表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白と黒の世界  作者: 永流
4/10

第4話 アルバムと国王のシナリオ

挿絵(By みてみん)

知里からの手紙を読んだ…。


…お前ら…なんて事をしてくれたんだ…!!

俺は…、泣き崩れた…。



…あんな俺の姿を見た今でも、…本当に…、俺を受け入れてくれるのか?



俺は…俺には、皆を怒るつもりなんて、全くない…。

むしろ…、"巻き込んですまない"と思うよ…。


俺は鼻を啜りながら、アルバムを開いた。


結衣として過ごした日々のアルバムだった。

幼い頃から誘拐されるまでのものだ。


中には、結衣をこっそり撮った写真や、皆で笑っている沢山の写真があった。


そして、最後の見開きのページには…



“必ず戻ってきて!”と中央に書かれた、1組の寄せ書きがあった…。



学年は変わったのに、1年生の時とメンバーは変わっていなかった。そして、知里の文には、“今でもちゃんと、席は残っているよ”と…。


また…、涙が溢れてきた…。

…戻りたい。…皆に会いたいよ…。 



本当に…良いのか?



俺は、涙を拭って国王を呼び、跪かせ、手紙を読ませた。


「国王、これも…お前のシナリオか?」

もう…本当に裏でコソコソするなよ…。

いったい…どれだけ、俺のためにレールを敷いて準備をしているんだよ…?


「はい…。ですが、この件は私にとって“予備”であり、“理想”のシナリオでした。」

「龍影以外の隊長達が…あの日、私に言ってくるのは予想外でしたが、この子達なら…、貴方様を任せられると考えました。」


「もし、貴方様が私を視界から消しても、ここに、この荷物を置いておけば、“貴方様の心”は無くならないと…そう、考えたのです。」


「後は…、貴方様次第でございます…!」

国王はより深く頭を下げ、額を床に付け、身体を震わせていた。


隊長達には本当に感謝している…。

龍影にはかなり心配をかけてしまったけど、龍影がこの事を知ったら、私は龍影の力を抑えれるかどうか、分からなかった。


…この計画には…、龍影が邪魔だった。


いえ…、正確には、龍影にはディオラを裏切って欲しくなった…。


だから、共犯者にはしなかった…。



「国王…、2つ、聞きたい事がある。この身体は…、人間の姿になることも可能か?それと…"龍輝とあんたとの関係"って何だ…??」


国王の事だ…、お前、俺の知らないところでコソコソし過ぎだろ…!!


「…"人間の男の姿"になる事はできます。そして、その姿のまま、日々を過ごすことも可能です。」


「また、龍輝との関係ですが…、"今の貴方様を造る目的"として、貴方様と龍輝が出会う1ヶ月程前から、現在に至るまで、"主と奴隷の関係" でありました…。」


もう、全て白状します…。白状させてください…。


「!!…なるほどな…。つまり、元々八獣界最強を手懐けて、俺に全力の支援をさせ、裏ではこの日のために…決戦のために、親父が闇に染まるように"敢えて"龍輝が"自分の子を犠牲にして"育てたと…。そういうことだな…?」


おいおいマジか…!

龍輝と親父はこいつの共犯者で真っ黒と思っていたけど、"グレー"じゃねぇか!!


え、白ではないよな…?俺に危害を与えてるのは事実だし…。


"奴隷としてさせられた事案のため、刑罰なし"とか、流石に言うつもりはないけど…。


「…その通りでございます。ですので、…誠に言いづらいのですが、他の奴隷達の前で、龍輝に対し、"ローラの奴隷"からの解放を宣言して頂きたいのです…!全ては私の責任ですので…!どうか!お聞き入れ願いませんでしょうか…!」


国王はまた泣いていた…。

龍輝と親父、そして…きぃ婆にどれほど、辛い思いをさせたんだ…??


…それで、あんたはその罪を背負って、どれほど辛い思いをしたんだ??


「…分かった…。今夜の食事の時に宣言はしよう。その代わり、きぃ婆も呼んどいてくれ。」


「承知致しました。」

償いなしないとね…。


……


「そういえば…、ば……"先代の国王"はどうした?…さっきも居なかったし、気配も無い気がするが…、亡く…いや、…"殺したのか"?」


春華の先代国王…、高齢で杖はついていたが、結衣の時はまだ元気だった…。



…大好きな婆ちゃんだ…。



「…原因は私です…。"本来であれば、もう少し長く生きる予定でした"が、結衣の消息により、心労が過度となり、食が喉を通らず……治療を拒み、そのまま死にました。」


!?え……?


「てめぇ…!!まさか…、まさか!!っ……!!」

俺はつい、両手で国王の襟元を掴んだんだ!!


国王の首は細い…。正直、怒りのあまり、今直ぐ"この首"をへし折ってやりたいが、ギリギリ理性を保ててしまっている自分が"情けない"…!!


言葉が出ない…!出したくない…!

認めたくないし、知りたくもなかったが…!



"こいつなら有り得る"!!


聞きたくはないが…!聞かなければ……!!


俺は…、殆ど握力が残っていない手に、必死に力を込めていたんだ…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ