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プロローグ
ピチャン、ピチャン、と音がする.
グラグラと真っ暗な闇は揺れ,光を認識することもできない.
…きて,起きて,と声がする.
あれ,僕は一体…
「記念すべき52個目の迷宮だが,お前はどう思う?」
はぁ,と長い耳を持つ彼女はため息をついた.
「何処が記念すべき,なのでしょうか.記念にするのならばキリ良い数字にしません?それこそ2つ前の50ですとか.」
全く,これだから…とでもいう様に肩を竦め,自身の背よりも高い杖を胸の前でギュッと握りしめた.
目の前の男はケラケラと笑った.
「何か…起こる気がするんだ.もしかしたら地面を踏むことができるかもしれない.」
これは天地がひっくり返り,海が見下ろしてくる世界での出会い…
初めて投稿させていただきます.お手柔らかに.