なんでも
読みにくかったり、表現が分かりにくいところがあったりすると思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
美香と夢の中で会うようになって、もう一週間ほどが経った。
会うたびに、高校時代の放課後みたいに、くだらない話をしては笑い合う。
お互いに机をくっつけて、意味もなくノートに落書きをしたり、遠くの景色をぼんやり眺めたり。
その空気は居心地がよくて、つい時間を忘れてしまう。
だけど、そんな楽しい時間にも、ふと沈黙が訪れる。
沈黙は気まずいわけじゃなくて、むしろ心地いい。
俺はなんとなく今日の昼飯のことを思い出していて、ふと気になった疑問を、美香に投げかけてみた。
「なあ、美香」
「ん?」
「……ここってさ、夢の中だろ? 飯とかって食べれるのか?」
俺の言葉に、美香はぱちぱちと瞬きをしたあと、笑って答える。
「もちろん!夢の中なら、何でもできるよ!」
「何でも?」
「うん、例えば……」
美香が小さく息を吸い込み、両手を合わせて「ごはん!」と唱えた。
その瞬間、彼女の机の上にふわふわの卵でとじられたオムライスが現れる。
熱々の湯気と、ほんのりケチャップの香りまで漂ってくる。
「……すげぇ」
「夢だからね。想像さえできれば、本当に何でも叶えられるんだよ」
美香は無邪気に笑ったけれど、少しだけその表情の奥に影を見た気がした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も読んでいただけると嬉しいです。
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続きのお話はできるだけ、一週間以内に上げたいと思います。