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十二話〜関係〜

「変な事は聞かないさ.君の名前は?」



目の前の彼,ギルバートは僕を見た.

眼は鋭いが,先程の姿を見たら少し可愛く思えてしまった.




「ライズと言う名前を貰いました.」



沈黙が部屋を支配する.

それを壊す様にギルバートがハハハ!と笑った.




「ハハハ!ライズか!エア,お前家に戻るつもりか?」




思った以上に豪快に笑うギルバートに驚いた.エアハルトは溜息をつき,



「そう言う訳じゃ…」



「冗談さ,お前が戻るとは思っていないよ.18くらいか?まあ,幸せそうで兄は嬉しいさ.」



記憶がないからわからないが,そのくらいの歳だろうか.

いつかわかる日が来ることを願う.


…どうしても先程兄と言っているのが気になる.







エアハルトとリリィは目配せした,




「あ,兄様アクセサリーが増えています,綺麗なピアス.リリィは欲しいのです.」


「そのブローチも良いな.」


「そうか?俺には勿体無い,エアにやろう.」






リリィはギルバートの耳へ手を伸ばし幾つかピアスやイヤーカフを取っていた.


ギルバートは胸元についたブローチを外しエアハルトに渡す.





何を思ったか2人は取ったものを炎魔法で燃やし灰にし,雷をあて焦がし塵にした.






「え,な,何を」





「…これで全部だな?リリィ.」


「えぇ.驚かせましたね,ライズ.改めましょう.」




リリィはきちんとソファへ腰掛けた.


代わりに…とでも言うのか,ギルバートがリリィの膝へ頭を乗せたのだ.


何が何だかわからない




「ライズ,此奴はギルバート,リリィの兄で俺の「友人」だ.現エルフ国大臣にしてギルド長,この区域の者達の架け橋さ.たまにエルフ国へ帰り邪魔しされて帰ってくる.」




あれ,兄ではない…?友人?




「…義兄,と言ったのはちょっとな.リリィを略奪してきているんだ.ギルのおかげで許されたが,婚約関係にある上に監視付きなんだ.」



「は?」




何ですか,その複雑な事情は.と言う事はさっき燃やしたのは盗聴の類だろうか?

詳しく聞きたい気もするが,少し怖い.



「エルフ国は面倒でね.可哀想で仕方がなかった私はエアを使って妹を逃したんだ.クッキーくれ.」



「はい兄様.」



あぁ,この兄あって妹あり.とてもぐうたらしている.

妹の手から小鳥の様にクッキーを食べていた.





「あ,別に聞きたいことなんてないよ.建前と言うものさ.ライズって名を貰ったんだね.」



「え,あ…はい.」




突然話しかけられて肩が跳ねてしまった.



「…良い名じゃないか,この2人は誰よりも信用できる.幸せに過ごすんだよ.」



そう微笑まれた.リリィとよく似た笑顔だ.2人が信用している様だし,信用してみようか…





「で,なんか見えたか?」


「お前が格好良く手を差し伸べた所くらいだな.さぁ,手を取って?最高に格好いいじゃないか.」


「お前本当気に触るな!落とせリリィ!」


「仕方ありませんね.でも最高に格好良かったですよ.」


「この…ッ,ありがとう…」





…信用するの,ちょっと辞めようかな.と思ってしまった.騒がしい朝と共に,1日が始まる.

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