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十一話〜ギルドの長〜

誰だ,頭に靄がかかる.

思い浮かべたあの方は?

駄目だ思い出せない,頭に鋭い痛みが,







「今は私の事だけ考えて?」




突然痛みが消え,頬にリリィの手が添えられていた.



心地良い温もりが感じる.




「ふふ,大体の魔法が使えますが,私が得意とするのは聖魔法.回復やバフがかけられます.もう痛くないですね?」




「…はい.有難う御座いました.聖女と呼ばれる所以ですか?」




「えぇ.」



「聖魔法がなかったらぐうたらエルフだけどな.」




終わった,とリリィの横に腰掛けた.




「近くに池があった.魚がいなかったからおそらくギルドが作ったものだろう.水浴びができる.」



「そんなものがあるんですね.」



「服を貸すから一緒に行こうか.」



そんな話をしていれば目の前にいるリリィはこっそりテントへ戻ろうとしていた.

それに気付かないわけがない.エアハルトはリリィの腕を掴んだ.


…もしかして




「…リリィさん水浴び面倒臭がってます?」



聖女だろうがなかろうが,地面に転がされていたのだから水浴びはしたいものではないのか?


でもリリィさんの事だ.きっと面倒臭いと思っているのだろう.


ぐうたらエルフと呼ばれていたのだから.


ビクッと肩を揺らし,




「そんな事はありません.ほら,女体の熟した匂いが好みの方もいらっしゃいます.」



「お前,俺の服に巻かれたの忘れたのか?どちらかといえば男臭いぞ.」




「えと…」



絶対面倒臭がっている.眼はきょろきょろと泳ぎ,

どうにか打開策は無いものかと探っている様だった.






「行くぞライズ.」



「きゃぁっ!ちょっ,離して下さい!」




埒が開かないと思ったのかリリィを肩に担いだエアハルト.



そのまま奥へ進む彼へ,待って下さいと声を掛けて慌てて追いかけるのだった.
























「はい!コアのミ必要数御座いました!依頼任務完了で御座います!」



有難う御座います!とアリスさんは言った.


あの後,リリィを服ごと水に突っ込み不貞腐れるのを世話するエアハルト.


寝るときに結局マントを被せられていたのでエアハルトの匂いは消えていないだろう.



本当にどんな関係なんだここの2人は.




ちなみにマントはすごく重たかった.







「すまないな,アリス嬢.リリィが新人を唆したみたいで.」


「いえ!そんな事だろうと思ってその子には何も言っていませんよ!リリィさんですからね.」



…だいぶ信用されてない様に見えるが何をしたのだろうか.



「あ,そうだ.ギルド長が早朝御帰りになりました.『剣聖』が帰ったら通す様にと命を受けておりますので御案内いたします」



「あら,早かったですね.行きましょうか.」



先を歩くリリィに慌ててついて行った.


リリィがちらり,とエアハルトの方を見た事は僕には気付けなかった.










「エアハルトさん,此方が調査結果です.」



「早くて助かる.有難う,行ってくるよ.」


















「こんこんこん,失礼しまぁす.」



「ちょ,リリィさん布!エアハルトさんも居ませんって!」


奥の部屋の扉に着くや否や布を取りノックなんてものはせず,

容赦なく扉を開けていた.


エアハルトもいないのに.





開けられた扉の向こうには透き通る様な銀髪で,赤い眼の耳が長い綺麗な男性が座っていた.


誰かに,いや,リリィさんに…似てる…?




「久しぶりだな,ギル義兄様.元気か?」


後ろから声をかけるエアハルト.思ったより早かった,

でもそんなフランクな話し方で良いのか?と僕はずっとハラハラしていた.


待て,兄?



「え,エアハルトさんの御兄弟ですか?」



似てはいなくても兄弟なんて事だってある.でもリリィさんの方が

圧倒的に似ているのだ




「…あぁ,後で説明しよう.この人は未草ギルバート.リリィの兄だ.」







あ,リリィさんの.だったら何で兄,と…?



「未草ギルバートだ,ここのギルド長をしている.どうか座ってくれ,楽にしてくれて構わない.」



威厳のある低い声,だがトーンは柔らかく不思議と怖くはなかった.


ほら,とエアハルトに押されるがままソファへ腰掛けた.



目の前にはリリィが寝そべっていた.2人掛けのソファを贅沢に1人でいっぱいいっぱい使っていた.

流石ぐうたら聖女である.



ソファの前にあるテーブルに紅茶が置かれた.アリスだ.小さな身体で有難う御座います…


アリスへ頭を下げれば,彼女はごゆっくり!と笑みを浮かべ部屋を出た.





「お早う御座います,兄様.暫く姿を見ませんでしたが,息災でしたか?」


「嗚呼,お陰様でな.エアも不自由なく過ごしているか?此奴は我儘だろう.」



見た目だけ見たら両者綺麗でとっても絵になる.


…だが,方やソファに寝そべり身を預け,方や紅茶に角砂糖をドボドボ入れていた.



「おいおい,ライズが引いてるだろう.まぁ不自由ばっかだ.手が掛かるよ.」



「満更でもなさそうだが?…リリィ,隣失礼するぞ」



角砂糖を入れる手を止めては此方へ…リリィの元へ歩いていた.


慣れた様にリリィの頭を上げればそこへ滑り込む様に座り,自身の膝に乗せていた.美形な兄が美形な妹に膝枕をしていた。





「さぁ,本題だ.」


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