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過去は脳の保存された情報

 そういえば、私が吸血鬼を食べるようになったキッカケは何時の頃でしたっけね?

 確か八年前、私が九才くらいの頃だった筈です。



 当時の私は、無意識に何かしらの不満を持っていたような気がします。

 それはご飯の事でした。

 ただ、王族の料理とだけあって別に不味いということはなく、普通に楽しめていました。

 しかし、やはり不満を持っていました。



 その時は、魔物は食べる事には不評で、あまり美味しくないというのが通説でした。

 しかし、狩りの一環で試しに魔物の肉を食べてみた所、自分の中で世界が一変しました。

 食べたのは鹿の魔物であり、確かに世間一般で美味いとは言えないかもしれませんが、色々混ざり合い情報量が多く、食べてもよく分からない複雑な味は私にとって革命でした。


 それから、色々な物に手を出しました。

 魔物でも、猪から蛇まで色々と食べ。

 遂には、勢いに任せて人の死体も食べました。


 暫くして、とうとう吸血鬼に辿り着きました。

 あの時は試しに、行商人から吸血鬼の血液を買い取りましたね。

 最初に飲んだあの味は、忘れたくても忘れられません。

 大量の人間を食べたからか分かりませんが、他の魔物とは一線を画した魔力の多さと、複雑な味をしていました。


 それにより思った事は、どうやって継続的に吸血鬼を供給する事が出来るか、でした。

 吸血鬼は強く、そう簡単にはいきません。

 さらに、大体迫害されているので、国にいる以外は探すのが面倒です。

 

 頭をフル回転させて、そして新しい人類種として抱え込む事を考えつきました。

 多分、当時の私は、吸血鬼の事に頭が取り憑かれてまともな思考ができていなかった気がしますが、結果オーライです。

 まあ、今でも一応、自分がどこかおかしいのは自覚していますけどね。


 色々と反発もありましたが、結果的には、自国の領土に吸血鬼が住み着き、割と偶然とはいえ国も豊かになりました。

 北側の吸血鬼の国である、ノクスとも国交を結び、昔と比較的して楽に入れるようになりました。



 さて、今日も書類仕事、頑張りますか。

 えっと、北東に吸血鬼の村を新しく作りたいですか…

 とっても良いですね~!

 作業のどさくさに紛れて、一人ぐらい攫えないかな。でも、ある程度豊かになってからのほうが良い感じになるんですよね。

 流石に駄目か…


 後は…、南の国が戦争の準備。

 前にあれだけ潰したのに、まだやるんですか…。

 弱い癖にしぶといですね~。


 まあ戦いの事は良く分からないので他の人に任せましょう。

 私は吸血鬼が専門なので。あっ、そうだ。


 「いけない!。黒い花に水をやらなくちゃ!」


 ちなみに、黒い花とは昨日の彼女の隠語です。

 側仕えに、あまり知られる訳にはいきませんからね。


 そういえば、彼女の名前って何でしたっけ?。

 黒髪が綺麗だったのは覚えているんですけど…。

 いや~、村の視察中に見かけたあの髪に、私…、一目惚れしちゃったんですよね。

 そのまま、太陽が出ている間にこっそりと。


 途中に暴れて、体の一部が灰になっちゃったけど。

 吸血鬼はゴキブリみたいにしぶといので、意外と何とかなりましたね。



 あとは、ついでに私の血でもあげましょうか、

 吸血鬼を美味しく食べる為に。

 

 

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