第4話【闇馬】
誤字脱字、表現の誤りにはご容赦願います。
話がなかなか進んでいませんが気長に読んで下さい。
今回は、少し短めです。
気付いていると思いますが、サブタイトルがプロローグを除いて全て漢字2文字になっています。最初はそのつもりはなかったのですが、もう最後までそれを貫こうかと思います。
では、続きをどうぞ。
今日一日中歩き回れば精霊使いの1人ぐらい見付かると思っていたのだけど…
結局見付からないまま俺は家路に着いた。
家の前に来ると美味しそうな良い匂いが玄関の隙間から漂ってきた。
俺の腹の虫が良い感じに反応する。
ま、明日探せば良いか…食欲には勝てないしな。
「ただいま帰りました~」
「お帰りなさ~い」
食堂から若い女性の声が聞こえてきた。
母の声だ…ぐっリアルでもこれぐらい若い母だったら……いや、何でもない。
食堂に入ると父ことヴォルト=ローグライトがすでに席に着いていた。
「戻ったか、アキラ」
「はい、ただいま…」
ちなみにこの家の食堂は大きい、普通の家なら食卓とか言えば良いかもしれないが、
軽く10人は座れるぐらい大きいテーブルが部屋の真ん中に鎮座しているのに関わらず、まだまだ部屋のスペースには余裕がある。
そうこうしている内に、母が最後の料理をテーブルへ置き、自分の席であるちょうど俺の真向かいに座る。
「では、頂くとするか…。主よ、あなたの慈愛に感謝を込めて食事を頂きます。主神ガディウスの名において…アーメン」
…昨日みたいに口パクで誤魔化しておくか…面倒だし。
復唱が終わった後、父と母が食事をし始めたのを見て俺も食べ始める。
恐らくだけど、この世界の神は四神の事だと思う。
あ、でもヴィーナスの扱いどうなるのだろうか…
「今日は、どこへ行っていたの?アキラちゃん」
アキラちゃん…だと!?と、鳥肌が立った。
今までそんな呼び方された事なかったから…いや、そういえば幼い頃3歳年下の従妹にもそう呼ばれていた事があったか…
でも、中の人年齢28歳にもなって、この呼び方はどうもダメだ。
「あ、え~と、中央広場?かな。少し教会で神官長様とお話していました」
その他色々行って来たが間違ってはいないだろう。
「そうなの?神官長様ってお優しい方でしょう」
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しばらくして、今まで喋らなかった父ヴォルトが口を開いた。
「……ふむ、アキラお前はもう15歳だったな」
「はい、そうですが、それが何か?」
「そろそろ身の振り方を考えねばな…」
「身の振り方とは何です?」
「私や母さんのように傭兵になるか、騎士になるかだ。
まぁ、商人や職人でも構わんが、ローグライト家は今まで1回も商会に所属していないからコネがないぞ?」
「そういう、振り方ですか…。そうですね。俺は傭兵になろうかと思います」
「!?」
父と母は顔を見合わせてこちらに睨み掛けた。
「あれ、どうしました?」
「お、おぉあぁ、アキラいつから自分の事を俺と呼ぶようになった?」
え、あれ、俺そんな事口走ってしまったか?
油断していた…
「どどど、どうしましょ。あなた!」
父同様母もかなり動揺している。
改変後、俺は自分を呼ぶ時どういう呼び方に設定されているんだ?
「え、えーと…」
「…女の子であるアキラお前が自分の事をボクって呼ぶのは何とか我慢できたが、俺は流石に認められん!
誰だ?誰にそそのかされた!」
あれ…俺ってボクッ娘なのか!?
さすがにその発想はなかった。
「誰にもそそのかされていません。少し言い間違っただけです」
少なくとも両親の前ではボクにしなければ…
「む、そうか。ならば良いのだが、くれぐれも俺なんていう言葉は使うな」
「もう、お母さんびっくりしたじゃない」
な、なんとか誤魔化せたか…危ない危ない。
というか、言い間違いで納得するとは思わなかった。親馬鹿の類か?
”俺”でも別に構わないのだが、家族関係を悪くしてもメリットがないし仕方ない。
「あ、お父様。魔法書店のアマンダさんがあの時は命を助けて頂いて有難うございますって言ってました」
ま、助けたのは俺だけどな。
「ほう、あの子に会ったのか。元気にしていたか?」
「はい、今傭兵をしているらしいです」
「傭兵か、いつか会う事があるかもな…」
俺がこのキャラを使っている?のだから父は傭兵を引退している筈なのだが、どういう事なのだろうか。
あ、よく見たら両親ともに食べ終わっているじゃないか…
話に夢中…というか、さっきので動揺して食事が進んでいなかった。
そういえば、今更だが母って古代エルフだったよな。という事は精霊魔法使えたりするのだろうか…
ダメ元で聞いてみるか。
「お母様」
「なぁに、アキラちゃん」
うう、慣れない…。
「お母様って精霊魔法使えたりしますか?」
「当たり前じゃない。あ、アキラちゃんもしかして精霊魔法を覚えたいの?」
…こんなすぐ近くに精霊使い居たよ。びっくりだ。
まさにダークホースだな。
「まぁ、そんなところです」
「ふふ、アキラちゃんの頼みなら教えてあげるわよ。ついでに神術も教えてあげましょう。アキラちゃんは私の娘なんだし少しは使える筈よ」
神術か…確かGMのセレスティア以外で神術が使えるのは古代エルフだけだったか…
法術の上位魔法っていうぐらいの知識しかないが、実際どういうものなのだろう。
「まぁ、精霊魔法はエルフなら誰でも使える筈だから、教えると言っても契約方法と精霊についての知識ぐらいなんだけどね。
神術は法術が使えたら、その延長線上で使えるからこれも問題ないでしょう」
そうなのか!?意外と簡単に習得できるんだな…。
いや待てよ…確か、俺の神力5しかないぞ。
「お、お母様。ボクの神力ほとんどないのですけど…大丈夫ですか?」
「少しでもあれば何とかなるわ。ま、その前に法術を習得するのが前提条件だけどね」
「それは問題ありません。今日、教会でシスターに基礎技術と下位法術を教えていただきました。」
「そう…なら、神術に関しては、しばらく【祈り】で上げなさい。
これは法術の基礎技術でMPを回復させるスキルなんだけど、同時に僅かだけど法力も上がるの。
ついでに神力も上がるわ。法力の半分の速度でだけど、適性があるのなら確実に上がるから…
魔術にも良く似たスキルで【瞑想】があるけど、これは魔術限定だから間違ってはダメよ」
なるほどね。いわゆる魔術や法術で魔法を使える段階にない低い能力値の時に使う救済スキルみたいなものか…
暇が出来れば少しずつ使っていこう…
魔術は炎属性限定だが中位まで使えるし【瞑想】を使うまでもないだろう。
「今日はもう遅いし明日、精霊魔法を教えてあげましょう」
母はそう言い、食べ終えた食器を纏めてキッチンへ向かった。
俺はそれを見届けた後、風呂へ入りに行く準備をする為に自室へ向かう。
というか、いつの間にか父がこの部屋からいなくなってる。
魔法の話になって逃げたか…脳筋キャラだし。
まぁ…今日は散々歩き回って疲れたし風呂から上がったらそのまま寝よう…。
どうだったでしょうか?
相変わらずの文章で申し訳ありません。
改変によって主人公にボクッ娘属性が付加されてしまいましたが、中身は男のままで進みます。しばらくは、家族内の話で進みますので、あまり活用されないと思いますが。