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『E/O』イオ  作者: たま。
序章【改変編】
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第3話【魔術】

前回、掲載が少し先になるかもと言いましたが、案外早く書けてしまいました。

誤字脱字、表現の誤りはご容赦願います。

説明文が多く、話の進行速度が遅いですが気長に読んで下さい。

俺は今中央広場から東西に伸びる大通りにやってきた。

ここは専門店が多く俺が目的としている魔法書店もココにある筈だ。

専門店といってもNPCが経営する商店だから良い物でも中級品止まりだ。

が、改変した事によって自我を持った訳だから、今後も中級品止まりという可能性は低いと言えるだろう。

これは先が楽しみだ。


と、フライドチキンもどきを食べ終えたあたりで目的の魔法書店を見付けた。

確か、後2軒ほど魔法書店があった筈だが下位魔術の魔法書ならどこでも売っているだろう。

俺は古めかしい書店の扉を開け入店した。


「いらっしゃ~い」


大方、気難しい爺さんが出迎えると思ったのに予想に反して人の良さそうなお姉さんが俺を迎えた。


「あら、どうしたの?」


「あ、いえ御気になさらず…」


お姉さんは悪戯っぽい表情を浮かべる。


「わかったぁ。うちのお爺ちゃんかと思ったんでしょう?」


「え、まぁそんなところです」


「うちの店、お爺ちゃんが気難しい顔でお客さん迎えるから常連さん以外あまり買って行かないのよねぇ。だから、私が見かねて店員を買って出た訳なのよ」


改変の結果にいきなり出会ってしまった…。

まぁ、それはさておき目的の魔法書を買うか…


「お姉さん、初心者でも使える下位の魔法書を売って下さいませんか?」


「良いわよ。じゃぁ、適性のある属性は何かしら?」


「属性?……その事をすっかり忘れてた」


「あら、そうなの?

じゃ、お店の裏手に来て頂戴。お姉さんが特別にあなたの得意属性を調べてあげる。」

店を一旦出て裏の方へ行って頂戴な。」


「わかりました。」


俺は店を一旦出る事にした。

お姉さんは扉の前に【Closed】の看板を立ててから店舗奥の扉から裏手にやってきた。

属性を調べてくれるのは嬉しいけど、店を閉めて大丈夫なのだろうか…


店の裏側に来てみると広くはないが射撃場みたいな所に出た。


「まぁ調べると言っても基礎魔術を使って貰うだけなんだけどね。

じゃ、そこに立って、今から私が詠唱する魔法を真似てみて頂戴。」


「はい」


俺は少しドキドキしている。

なんと言っても俺は今まで魔法を全く使っていなかったのだ。

いわゆる脳筋キャラばかりという訳である。


「じゃぁ、始めるわよ。炎の妖精よ…、フェアリーボール!」


お姉さんの右手からサッカーボール大の炎の玉が出現し、的に向かって飛ぶ。

炎の玉は的に命中し直径2メートルぐらいの範囲で爆発する。


「炎の妖精よ……、フェアリーボール!」


俺の右手から野球ボール大の炎の玉が出現し、的へ向かって飛ぶ。

炎の玉は的に命中し爆発するが直径は1メートルに満たない小さなものだった。

うわ、しょぼ…


「へぇ~、初心者にしてはなかなか魔力高いようね」


お姉さんが言うには初心者は大体卓球のボールぐらいの大きさらしい。

恐らくはキャラ属性が炎な上に種族ボーナスのお陰だろう。


同じ魔法なのに性能が全く違う訳として、見た目の派手さや威力が詠唱者の魔力に大きく左右されるからである。

片や魔法書店のお姉さん、片やレベル1の俺、お姉さんの魔力がどれほどのものか分らないが魔力に大きな差があるのは間違いない。

大体、30分ほど各属性がどの程度使えるかお姉さんと一緒に調べた結果…

無【普通】、炎【得意】、水【苦手】、雷【普通】、風【普通】、土【微妙】、光【得意】、闇【苦手】と、いう感じになった。

キャラ属性と種族属性に合致している炎と光2つの属性は、2段階上の性能があるみたいで、水と闇はその逆だった。

微妙と出た土は1段階ほど性能が下のようだ。まぁ、でも1段階程度なら使える部類だろう。


で、今、店内でお姉さんに俺が使えそうな魔法を見繕ってもらっている。

しばらくして、お姉さんが店の奥から戻って来た。


「おまたせ」


店のカウンターに数枚の羊皮紙が並べられた。


「あれ、紙?」


「魔術書が欲しいの?あれ、結構高いわよ。今のあなたじゃ使えない魔術も結構載ってるから宝の持ち腐れになると思うわよ。」

「今あなたが使える魔術は各属性1つか2つだからこっちの方がお得よ。大丈夫、羊皮紙だからといって魔法の質に違いはないから」


「なるほど」


それはそうか…


「じゃ、説明に入るわね」


と、お姉さんは言い一番右端の1枚を指差し説明に入った。


「まずは、これ。炎属性の下位魔術【フレイムスピア】射出スピードが速いから使いやすいわ。その代わり誘導性はないけどね。

次はこれ。これも炎属性の下位魔術で【フレアアロー】若干誘導するから当たりやすいし、魔力が大きくなればなるほど炎の矢の本数が増えるの…

高位魔術を詠唱できる魔術師が使うと恐ろしいわよ。詠唱者の周りに数十本の矢が出現して、全部が誘導しながら飛んで来るんだもの。

炎属性は次が最後。中位魔術【ファイアボール】本当は初心者が使える魔術ではないんだけど、あなたの得意属性みたいだから多分ギリ使える筈。

これは、さっき教えた基礎魔術【フェアリーボール】の強化版かな。炎の玉が着弾すると広範囲爆発するわ」


聞いた感じ、炎属性は威力に長けた魔術のようで、高魔力になった後でも結構使えそうだ。


「次は雷属性の下位魔術【ライトニングピアース】貫通力に優れた魔術よ。麻痺効果も与えるからかなり使えると思う。相手が金属製の鎧を着ていると…

次も雷属性の下位魔術で【フラッシュサンダー】威力は皆無だけど、広範囲に対して麻痺と盲目を与える状態異常魔術って事かな。

ちゃんと範囲を指定してやらないと味方も巻き込むから注意して…特に自分は巻き込まないように」


2つ目の魔術は使いどころが難しそうだな。

雷属性は麻痺効果が付与するのが多いようだ。


「次は風属性の下位魔術【ウィンドカッター】誘導性と持続時間が高くて使い勝手が良いわ。魔力が高いと風の刃の大きさが変わるわ。

次も風属性の下位魔術【ウィンドミスト】威力は皆無よ。詠唱者を中心に濃霧を発生させるわ。逃げる時に有効かな。

ただ、嗅覚や気配で察知するようなMobには利かないから気をつけて。」


1つ目は炎属性のフレイムスピアとフレアアローが合わさった感じなのだろうか…

2つ目は視覚で敵を察知するMobからは逃げられるという事かな。


「次で最後、土属性の【アーススパイク】岩の槍を地面から突き出す感じの魔法よ。魔力によって大きさが変わるわ。下位の割には結構範囲広いから気をつけて。

無属性は結構貴重でうちでは扱ってないわ。光属性の魔術はなくて法術がそれに相当するから、そっちで学んで頂戴。

水属性と闇属性は苦手みたいだし、態々使う必要もないでしょ。それに今の魔力では多分まだ使える段階ではないわ。

ま、こんなところかな。どう、使ってみたくてウズウズするでしょ?」


「ええ、そうですね。

それにしても魔術のイメージとして攻撃魔法だけと思っていましたけど、状態異常の魔術とかあるのですね…」


これはほんと予想外だ。というか、フレンドに何人か魔術師でプレイしているプレイヤーがいたが、使っている所を見た事がない。


「そ、結構万能よ。魔術師のほとんどは威力ありきな感じがあるから不人気なんだけどね」


「はは、なるほど、そういう事ですか」


「じゃ、お会計に行こうかしら。羊皮紙だから安いと言ってもそこは魔術、教会と違って慈善事業じゃないから結構高いわよ。お金とか大丈夫?まぁ、あなたなら後日払いでも良いけどね」


「魔術書買うつもりでしたし、お金は大丈夫ですよ。

それにお姉さん、今日が初対面のおr…私に後日払いとか正気じゃないですよ」


やばいやばい。この容姿で”俺”とか言ってしまうところだった。

今後、自分の事をなんて呼ぶか考えておこう。


「あら、そういえば今日初対面だったわね。私結構見る目はあるつもりよ。きっとあなたなら大丈夫」


「そう、言って貰えると嬉しいですけど…で、おいくらですか?」


「そうね。下位魔術7つと中位魔術1つだから………本当に大丈夫?」


「大丈夫です」


「下位840Gと中位250Gで合計は、1090G。おまけして1000Gで良いわ。」


俺は懐から100ゴールド金貨を10枚取り出し、お姉さんに渡す。


「毎度あり~。それにしてもあなた子供なのによくこんな大金持っていたわね。

あ、もしかしてハーフエルフとか?容姿に騙されちゃったかしら」


ハーフエルフは大体15歳~18歳で容姿の成長が止まる。

いわゆる永遠の未成年という訳だ。


「まぁ、ハーフエルフですけど、容姿どおりの年齢ですよ。

それに、お父様が傭兵だったんで…」


「へぇ~。あなた名前は?」


「アキラ=ローグライトと言います」


「ローグライト!?」


お姉さんはカウンターから身を乗り出して俺の肩を掴んだ。


「え?」


取り乱した自分に驚いたのか、お姉さんは掴んだ俺の肩をパッと放した。


「あ、ごめんね。私がまだ10歳ぐらいの時にヴォルトさんに命を助けて貰った事があるのよ。私、アマンダ=サイフィスっていうの。よろしくね。

あなたのお父さんにあの時はお世話になりましたって伝えておいてくれない?」


アマンダ=サイフィス?アマンダ、アマンダ……聞いた事あるようなないような。

NPCを助けたって事はクエストか何かだよな…?

あ、思い出した。クエストじゃなくて傭兵ギルドの依頼だ。

確か、誘拐された子供を助けて欲しいという依頼だったような。

あの時の子供の名前がアマンダだ。サイフィスっていうのは多分、今回の改変で付いたのだろう。

改変前、基本的にNPCに苗字はなかった。下手をしたら町人Aという名前さえなかったNPCもいた筈だ。

苗字があったのは重要な位置にあり、プレイヤーと会話する回数の多いNPCぐらいだった。


「私、ヴォルトさんに憧れて今傭兵もしてるのよ。ちなみに、ここの店員はアルバイトみたいな感じね。何か困った事があれば、私を頼って貰って良いわよ。

あ、引き止めて御免なさいね。新しい魔術が欲しかったらまた来てね~」


「はい、わかりました。有難うございます」


俺はお姉さんもといアマンダさんに手を振ってから店を出た。

うわ、もう夕方じゃないか…かなり長居してしまったな。

朝からずっと外にいたから、さすがにそろそろ家に帰らないと両親が心配するな。



「っていうか、エルフ探せなかった!!」

どうだったでしょうか?

ここにきて、前キャラ(父)の名前が判明。

名前付きキャラクターが登場しましたが、単発になるのか今後も出てくるのか自分でもわかりません。

それと、今回は文章が見辛かったかもしれません。

申し訳ないです。

また次回も読んで下さい。

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