…効果がかなりやばい能力だ。

というか、生産者が水着って言っちゃってるよ!?


「はい、これは右手に持った方が様になるかな」


と、ビート板型リュックを手に持たせる。


「完璧過ぎて恐い…」


「………」


俺はアヤカを冷たい目で睨む。

何だコレ…なんで仮想世界でスク水を着なきゃならん。

俺は一応男なんだぞ。見るのは好きだが自分で着るのは勘弁願いたい…が、手遅れだな。


「ははは、冗談よ。はい、こっちが本当の新しい防具」


で、新しく渡された鎧は、「妖艶の学生服・上」だった。

案の定、生産者は、シュウジ=アップルだった。

制服が純真だけではなかった事には驚きだ。

デザインは、胸元が開いていない代わりに何故か両肩が丸出しになっている。

もう、ツッコム気も起きないデザインだ。

性能は「純真の学生服・上」と同じだった。


「と、これはプレゼントよ」


次に渡されたのが、「赤龍髭のスカーフ」という肩用の防具だ。

龍髭って硬いイメージがあるが、どういう加工したのだろうか。

生産者はリーヤ=アップル…にしては全うな防具だ。

デザインは普通だし、変な特殊効果も付いていない。

赤龍髭のスカーフのお陰でで両肩が丸出しだったのが良い感じに隠れたようだ。

ちなみに、性能はこんな感じだ。



赤龍髭のスカーフ

ベース:スカーフ

生産者:リーヤ=アップル

耐久:80/80

防御力:100

備考:龍髭効果、物理ダメージ-30%、

   名品効果、被クリティカルダメージ-15%   

生産者コメント:もう少し面白みのあるやつを作れば良かった



…こいつ、装備品に何を求めてるんだ…。

で、結局こうなった。


<防具>

頭:―

顔:魅惑のリップクリーム

首:傭兵タグ

耳:魅惑のイヤーカフス

肩:赤龍髭のスカーフ

背:―

上半身(上):妖艶の学生服・上

上半身(下):黒龍革の鎧

腰:純真のセーター

下半身(上):純真の学生服・下

下半身(下):黒龍革の鎧

靴下:純真のニーハイソックス

靴:純真の龍革ブーツ

右手:―

左手:―

鞄:リュック型学生カバン

<魅惑セットボーナス>魅力+20、同性を惹き付ける。

******************************************************


まぁ、見た目やデザインに目を瞑ればかなり良い性能のものばかりになった。

スク水なのは気に入らないが、これの効果が非常に高い。

純真のセットボーナスがなくなった…俺的には喜ぶべき事だな。

というか、服の下に鎧があるのは何か変だな。

ま、実際は鎧ではなくて下着だが…。

「アキラ、準備は出来た?」


「ああ、問題なくもないが大丈夫だ」


「じゃ、寄合馬車で自宅のある都市まで直行で良いよね?」


俺とアヤカは、宿を出て寄合馬車の停留所がある南門まで移動した。

寄合馬車とは、読んで字の如く馬車の荷台に人が乗れるスペースがある。

まぁ、バスってやつだな。

ぶっちゃけ、徒歩(全力疾走)よりも移動スピードは遅い。

しかし、スタミナが消費しないので最終的には寄合馬車の方が早く到着する。


この世界での移動方法は、徒歩・馬・寄合馬車・船・飛行船などがある。

ちなみに、飛行船はセントラルブレイ王国、フィラシェット王国、カルディア王国、

ロードグリアード帝国の各首都にしか停泊しない。

それなりの大金を払って乗船出来るが、俺のような傭兵が利用する機会はほとんどない。

まぁ、遠くで戦争が起こった場合にショートカットとして利用するぐらいだ。

主に利用しているのは行商をしている商人や海外遠征をする騎士などだな。


あー、名前が挙がったので簡単に国家の事を説明しよう。

セントラルブレイ王国は、現在いるノースブレイ王国の南に位置する国家だ。

闇の森を抜けた先に国境線がある。

大昔にあったとされる古代ブレイ王国の首都があったとされ、現在の王都に再利用されている。


フィラシェット大陸にある唯一の国家がフィラシェット王国だ。

他の大陸にはいないような珍しいMobや高レベル帯のMobも存在する。

世界に3箇所しかないとされる龍種が生息する地域がある。

改変後、フィラシェット王国に関する一切の情報が遮断されている。

今、どうなっているのかが全く分らない状態だ。


カルディア王国…多種族が交わる移民国家だ。

地理的にも似た場所にあるし、元ネタは間違いなくアメリカ合衆国だろう。

銃の生産やアームズと呼ばれる圧縮された魔力を放つ個人携帯古代兵器の発掘などもこの国家の特有だと言える。


ロードグリアード帝国は、極寒の地にある大国でダークエルフ族が多い。

取り合えず、よく戦争をする国という認識がある。

列強の時代は、このロードグリアード帝国が発端で、南に位置する華朝連邦や東のカルディア王国へ戦争を吹っかける感じだな。

アースガント族の隠れ里もこの地にあるらしい。

プレイヤーでこの種族を選択する者が極少人数な上にNPCのアースガント族もほとんど見掛けない。それ故、正確な場所が分らない。

知り合いにアースガントのキャラを使っている人がいるが、その辺を有耶無耶にされた。

ちなみに、その知り合いは”八迅”の1人だ。


ついでに、華朝連邦は武狭の国と言えるな。

他の国家にはない珍しい流派が多く、母数自体も多い。

珍しい流派というのは、鉄扇や鋼線や鉄爪などで、これに限っては他の国家にはない。

噂レベルだが、シークレット流派は2つもあると云われている。

基本、1国家につきシークレット流派は1つとされている。

あと…ここにも龍種が生息する地域がある。


ああ、度々名前が登場しているイスカ王国もシークレット流派が2つあるという噂がある。

こっちは、母数自体が少ないので信憑性は非常に低い。


ま、こんなものだろう。

さて、到着までまだまだ時間が掛かりそうなので、少し眠るとしよう。

どうだったでしょうか。

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