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七話〜魔法〜

「では,次.結界を張っていますので魔獣は来ません.御安心を.」




そう言った瞬間,リリィから熱いほどの温風や小さな水球,光の玉.手からしゅるり,と蔓が伸び,紫色のドロッとした液体が溢れていた.




「これが五大属性.炎は危ないので風と合わせています.」



「炎は俺が出せる.強すぎると制御出来なくて周りを燃やすんだ.」





リリィは魔力を抑え,周りは元に戻った.

続けて指から炎を出すエアハルト.この人達何でもできるのでは無いだろうか…


着いてきて,大正解だった.




「五大属性は鍛錬するほど強くなります.段階毎に乗り越える必要がありますがね.恩恵はある程度決まっています.悪く言えば天井があるのです.」



「水魔法で塔を作るのなら5年の鍛錬.氷魔法で作るのなら半年と言われているな.」




「あら,覚えていたのですか?あの時はついでとして言いましたのに…偉いですね.」




いつもより低い所にあるエアハルトの頭にリリィは手を乗せ撫でていた.

少し頬を赤く染め,炎を収めた手でその手を退けたエアハルトは




「何となくだ…子供扱いは辞めてくれ.」


「私からしたら稚児同然ですもの.」




リリィも若く見えるが違うのか?魔力も高そうだしエルフだろうか.




「エアハルトさんは人間に見えますけど,リリィさんは違うんですか?」




気になってしまい,聞いてみる.




「説明してなかったな.ライズの言う通り,俺は純血の人間だ.

リリィは純血のハイエルフだな.」



ハイエルフはエルフよりも長く生き,魔法にも長けているエルフの中でも上の存在と言われている.知る限りでは数が少ないと聞いていたが…

リリィがその1人なのか.




「そう言えばきちんと自己紹介をしていませんね.夜にでもしましょう.今は任務,です.」


「アッ,お前!夜は説教だ!ライズを騙して…!」



思い出したかの様にエアハルトは怒り出した.突然の怒号に樹も揺れた.



「許可は頂きましたわ.胸元にバッジがついていましたが,仲良くお話しさせていただきましたの.」


「新入職員を言いくるめるな!」



そんなによろしくない任務なのだろうか?

エアハルトは顔を曇らせ,逆にリリィは清々しい笑顔だった.


突然ガシッと肩を掴まれる.




「良いかライズ.次リリィが勝手に任務を選んだら抑え込み奪ってでも依頼書を見るんだ.俺が許可する.リリィはギルド内で大きな魔法は使わないし,力もその辺の子供並みだから簡単に抑え込める.絶対に確認するんだ.」



「そんな…人前でなんて…」



「喝が足りなかったか?」




ぽっ、と頬を染めたリリィに対しエアハルトは再び拳を握っていた.

許可も出たので次からはきちんと確認する事にする.何となく碌でも無い任務な気がするからだ.



「はぁ…これが依頼書だ.確認してくれ.全く…」



「私が居るじゃないですか!大丈夫!とっても安心で安全ですよ!」



「お前が居るから危険だと言うのが分からなかったか?」




横で漫才しているのは放置しよう.少しでも口を出せば巻き込まれてしまいそうだ.


依頼書にはコアノキ捕縛,コアのミ採取と書いていた.炎の恩恵者推奨,男女同数や女性が下回る場合非推奨…?

ランクは…B?



「あの…ランクB って書いてありますけど.」


「…すまない.普通なら受け入れられない任務だ.此奴が新入職員を言いくるめたんだろう.

薬草だとかの採集だと思っていたんだが,コアのミだとは…」



コアのミとは何なのか,それに書いてあることも気になる.何故,男女同数,下回る場合推奨されないのか.そもそもこの状況では非推奨なのでは?



「コアノキと言うのは敵対してこない魔物だ.温厚で良い奴なんだがある意味厄介でな…此奴の実,今回の目標であるコアのミはある種の洗脳効果があるんだ.」



洗脳であればエアハルトで対応…もしかして顔を引き攣らせていたが対応しきれないのだろうか?




「エアハルトさんで対応出来ないんですか?」



率直に聞いてみた.


アー…と言い難いのか頬を掻いていた.




「コアのミはエルフが作る薬の原料なんだ.その,何て言うんだろうな…」



顔を赤く染め,もじもじし始めた.何だこれは…




「恥ずかしいのですか?流石稚児.」



「お前なぁ…」





茹で上がりそうなエアハルトとは違い,ケロッとしたリリィ.




「コアのミは私達エルフが重宝しています.私達エルフは性への欲求が無いに等しいのですが,コアのミを使う事で子孫が産まれると言われています.」




エアハルト,むっつり疑惑が出た.

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