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転生探索者のすべき事  作者: 寿司
第一章

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28/35

輪罠

翌朝、早朝。

蒼く薄い靄が森を包み、遠くの山々は紫の輪郭を滲ませている。小鳥たちのさえずりが一つ一つと増えていくたびに、静寂はゆっくりと退いていった。


「起きろ」

『ん〜〜後五分』

「置いてくぞ」


扉を開き、荷物を持って事前に言われた通り北門前に向かう。


『ちょっと荷造りを手伝ってくれないかい?昨日やろうと思ってたんだけど寝ちゃっててね...』

「....」


―――――――――――――――――――――――


集合時間十分前


『思ったり早く来てしまったね...雑談でもする?』

「何か共通の話題あんのかよ」


集合時間三分前


『元々は北海道・鴻之舞金山跡で発掘されたただの石だったんだが、これがびっくり、オカルト...いや神話や聖遺物をエネルギーとする...ライダーストーンだったんだ...色合いはパライバトルマリンに近いよ』

「それを加工してベルトにしたって事か...いや最初に色々試した奴誰だよ怖い」

『私だ』

『すまない。待たせたかな?』

『アワワワノアアワワノア』


石畳を打つ蹄の音が、朝霧の町にこだまする。

カツンカツンと律動を刻みながら、二頭立ての馬が黒塗りの馬車を引いていた。木製の車輪がゆっくりと回るたび、古びた鉄の留め具がきしみ、油の匂いが微かに漂う。馬車の外装は、紋章を刻んだ真鍮の飾りで縁取られ、陽の光を鈍く反射している。


そう言って現れたルベルトと蘇我が乗っていたのは、やけに立派な装飾が施された馬車だった。


「いや、今来た所だ。ノアは?」

『ノアかい?彼なら多分遅れてくるよ』

「...俺が間違ってるのかな」


集合時間十分後


「数オリ出た事あるのはスゲェわ...」

『だろう?ちなみに私の日本のGDPは世界二位でね。このまま行けば世界一発展した国になってもおかしく』


待ち人の影が一つ、二つと伸びる中――ようやく、石畳の向こうから軽い足音が響いた。


『悪ぃ...遅れたわ』


 息を切らしながら駆けてくる青年は、肩にかけた革の鞄を慌てて押さえ、額にはうっすらと汗を浮かべていた。


 髪は乱れ、少し息が荒い...どうやら走ってきたらしい。


「どうしたんだ?」

『色々厄介事をな』

「厄介事?」

『こっちの話だ。それよりお嬢、プレゼントだ』


そう投げ渡されたのは...


「..,ベルト?」

『そうさ。これなら小道具を仕込めるだろ?』


...絵面を考えると俺にガーターベルトタスマニアンタイガーダーカーベルトをプレゼントって終わってね?まあ気持ちは嬉しいけどさ。


『ノア、さっさと君も乗るんだ』

『うーい』


全員が馬車に乗った後、ルベルトが手綱を両手で上から下に叩いて、馬は動き出した。


―――――――――――――――――――――――

走行距離32km目、馬を休憩及び野宿


「確認しとくが、これタスマニアンタイガーダーカーベルト何も変な効果ついて無いよな?」

『無い無い!俺ちゃんがそんな事するタイプに見える?』

「見える」

『おいおい冗談だろ?』

「御託は良い。で?アレはどうする」


彼女が親指で指し示した光景。それは...異世界ではある意味お約束と言えるイベント...かもしれない。



陽光が森の木々の間を抜け、揺らめく影が街道踊っていた。

王都へ続く街道を、一台の豪奢な馬車が進む。深紅の布張りに金の縁取り。高級そうな御紋旗が、秋風を受けて静かに翻っていた。


馬車の中では、若き王女が窓の外を見つめていた。

白金の髪が揺れ、陽の光を受けて淡く輝く。指先には王国の印章を刻んだ指輪。

「……静かね。あの騎士たち、緊張しているのかしら」

彼女の向かいに座る侍女が小さく笑みを返す。

「王都まではあと半日ほどです。もうすぐ安全な領内に入りますよ、姫さま」

「ええ。そう……だといいのだけれど」


その瞬間、かすかな違和感が馬車を包んだ。

――風の流れが、変わった。


森の奥から、何かの気配が漂ってくる。

御者が眉をひそめ、手綱を引き締めた。

「……おかしいな。鳥の鳴き声がしねえ」


次の瞬間、風を切る音が鳴る。

一本の矢が飛来し、御者台のすぐ横に突き刺さった。


「敵襲――っ!!」

護衛の騎士が叫ぶ間もなく、茂みの中から黒ずくめの男たちが現れる。

粗末な革鎧、錆びた剣。十人、いや十五人はいるだろう。


「ひひっ、いたぞ! 本物の王族の馬車だ!」

「傷つけるな! 生きたまま捕らえろ、値打ちが下がる!」


剣が抜かれ、馬が悲鳴を上げる。

馬車が揺れ、王女の体が座席に叩きつけられた。



「姫さま、お下がりください!」


護衛の一人が盾を構えて立ちはだかるが、矢の雨が彼を押し返す。

森は混沌とした叫びと金属の音で満たされていく。

王女の唇が震えた。

「誰か……誰か、助けて――!」


 その声が森に吸い込まれた瞬間――。

 空気が、わずかに震えた。


――――――――――――――――――――――――――――


『ど!どうしましょう!やっぱり逃げっ』

『ハッ!こうしてはいられない!変身アムッ


そう言って魔法陣のようなものからバイクを出現させる新倉。だが、二人が口を挟んで新倉を止める。


『いや待て新倉...』


今回に関しては俺も同意見だ。


『「アレは罠だ」』


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