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九話〜野営とリリィ〜


布塊…リリィをその場に置き,良さそうな所をさがす.



昔野営で使われたのだろうか,


他より葉が薄い所があった



「エアハルトさん,此処行けそうですか」



葉を掻き分ける彼にそう言った.


素早くこちらに移動して来てその場を見れば



「お!良いな.よくやった.」



と,頭を撫でられる.動物を愛でる様に,わしゃわしゃと.



リリィが五月蝿いから広めにしないとな〜.と,頭から手を退ければ

何処からか出した片手剣で葉をザクザク切っていた.




頭に残るちょっとした温もりが心地よかった.





「手伝います.エアハルトさん」



「お,有難うな.葉を何処かに集めて貰っても良いか?」



「はいっ!」
















「こんなもんだな.少しコアノキがあるが…

手伝い有難うな,ライズ.」



あっという間に広い空間ができた.白い花の低木が所々にあるが….

ある程度大きなテントも設営出来そうだ.


でも2人は鞄を持っていない.と言うよりものすごく小さい.


腰についているポーチ程度なのである.



どうやって野営を?


あ,そういえば,リリィをあの場に転がしたまま…布に潰したままである.




「いえ全然.それよりリリィさんは…」



遠くもないし,長時間でもないが,森に女性1人が転がされているのだ.危ないのでは?





「俺の服ありったけかけてるから問題無いと思うぞ.ある程度の魔獣や盗賊は近寄れないさ.」



「服…」



そんな扱いでいいのか.


エアハルトは何もない空間からテントを引き摺り出していた.



「あ,それ魔法ですか?」



「そう.闇の恩恵である空間魔法だ.」



便利そうだ.闇の恩恵,かなり強そう.


あっという間にテントを設営し,ランタンを置いていた.


赤い炎が中で揺らめいている.



「リリィを持ってくるから少し待っていてくれ.」



そう言い残しエアハルトは消えた.


文字通り消えてしまったのだ.



「これも魔法なのかな…」


















ゆらゆらと炎が揺れるランタンの近く.



白い花が咲く低木にいるコアノキに挨拶をし,突いて遊んでいた.


コアノキは面白く,目もあれば蔦の様な手で触れてくる.足のある個体はなかった.


空に置けばコロコロ転がっていくのだ.


すり,と触れば赤子の様に目を細め蔦を手に絡ませぷるぷると震える.

喜んでいるのか怖がっているのかは不明である.





「帰った…何してんだ?」



みられてしまった.布塊を持ったエアハルトが後ろから現れたのだ.



「いえ,挨拶を…」



「ほーん?」




ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべていた.


恥かしくて目線を逸らした.




「ほら,そろそろ出てこい.腹減った.」



布塊を目の前のテントに放り込めば




「ちょっと待ってろ,すぐ終わるから.お腹空いたろ?」




そう言って上半身をテントに突っ込んでいた



言われてみればお腹は空いた.


耳をすませば




嫌です!だの,うるせぇ,服返せ!だの,いつもの言い合いが聞こえた.





再びコアノキと遊んでいれば,暴れる音や言い合いの音は止まり,エアハルトが出てきた.


マント以外の服は戻った様で,前と同じく着込んでいた.薄着よりこっちの方が

様になってて格好いいです.





「すまんな.ちょっとしつこかった.すぐ出てくるさ.」




少し汗をかいたようで額を拭って溜息をついた.


エアハルトの言った通り続けてリリィが出てくる.



「お久しぶりな気がしますね,ライズ.無事に見つかりましたか?」



凄く肌ツヤッツヤになっている気がする.先程とは違い頭から被っている布がなかった.綺麗な桃色が僕をのぞく.思わず見つめてしまう.






「桃色…,綺麗ですね」



はっとして手で口を押さえた.


エアハルトも勢い良くこっちに振り向き




「バッ,お前布!」



「あ,あらあら…私とした事が…」



そそくさとテントに引っ込んだリリィ.

焦った様に此方に駆け寄り,目の前に膝をついたエアハルトは僕の頬に手を添え上を向かせた.


が,




「…あれ?」




頭にハテナを浮かべた.



「ライズ.リリィの眼を見たんだよな?桃色って言ってたよな…」


「は,はい」



でも前見えた彼女の眼は赤だった気がするが…,今見たのは桃色の瞳だった.

元々リリィの顔は整っていて,さらにハイエルフだ.

文字通り人並外れた高貴な美しさであるため思わず少し魅入ってしまっただけである.




「…体調は悪くないか?ずっとリリィが気になって仕方ないとか,その,テントに入り込みたいみたいな.」


「いえ,全く.」



綺麗ではあるが特別な感情は持ち合わせていない.

少し考える様な仕草をしては



「リリィ,大丈夫だ.ライズはかかっていない.」



「え,エアより強い闇の恩恵が?」



テントから顔を覗かせるリリィ.頭から布を被ってしまっていた.




「俺一応最上級の恩恵なんだが.」


「ですよね…」




恐る恐るテントから出てくるリリィ.


エアハルトの肩に手をつき,頭の布を落として此方を見つめる.


あぁ,やっぱり,




「ハイエルフ特有の眼の色ですか?お綺麗です.何で隠すんですか」




目の前にいる2人はぽかん,としていた.



「…大丈夫,なんですか?本当に無理してないですか?」



先程からどうしたのだろうか,



「はい.全然.」




リリィは考え込むような仕草をした.





「私の魅了が効かない?…恩恵の方は?」



「いや,拒まれなかった.多少あるのかもしれないが…」



魅了?綺麗な瞳に魅入ったがその事なのか?




「綺麗な瞳だし魅了されましたよ.」





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