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故人の形見

真は家に帰ると 伸子に詩織経由で


沙耶香が無事見つかった事を伝えてもらった。


代わりにと言ってはなんだが、前から依頼されている 〝可哀想な家族〟件を受けることにした。


住所を聞き、名前は、山縣(やまがた)さんというらしい。


住所から、車で30分くらいの距離と解り


午後3時頃 伺う旨を伝えてくれと頼んだ。


沙耶香は、また盗み聞きしていた。


「パパやっぱり 今日こそ 魔物退治ね


ふむふむ どうしたものか?」


と 〝探偵〟沙耶香は、以前のような明るさを


取り戻していた。


真の電話が終わるのを見越して、 先にリビングに


戻ってきた。


真が電話が終わりリビングにもどると、沙耶香は


「パパ 出かけるの?あたしもいく。」


と先手を打った。


真は、しどろもどろになり


「あっ この前の雨で駄目になった スケールや ドライバーを買い替えにいくだけだぞ ついてきてもつまらないぞ、美佐子〜沙耶香と秋物の服でも買ってこいよ」


と美佐子に助けを求めた。


美佐子は機転を利かし「沙耶香〜ショッピングモールいこうか?」と台所から誘った。


沙耶香は、〝痛いとこ突くわね 女子にとって秋物は必須よ!まあいいはiPhoneで居場所はわかるし 今日は見逃してあげるわ〟と思い


「行く行く〜」と演技した。


真は、午後 家を出て神社にいき昨日 沙耶香が


無事だったお礼参りし、それから山縣さんの家に向かった。


山縣さんの家につき、インターホンを鳴らすと


30代らしき女性と、沙耶香と同じ歳くらいの


兄妹二人が出てきた。


家に招き入れられ、事情を聞くと


山縣さんの旦那さん 故人 山縣大輝さんは、


過労による居眠り運転で交通事故で半年前に


亡くなってしまったとのことだ。


依頼とは、その故人と会話がしたいとのことだ。


真には、霊力があり、〝イタコ〟のような


〝クチウツシ〟ができるのだった。


真は、仏壇に手を合わせお線香をあげたあと


必ずしも、会話がでるとは、限らないと伝え


サングラスをかけた。


これは、〝クチウツシ〟をしている時 瞳が白濁色になってしまうため、驚かせないようにだった。


すぐに反応があらわれた


確認すると、霊は、上から降りてきた


山縣大輝さんだった。


〝ウエニイルカラ イタクナイヨ〟と伝えてくれとたのまれる。


〝タナニアル カメラ ミギカラ ニバンメガ イチバンイイモノ ヨシアキニ イチバン ヒダリノ モエニ〟


と伝えてくれと頼まれた


奥さんにご主人は、趣味がカメラでしたか?


と聞くと 「そうです!パパきてるの?」と泣き出してしまった


子供達も、「パパ!パパ?」と部屋の中を右往左往している。


〝ゴメンナ チエ アイシテル〟


と伝えると消えてしまった。


家族は涙ながらにお礼を伝えた。


真は、お墓が近所にあるときいたので


寄らせてもらうと伝え帰ろうとした。


謝礼と言って 現金の入った封筒を渡されそうに


なったが、真は断った。


真は、そういう主義だった。


教えられた墓地に行き、手を合わせた後


〝ヨクキタナ ココ ダヨ ヨシダシゲヲダ〟


と強い邪悪な霊力を感じた。


無縁墓地と思われる大きなお墓があった。


墓碑に、故 吉田茂夫 昭和48年 9月没


とあった。





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