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『E/O』イオ  作者: たま。
序章【改変編】
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第6話【初戦】

誤字脱字・表現の誤りはご容赦願います。

今回は、戦闘です。

筆者的にも初戦なので、上手く表現できているか自信はありません。

でも、楽しんで頂ければ幸いです。

この街の領主が住む館へ向かう大通りの脇にある小道を奥に進んでいくと、Y字路の先に目的の裏通りがある。

片方は低所得者向けの集合住宅のような建物が建ち並んだ普通の住宅街だが、もう片方の奥の方が明らかに違う空気を漂わせていた。

ここから一歩でもこの道に入ると、住民や騎士達からの目から外れる。いわゆる、街にいながら安全圏から外れるのだ。

ここで何をしようが目撃者がいなければお咎めがない。

正直怖い。この先は危険だと第六感?が告げてくる。

五感がなければ多分、何も感じず入って行けるのだろうけど…


ほんと、父と母はスパルタだ。


「さて、行くか…」


俺はY字の先へ入っていく…安全圏から外れたココからが本番だ。


俺は目的に向かってどんどん奥へ進んでいく。

何もして来ないが厭らしい視線が俺に付き纏う。不気味で気持ち悪いな…。

む、分かれ道だ…どっちに進もうか…。

取り合えず、ここに印を置いて奥へ行くように進んでいこう。

あ、また分かれ道だ。なんか迷路みたいだな。ここにも印を置いてっと。

この後、3回ほど分かれ道を通った後、辿り着いたのは行き止まりだった。


そして、俺は元来た道に戻ろうと振り返ると、いかにもチンピラですと言わんばかりの者達が行く手を阻んでいた。

気配察知のスキルが働かなかったという事は俺よりもレベルが高いという事だな。

1、2…6人か、男5人女1人全員がナイフらしき武器をチラつかせていた。


「お嬢ちゃん、こんな所で何をしているのかな?」


俺は一番前で話しかけてきた男を無言で睨む。


「おお怖い怖い。何か探し物があるのなら手伝ってやろうと思ったが、気が変わったなぁ~」


こいつ…手伝う気なんて更々ない癖に何言ってるのだか…


「なぁに、別に取って食おうって訳じゃないさ。ここで会ったのは何かの縁だし、身包み全部ココに置いて行くだけで良いんだぜ。」


取って食おうとしているじゃないか…こいつ馬鹿か?


「おぃ、何か喋れよ…命だけは助けて下さいとか何かあるだろっ!」


何も喋らず無言で睨む俺に対して男は苛立ちを見せる。


「なんだぁ!?その目は!」


「ッ」


男は俺の髪を強く握り顔を上に向けさせるように持ち上げる。


「へへ、綺麗な目してるじゃないか…」


くぅ、痛い。強く引っ張るな…

さっきから俺の毛がちょっとずつプチプチといって抜けていっているではないか。


「ボクの髪から手を離せ…チンピラ。」


「ああぁん!?」


「うっ…」


男はより一層強く握る。だから痛いって言っているだろうがっ!


「兄貴、こいつ生意気過ぎますよ。」


「そうだぜ。取り合えず動けないようにしてから身包み剥げば良いんじゃねぇの?」


「俺はどっちかというと体の方が興味あるな…」


「廻すなら私が見ていないところでやってよね。」


なんか、チンピラ(小者)どもが言いたい放題なんだが…いい加減ムカついてきた。

俺は腰に差してある仕込み杖を取り出し、男の腹に押し当てる。


「ん?」


男が下を向いた瞬間…


「炎の妖精よ…フェアリーボール!」


ワンワードワンスペルで出せる基礎魔術を唱えた瞬間、男の腹で爆発が起き、後ろにいたチンピラ(小者)の1人を巻き込んですっ飛んで行く。

不意打ち成功、さすがに至近距離での魔法は効いただろう。


男は白目で気絶しているようで、魔法が直撃した腹は服が完全に焼き飛ばされており、体の方もかなりの火傷を負っていた。

巻き込まれたチンピラ(小者)は少しふらついてはいるが無傷のようだ。

それ以外の者はあまりにも突然だったので呆然としている。

一瞬の間を置いて、チンピラ(小者)達は俺に対して敵意をむき出しにした。


「てんめぇぇ」


「不意打ちとか汚ねぇぞ!」


「ぶっ殺してやる!」


命の危険と貞操の危険があるのに不意打ちとか汚いとか関係ないと思うのだけど。


「この子、魔術使うみたいだし、近付いて唱える隙を与えなければ良いわ。」


チンピラ(女)が魔術を使う者に対してのセオリーを他の者に伝える。

だが、俺は普通の魔術師じゃないんだよな。

勢いを付けて2人ほど突進してくる。


俺は杖を腰に差しなおして腰を落とす。

そして…【縮地Lv1】を発動させ、それにプラスして頭の中で月守流居合剣術の基本技である抜刀術をイメージしてから技を繰り出す。


『居合・壱之太刀』


俺の体は一瞬でチンピラ(小者)達との距離を詰め、仕込み杖から抜かれた刀で一閃2人を斬り捨てる。

その一閃で真空波が発生し、後方にある壁を切り裂いたが見なかった事にしよう。


すぐに杖へ刀身を納める。


『居合・弐之太刀』


そして、丁度、チンピラ達グループの中心に来ていたので、もう1つの基本技をイメージして他の2人を纏めて斬り裂く。

ここでも真空波が発生、後方でふらついていたチンピラ(小者)を肩口から腰にかけて両断する。この場所は結構広いスペースなのだが、周囲の壁に切り裂いた後が深く刻まれた。


5人を斬り捨てる時間、およそ3秒…イメージした通りに技を繰り出せたので俺は満足した。

周りを見渡して他に誰も居ない事を確認した後、血振りをして杖に納めた。


ちなみに、壱之太刀は前方90度の範囲を横に斬る出の速い技だ。オプションでランダム軌道の真空波が3mほど飛ぶ以外は普通の技である。

弐之太刀は周囲360度を横に斬る技だが、壱ほど出は速くない。壱同様オプションでランダム軌道の真空波が3mほど飛ぶ以外は普通の技である。

多分、今の俺が出してもSP的に大丈夫なのはこの2つの技だけだろう。

技の名称について、考えるのが面倒だったので適当に考えた。最初に覚える技と2つ目に覚える技なんだから、これで十分だ。


周りを見渡すと、そこは猟奇殺人の現場のような惨状だった。

う、自分がその惨状を作り出した張本人とはいえ、これは吐きそうだ。

両断された死体と俺を中心に周囲へ円状に広がった彼らの血…


ん?改変前と同じようにチンピラ(小者)達の死体が光の粒子に包まれていく。

死体全体を覆っていたと思ったらその粒子が集まって光の玉となり、上空へ上がっていく。

そして、俺の身長ぐらいまで来たと思うと、光は消えていった。


彼らが着ていた衣服や武器などを残し……血は残っているようだが。

これはMobが死んだ時の演出と似ているな。

NPCだからこういう演出なのだろうか…

改変後のプレイヤーもこういう死に方になるのだろうか…


さて、最初にすっ飛んだ男がまだ辛うじて生きているようだが放っておき、もう少し戻って他の道を探すとするかな。


目的地に近付いている感じがするが、その間あの付き纏う視線がない事に気付く。

一応、周囲に誰もいないか調べてみるか…

俺は、下位法術の1つである周囲にある生物を探る魔法を使ってみる。

ちなみに、これはスキルである【気配察知】とはまた違う性質のものだ。

唱える事で、周囲100m内にいるあらゆる生物を視認出来まいが隠れていようが見つけ出す魔法なのだ。

一見便利なように見えるが、発動中は移動出来ないだけでなく一切の行動が出来ない。

だから、戦闘中や近くに敵性生物がいると良い的となる。

多分、今使っても大丈夫だと思う。


「女神ヴィーナスの名において、見えざる者を映し出せ…ディテクト!」


唱えた瞬間、俺の目に人の姿が強調された感じで映し出される。

ふむ、少なくとも周囲10m以内にチンピラと思しき者はいない。

それ以上は警戒している様子のチンピラ達がちらほらいるが、敵意は今の所感じない。

一応、安全なのが分ったので魔法を解く。

それにしても、ヴィーナスの加護はまだあるようだな…。

もしくは、詠唱文にヴィーナスの名が使われているが、力の源はまた別のところにでもあるのかも知れないな。


そして、しばらく歩くと先ほどのスペースの大体3倍の広さの空き地に出た。

その奥にはゴミ捨て場のような所が見える。目的地はここで問題なさそうだ。


俺はそのままゴミ捨て場に移動し、もう1つの探索系下位法術を唱える。


「龍神メシアの名において、隠れし物を映し出せ…オブテクト!」


今回唱えたのは人ではなくて物を見つけ出す魔法だ。

周囲100m以内の隠されたスイッチや宝箱をディテクトの様に強調して見つけ出す魔法だ。

デメリットもディテクトと同じである。


あ、見付けた…。石碑以外にも回復薬とか色々あったが、取り合えずそれらは放置で良いだろう。

俺は魔法を解いて石碑の上にあるゴミを不本意ではあるが、手で掘り返す。


ゴミを払いのけた後の石碑は異常に臭かった…。

何年ゴミに埋もれればこんなに臭くなるんだ。

どうだったでしょうか?

少し短めですが、切りが良いのでここまでにします。

次も戦闘がありますので見て下さい。

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