十七話〜次〜
『鉄壁』の紹介が終わった.
エアハルトはそれじゃあ…と言い
「『剣聖』も紹介させて頂こう.1人増えたしな.」
「俺はエアハルト,聖騎士だ.堅苦しいのは苦手だから敬語等は必要ない.よろしくな,」
「この女は未草リリィ.一応聖女だ.実力はあるぞ.」
「そしてこの度増えたライズ,迷宮で出会ったんだ.どうか仲良くしてくれ.」
とても簡潔に紹介した.『鉄壁』は拍手する.
「この地域唯一のSランクチームと同じテーブルを囲むなんて思わなかったな.」
「俺達だって2人以上で飲むのは久し振りさ.ご覧の通り,リリィがすぐ潰れるからな.」
楽しい時間程すぐ過ぎる.料理を味わい,『鉄壁』とは別れて宿に戻る道を歩いている所だった.リリィは潰れてエアハルトにおんぶされていた.
リリィは気分最高潮になりエアハルトの料理を奪い尽くしたり,
『鉄壁』か狩った飛竜の話をしたり,
エアハルトのやらかした事をシュカが教えてくれたり…
1番の収穫は年齢がわかった事だった.
遙の弟,櫻が凄い人物で鉱石の目利きをしすぎた影響で鑑定眼というものを授かっているらしい.
どうやら僕は17歳らしい.ただ…
「どういう事なんだろうな.肉体と精神の年齢が合わないって.」
___ライズ君は,肉体17歳,精神は,何千…精神など初めて見えました
そう言われた.
思い出したいが,そんな事をしてしまえば頭が割れるほどの頭痛に悩まされてしまう.
「リリィさんが潰れてる中変に考えると頭割れちゃいますので.」
「そうだな.いつか自然に思い出せると良いな.」
「ですね.」
面倒な頭痛,
いつかそんなものがなくスムーズに思い出せる様になれば良いなと思うばかりだった
宿屋につけば畳に転がされたリリィ.
硬い畳に不満があるのか寝返りをうち唸っていた.
「ライズ,風呂行くか.折角だし色々話そう.」
「?わかりました.」
水浴びと違うのか?
「あああ…溶ける…」
あれやこれやとエアハルトに全身洗われ,温かい水,お湯というものらしい.それに浸かる.
身近に大きな岩や葉が上にある樹が埋まっていたりと少し違和感を覚えるが,お湯がとにかく気持ち良かった.
「ははは!常識がわかると言っても風呂は知らなかったか.なかなか知識が偏っているな.」
「此処はかなり昔からあるんだが,その時の風呂や部屋を全く同じ様に作り替えられている.つまり昔のままなんだ.」
「へぇ…」
エアハルトが何か説明しているが気持ちがよく全然頭に入らなかった.
エアハルト僕の横へ座った.
「楽しかったか?」
そう問いかけてくる.
目覚めて,『剣聖』と出会い,
僕を仲間にしてもらい,
ギルドで新しい友人もできた.
アリアの森で氷の恩恵を知り,
連れられるがままコアのミを採りに.
リリィの家族と会えたり,
2人の複雑な関係を少し見たり,
なんだか懐かしい感じがした.
「…楽しいです.エアハルトさん達と会ってからまだ浅いですが.」
「日数なんて関係ないさ.」
「…仲のいい奴が出来てきて申し訳ないが一週間したらこの街を出ようと思っている.ずっと帰らないわけじゃない.」
意外と早く別れが来た.
でも,今はエアハルトやリリィに身を預けさせてもらっている.
しかもずっといなくなるわけではない.
「どこでもついて行きますよ.」
エアハルトは吃驚した様は表情をした.
着いていかないとでも思っているのだろうか.
「来てくれるのか.残りたいなら『鉄壁』に預ける事も考えたぞ.」
苦笑しながらそう返してきた.
『鉄壁』の皆さんも頼りになるが,一緒にいたいと思うのは
エアハルトやリリィであった.
「僕が居たいのはお2人です.」
エアハルトは笑った.
そうかそうか,
と…




