表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『E/O』イオ  作者: たま。
序章【改変編】
16/49

閑話【調査】

誤字脱字・表現の誤りはご容赦願います。

今回の閑話で序章最後となります。

アキラを取り逃がした後のジョーイ=シムスの後日談のようになっています。と言ってもすごく短いですが…

――ジョーイ=シムスによる調査――


ちぃ、濃霧を発生する魔術で逃げられた。

気配は分るのだが、霧が濃くて道が分らねぇ。

潜伏する場所なんだから、もう少し調べておくべきだった…。


あのガキ、確かアキラ=ローグライトとか言っていたな。

取り合えず今は殺さないでおいてやろう。

今はまだ体が未熟だが、成長すれば絶対良い女になる。熟してから狩るのも悪くない。

特にあの目は良かった、圧倒的な実力差で嬲られても絶対屈しようとしない目…最高だ。

今から考えてもヨダレが出てくるぜ。


そういえば、そもそもあのガキは傭兵なのか?…いや、首に傭兵と証明するタグが付けられていなかったな。

しまったな…。俺は一応、傭兵を専門に狩る賞金首としてロールプレイをしている。

今回は衝動を抑えられなくて、確認もせずに襲ったが…ガキが傭兵になるのを願うしかないな。

もしくは、なる職業に応じて狩る対象を変更するか…?

いやいや、そんな事で俺のポリシーを曲げる訳にはいかない。

傭兵以外なら瀕死までに留めておいて殺さずに犯せば良い。

ふむ、それで行こう方針決定だ。


今日は、もうあのガキが出歩く事はないだろう。

明日、少なくとも住所ぐらいは突き止めてやる。できれば、挨拶(脅し)もしておきたい。


ああ、腹減ったなぁ…チンピラどもに食い物を盗ませに行かせよう。

逃げられた日の翌日早朝になった。

あのガキ、レベルは低かったが少なくとも昨日今日始めたようなプレイヤーじゃねぇな。

俺に一撃を与えたあの剣技、あれは余程やり込んでないと使えない…もとい、あんな技は初めて見た。

あれは自流派だ。間違いない。


という事は、プレイヤー達の住宅が集まっている住宅街地区にガキはいる可能性が高い。


早朝から動くのは訳がある、プレイヤーがほとんどいない時間帯なのだ。

全くいない訳じゃないが絶対数は少ない、いくらでも隠れようがある。

昼間に動くと俺よりも高いレベルのプレイヤーにばったり出くわしてしまう可能性が高いのだ。

俺が昼間行動する為に使用するスキル【気配遮断Lv10】は、姿は見えても相手に認識させなくさせるスキルだ。

簡単に言えば、視界に入っていてもいない者と認識するというべきか。

効果範囲はLv10なので1kmにも及ぶが、欠点もある俺よりもレベルの高いプレイヤーには発見されてしまう。

しかも、一度認識されてしまうと、次の日になるまでスキルを使用しても効かないのだ。

いや、それは改変前の話だから、もしかしたらNPCにも俺を見つける可能性のある高レベルがいるかも知れない。

だから、慎重にならざる得ない。

【暗闇同化Lv8】で、高レベルにも対応できない事もないが…姿は見えなくても気配は察知されてしまう微妙スキルなのだ。

しかも、夜か影にいる間しか効果がない。まぁ、ないよりマシという感じだ。

普通はこの2つのスキルを併用するのだが、結局は高レベルのプレイヤーにはあまり効かない。



さて、住宅街地区の入り口に来たぞ…。

ここからは【暗闇同化Lv8】も使用し影と影の間を移動するように中を進んで行こう。

さすがに、ここはプレイヤー達の巣窟なのだ。【気配遮断Lv10】だけでは見付かってしまう。



「!!??」


って、なんで奴がこんな所にいる!?

俺は咄嗟に建物と建物の間の細い路地その奥にまで引っ込んだ。

気配が完全に感じなくなるまでここで息を潜めよう。


奴は、俺達賞金首にとって天敵と言っても過言ではない廃人プレイヤーのキャラだ。


”雷迅”それが奴の通名・二つ名だ。

八属性の1つと”迅”という文字が合わさったこの通名は、各々1つしかこの世界に存在しない固有通名なのだ。

これは、前時代の戦争イベントで最も活躍した8人の傭兵プレイヤーに与えられた通名だ。

雷迅を除いた7人の傭兵は全員ヤツの知り合いだった筈、いわば8人の廃神プレイヤーが別ゲーかよと思うぐらいの無双っぷりを披露したイベントだった。

俺も実はそのイベントに参加していた、戦争イベントでは賞金首も参加できる上に合法的に人を殺せるのだ行かない訳がない。

同じ陣営だったから奴らと対峙はしていないが、奴らはまさに一騎当千だったのは記憶に新しい…。

途中で俺達いらなくね?なんて思ったのは内緒だ。



奴は確か、雷迅のヴォルトって呼ばれていた筈だ。フルネームは知らない。

とにかく奴が視界に入ったら動くな、いなくなるまで隠れ続けろ!や、

奴が追い駆けてきたら、装備品を捨ててでも身を軽くして逃げ切れ!など

賞金首の間での格言にもなっている。


そんな相手が俺の視界に入っている。…俺には気付いていない…筈なのだが、

何なのだ?ヤツの横を歩いているあの女エルフは??

俺に気付いている?馬鹿な…奴が気付いていないのに何であのエルフは俺の方を見続けているんだ?


こええええええ!足が竦む…体の震えが止まらない…何者なんだ?

どこかで見た覚えがある…いや、誰かに似ている?

どことなくあのガキに似てなくもないが、同じエルフだからだろう…。


あ、住宅街地区からあの二人が出る…助かったぁぁぁ…

うわ、背筋がゾクリとした…あのエルフ俺の方を見てニヤリとしやがった。

やっぱり気付いていたのか…。


あんなのがいたら噂ぐらいにはなる筈だ……まさか、NPCなのか?


と、と…りあえず、奴らはいなくなった事だし、調査再開だ…。

震えがまだ止まらないが、いつまでもここにいても仕方あるまい。

「!」


見付けた…あのガキだ。間違いない。

知り合いらしきプレイヤーと何か話している。

話の内容は聞こえないが随分親しげだな。


ま、それはさておき、その2人別れそうだな。

よし、あのプレイヤーが立ち去ったら、挨拶でもしてやるか。


二言ほど言葉を交わしてから2人は別れ、知り合いのプレイヤーは大通りの方へガキは家の中に入ろうとしている。

今がチャンスだな。

俺は、気付かれないようにスキルを発動し、ガキの背後へ回って耳元に囁く。


「ア・キ・ラ・ちゃん、俺はいつも君を見ているからねぇ?ヒャ、ハハハ…」


ガキは後ろを振り向く、だが俺の姿は見えず辺りを見回している。

俺はその慌て振りに満足しながら住宅街地区を後にした。


さて、恐らくもう裏通りには戻れないだろう…

ガキが逃げたせいでギルドの方に俺の情報が入っている可能性があるからだ。


しばらくは、街道沿いで傭兵を襲って生計を経てるとするかな。

どうだったでしょうか?

・ヴォルトのちょっとした過去の話

・母、実はヴォルトより強い?

・シムスの死亡フラグ、

・7人の廃人プレイヤー

の4つが焦点?になっています。

シムスの死亡フラグはともかく7人の廃人プレイヤーは今後の話に

出す予定です。母は未定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ