十六話〜紹介〜
「それじゃあ,『剣聖』と『鉄壁』の出会いに…」
「「「乾杯!」」」
エール2つと水1つ,そう頼んですぐに女性が持ってきてくれた.
楽しい夕飯の開始である.
「あ,聖女サマ,加護有難う御座いました!飛竜に頭からパックリ行かれたんすけど無事でした!!」
ビクッと肩を揺らしたリリィ.
「ほう…?リリィ,」
エアハルトは飲んでいたエールをテーブルに置けばリリィに何かを言いかけ,
「そ,それは良かった!無事で何よりです!」
リリィはエアハルトの言葉を遮った.エアハルトが不機嫌になった音がした,気がする.
「お前,完全防御の加護かけたろ.軽い加護は俺だって何も言わない.全くお前は…任務を選んだ時もそうだ…」
「うぅ…」
ぐちぐちネチネチとエアハルトの説教が開始された.楽しいお夕飯の筈だが,
リリィからしたら苦痛のお夕飯なのだろうな.
「始まりましたな,エアハルト殿の御説教が.まあ未草殿が悪い.ほら,少年.食べなさい.」
ガハハ,と豪快に笑いながらほかほかの腸詰が乗った皿とフォークを差し出してくれた.
湯気がたっていて,腸詰にかかったブラックペッパーがとてもアクセントになりそうだ.横には美味しそうなチーズも乗っていた
「あ,有難う御座います…!頂きます!」
皿を受け取れば,フォークで腸詰をさせば,口へ運んだ.
噛んだ瞬間パリッという良い音と共にじゅわりと感じる肉汁.思った通りブラックペッパーが香り,味共に良いアクセントを出していた.
美味しさに思わず感動する
「お,腸詰か.今日のお勧めなんて言ってた?」
「腸詰とステーキだ.今日は飛竜の肉だから美味いぞ.」
「飛竜か.『鉄壁』が狩った獲物なのか?お嬢さん!腸詰2つにステーキ!いつものやつもよろしく.」
はぁい,と少し遠くの女性は答えた.
「すまないな.楽しい席でリリィを叱って.」
「仕方ないさ.高度な加護をかけるには身体へ接吻が必要なのだろう?番を持つ身としてわかるぞ.」
綺麗な男性がそう言った.腕が鳥の羽の様になっている.番という言い方,見た目的に鳥人だろう.
「知ってるのか,シュカの入知恵か?えっと…すまん,名前を教えてくれ.」
ははは!と彼は笑った.
横から女性の手が伸びてきて,腸詰2つとステーキと赤紫色の飲み物を置いてった.何これ.
その飲み物を見てどんよりした顔のリリィは表情を明るくし,こっそりと取っていた.
「すまないな.『鉄壁』の紹介からしよう.私はミヤマと言う.『鉄壁』の副リーダーだ.リーダーの遙に代わって交渉等している.」
よろしく,聖騎士様と言い僕の横を手で指した
「少年の隣から紹介しよう.そこに居るのがアイル・遙.こんなんでもリーダーだ.聖女様,こいつを救ってくれて有難う.あの時は肝が冷えたよ.」
「んむっ…」
話を振られると思って無かったのかちびちびと赤紫色の飲み物を飲むリリィは驚いた様にミヤマを見た
「あれ,それコア酒じゃないか?聖女サマってエルフだよな?」
「おやおや,エアハルト殿,コア酒を奪われておりますぞ.可愛らしい盗賊ですな」
シュカと遙は笑いながら言った.さっきから思っているがだいぶ豪快だ.
あ,腸詰の横のチーズも美味しい…
「こいつ…!コア酒以外って言っただろ」
「や,やだ…怒られたもん…」
「俺以外もいるんだぞ…全く…すまないな,続けてくれ.」
リリィは再びしょげていた.だが取り上げないあたりエアハルトは優しい.
「はは.不埒な目で見るメンバーはちゃんと叱っておく.」
「遙の隣がアイル・櫻.遙の弟だ.贔屓しているわけじゃないが,櫻の打つ武器はなかなかの出来だぞ.」
「鍛治師か,珍しいな.」
ぺこ,と遙の隣の男性が頭を下げた.兄さんと言い止めてた方だ.
言われてみれば髪色,目の色はそっくりで如何にも兄弟,と言う2人だった.
「近接が多い『鉄壁』では重宝している.次は唯一の遠距離,
魔導士の寒梅 飛鳥.ピクシーと人間のハーフだから小さいが,それなりに生きているらしい.」
「最後はシュカリッロ.聖騎士殿は面識がある様だな.龍人でとても力が強い.」
シュカではなくシュカリッロだったのか.だいぶ噛みそうな名前である.
「言い難いでしょう,シュカで大丈夫ですぞ.」
「シュカは同じ聖騎士なんだ.教え方も上手いから剣を習うなら俺よりシュカだな.」
「御謙遜を.エアハルト殿の方が教え上手でしょう.」
エアハルトと同じ聖騎士…剣はいずれ習いたいと思っていた.
「ダメですよぅ.ずがーんってやってどがってやる,みたいな言い方しかしませんしぃ.」
大分酔っているのか緩い話方になっていた.意識ははっきりしている様に見えるが…
「それはお前だろうが…あぁもう,水飲め.」
「あ,僕の良いですよ.飲んでないので」
エアハルトに水を渡す.
「ごめんな,ライズ…すみません!水1つと包子を.」
苦笑しながら水を受け取ったエアハルト.そのまま水と共に追加注文していた.
「もう腸詰が少ない.美味しいか?」
自分の前にある皿に乗る腸詰は残り一口程だった.
「とっても美味しいです…!」
「微笑ましいな.この腸詰はさっき聖騎士様が言った通り我々が狩った飛竜なんだよ.」
ミヤマは目の前の飲み物を一口飲んだ.
「『鉄壁』はこれで以上だ.ご清聴ありがとう.」




