表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

脚を輪切りにステーキで

 「今日はステーキにしましょう!」


 そんな私の言葉に、彼女は諦めたような暗い顔をして、此方を見つめます。



 まだ以前の事を引きずっているんですかね。

 吸血鬼って、精神体に近いみたいですけど、心の傷はうまく治らないんでしょうか。

 

 まあそれは良いんですけど、心が完全に死ぬと少し面倒なんですよね。

 味が微妙になるから、またどっかから攫ってこないといけないし…。


 やっぱり、フォアグラみたいに、人も吸血鬼も痛みや苦しみが伴った方が美味しくなるんでしょうか?。



 でも、それを考えるのは後にしましょうか。

 さっきも言ったように、今日はステーキです。


 で、何処の肉を使うかですが、かなり悩みました。

 そして決めたのは脚の肉になりました。

 別に腕でも良いんですけど、少し細いんですよね。

 胸をやって、心臓が傷ついて死んでも嫌ですし。


 ちなみに、吸血鬼の弱点は心臓です。

 頭が吹っ飛んでも時間が経てば治りますが、ここが傷つくと流石の吸血鬼といえど死んでしまいます。

 理由はあまり分かっていませんが、血や魔力を送る器官だからとか、ここが唯一物質になっているから等とか言われてますね。



 まあ、脚にするなら、取り敢えずぶった切りますか。


 檻から彼女を引っ張り出すと、以前のように手術台に固定します。

 ただ、片方の脚には糸でキツく縛り、血の流れを止めておきます。

 流石に止めないと、切った時に辺りが大惨事になって、片付けが大変ですからね。

 

 今回は大人しく、あんまり抵抗しなかったので、かなり楽に出来ました。


 そして次には、赤いペンで糸で縛った下の方に印をつけるておき。

 その線に添えるように、既に用意していた大きな鉈を近づけていきます。


 「では、行きます。そい!!」

 少し素振りをしてイメージを固めると、両手で大きく振りかぶり、勢いよく振り下ろしました。


 ガッ


 「ギィっ…!」


 彼女は既に覚悟していたのか、悲鳴を噛み殺すように、小さく呻くだけで済みました。

 

 断面はキッチリと断ち切られ、ドクドクと血が流れ落ちます。

 しかし、事前に止めておいた為、大量に噴き出す事はありません。


 直ぐに止まるでしょうけど、念の為に包帯を巻き付けて止血しておきました。

 切り取った脚は一旦、用意してあったトレイに置いておきます。


 彼女は、未だに痛みに苦しんでいますが、次第に麻痺して治っていくでしょう。

 もう少し落ち着いて、時間が経ってから檻に運んであげようと近くの椅子に座ります。


 


 時間にして、大体十分程経った頃。

 ふと、少し思い至った事があり、彼女に近づき抱き着く様に頭に手を置きます。そして…

 

 なでなで…


 「ぇっ…」


 彼女の口から、少し驚いたような声が零れました。


 「よしよし、痛みに耐えて良く頑張りましたね。今日はもうこれで終わりですから、ゆっくり休んでください。」


 頭を擦り、安心させるように語りかけます。


 そのお蔭か、深海魚のような死んだ目に、少し光が宿った気がします。

 暫くすると、彼女はどうやら眠りについていたようです。

 起こさないよう静かに檻の中に戻し、隅にあった掛け布団を被せてあげます。

 瞼に、いつの間にかに付いていた雫を指で拭い、元の場所に戻りました。







 …こんな感じでしょうか?。


 前に、伝聞で苦しませた後に優しい言葉を掛けると抵抗しにくくなる、と聞いたんですけど。

 確か、DV夫とか何とか。

 

 ついでに、心も安定しやすくなるので一石二鳥ですね~。

 しかも何か、自分の中で変な感情が渦巻くんですけど、もしかしてこれが恋心?。


 いや、流石にそれはないか!。

 ただ、悪くはないのでこれからもある程度続けてみましょうか。



 それよりも!。


 肝心のステーキを忘れてはいけませんね。

 先程切り取った、トレイにある白い彼女の脚を見つめます。


 とはいえ全部使うのは多すぎるので、少し使って後は凍らせましょう。


 有言実行、直ぐ様まな板や銀の包丁を用意します。

 大体、厚さは2センチぐらいが良いでしょうか。


 目印となる切れ込みをつけると、骨を断ち切るように、トントンっと輪切りにします。

 そしたら赤ワインを少し振りかけて置いておく。


 そしてフライパンを用意して油を敷き、香りが出るまでニンニクを炒めるっと。


 出てきたら、お肉を軽い焦げ目がつくまで焼いて、塩胡椒を振って皿に盛り付けたら完成!。



 一応素人なので、簡単に済ませましたがどうでしょう?。

 ぱっと見はうまく出来たと思いますが…。

 

 まあ、実際食べてみないと分かりませんからね。

 では…


 「いただきます!」


 ガブッ  モキュモキュ  ゴクリ


 うん!、美味しい。


 肉質は少し筋があり固めではありますが、普通に噛み切れる程度です。

 中は火が完全に通ってはいなく、ミディアムのようで肉汁が溢れ出ます。


 自分では、満点と言って良いんじゃないかしらね!。


 そう評価をつけると、残りの肉も直ぐに食べ終わります。


 「ご馳走様でした。」


 お腹いっぱいで満足ですね。

 ただ、夜にこんなに食べてしまって太らないか心配です。


 まあ、後悔先に立たずとも言いますし、今日はもう休みましょうか。

 そう、自分の部屋に戻りました。


 

 

少し、自分のトラウマ漫画の影響が入ってる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ