「もう一人の僕へ」
これは「宇宙の起源」を知りたいもう一人の自分と出会い超人的な力を得て数多の宇宙を守り
「宇宙の起源」を探求する物語。
彼、「知恵之探求者」はこの世の始まり「宇宙の起源」について知りたがっていた。この世、この次元、あらゆる万物を作り出したのは「無之胎児」だ。
「其」はこの世に存在する無限の多次元宇宙、平行宇宙を創りこの世の次元、壁を超越した最初の「概念」。「無」から産まれ自我は無く、ただ万物を創る。無限に存在する多次元宇宙を「遥か上」から見届けている。「誰が」産んだのか、「何から」産まれたかも分からない。ただそこにあるはずの「概念」。
彼は思った。
「じゃあ「其」は誰が産んだんだ?…」
「其」は不滅の「存在」であり、あらゆる「概念」「存在」からの干渉を受けない。
本当の全知全能。この世の次元、壁を超越している「其」は誰が産み、何のために産んだのか。彼は知りたかった。
なぜなら彼は「其」が生まれたと同時に「其」が産み落として誕生した「概念」だからだ。
人々はこの概念をこう呼ぶ「七大概念」と。
「知識」「破壊」「創造」「均衡」「輪廻」「時空」「意思」これは人々の想像により姿が変化し、彼「知恵之探求者」は「知識」の概念を司る。
その「概念」から抜け出せず不老不死である彼らは来るはずのない死が来るまでその「概念」に縛られる。同じ行動を繰り返すのだ。
彼は「学んだ」。それが原動力だからだ。彼は数え切れない年月、数多の宇宙を旅して片手間に宇宙を救いながら「宇宙の起源」について調べた。しかし何もなかった。
知れたのは関係ない知識だけ。それでも嬉しかった。彼は知識が原動力だったから…
だが、その知識も無限に存在する無数の宇宙を旅する内に埋まっていく。彼はそれを感じてしまったんだ。なぜなら彼はもう全知全能であった。
しかし、「それ」だけは知らなかった。全知全能になったのになぜ「宇宙の起源」が分からないのか…
全知全能の彼にすら分からなかった。それは言うまでもない「矛盾」。
まるで「宇宙の起源」なんて最初から存在しなかったかのように。
知識が原動力であり、全てであった彼は絶望し嫌気がさした。だから託した。
平行宇宙にいる「自分と同じ探求心を持つもう一人の自分」に。
彼は創った。自分の分身とも呼べる人間を。
自分は限界だと感じていた。「知識の概念」に縛られ生きていた彼はもう自分の知れることがなくなったのだ。それは「死」と同義。
彼は言った「宇宙の起源について」もう一人の自分に自分の知ってる全てを話した。
この世を創造した「何か」、破壊を司る「概念」、その使者の存在、
並列宇宙や多次元宇宙の存在。そして最後に託した。「宇宙の起源について」。
自分では見つけられなかったこの世の「神秘」を僕に託したんだ。
彼は自分が全知全能でありこの世を超越した存在だと明かした。そして彼は人間を送った
「次会う時は君は僕ではなくなってるだろう」「自分勝手で申し訳ないと思っている」「だけど、なぜか僕にはできなかった事が君にはできると思ってるんだ」
「さあ…行っておいで」「君は自由だ…」
と言い残し彼は寂しそうに天に消えた。彼がどこに行ったのか、そもそも生きているのか、今何をしているのかすら分からかった。
その後、彼から託された使命を胸に僕は戦った。愛するみんなの為、宇宙の為、そして「彼」の為に。
最後に僕は知る。この世の全てを。そして僕は天を見上げてこう呟いた…
「もう一人の僕へ~宇宙の起源について~」