黒い霧
真が到着すると〝切り裂き魔〟は、お縄になっていた。
沙耶香はうずくまり震えていた。
美佐子と駿が、真に駆け寄る
二人とも涙ぐんでいる。
余程怖く勇気を振り絞ったのであろう。
真は「みんな大丈夫か?」と声をかけながら〝切り裂き魔〟に近づいた。
真は、〝切り裂き魔〟渡辺に手を触れた。
邪悪な気配が手から水が流れるように、真に伝わってきた。
真は、沙耶香と駿を沙耶香の部屋へ連れていくよう
美佐子に指示をだした。
それから右手で渡辺の背中に手を当てる。
真の手が〝エメラルド色〟に光る。
渡辺は、「うっ う〜」と息を吐き出している。
真は渡辺に「君は悪い事をした」
渡辺の目が黄色になっている。
渡辺とは別の声が渡辺の口からこぼれる。
〝オレハ ワルイコトナド シテイナイ〟
真は続ける
「それは残念だ 君は悪い事を知らないようだ」
〝オレハ ワルイコトヲ シラナイ〟
「今日君は、悪い事の意味を知った」
〝オレハ ワルイコト ノ イミヲ シッタ〟
「もう十分だ 君は元居た場所に帰る」
〝オレハ モト イタバショ ニ カエル〟
そう渡辺の口から言葉がでると黒い霧が、渡辺の身体から吹き出してきた。
20秒程して黒い霧はおさまった。
渡辺は気を失った。
複数のパトカーが沙耶香の家の周りに集まっている。
真、美佐子、沙耶香、駿は警察から状況をきかれ
こんな危ないことはしないようにと、注意を受けた。
真は、〝憑いていたのは、ヨシダシゲヲではない〟
と確信していた。
こんなに生易しい訳はないと自分に言い聞かせた。




