何故か始まる酒宴の席
おぉ〜さっすが異世界ドラゴンも居るんだぁ・・・と
半ば現実逃避をしていた私に目の前のドラゴンが声をかける
『何故こんな所に人間の子供が・・・
いや、魔力の流れが人間のものではない面妖な』
妖しい奴だと認定されて戦闘とかは避けたいところ
長い物には巻かれようと私は素直に名乗ることにした
長いといっても物理的にって意味ではなくてですよ
目の前のドラゴン様は中華風ではなく西洋風の白金に輝く御姿
止事無き雰囲気を身に纏った強者の風格って感じなのです
私などでは直ぐにスクラップになる未来しかないでしょう
『初めてお目にかかります
つい先程この洞窟で産まれたゴーレムです
以前は他の世界で人間をしていたのでこの様な姿を
ドラゴン様を騙そう等という意図はありません』
緊張で自分でも何を言っているのか良くわからないが
きっと敵意がないことは伝わったと・・・思いたい
『異世界からの転生者のゴーレムとな
我も永く生きてきたが初めて聞く事例じゃの
長生きすると面白いことも起こるものよのう』
『ドラゴン様は面白いかもしれませんが
当の本人としては神様お願いだから説明ぐらいして
って感じなのですが・・・』
『嗚呼、彼奴も好い加減なところがあるからの
まぁ・・・災難ではあるが諦めるよりあるまい
ところで其方から酒の匂いがするのだが・・・』
おやッ?ドラゴン様はもしやイケる口ですか?
ここは身の安全を図るためにも献上するでしょう
『私の故郷のお酒で良ければスキルのチカラで
魔素から創り出せるみたいなので・・・呑みますか?』
『久しく呑んでおらんので嬉しい申し出じゃ
異世界の酒というのも興味深いものじゃのう
我の影響でこの辺りは魔素が濃いので多めに頼むのじゃ』
『じゃあ、いっぱい出しちゃいますねぇ〜』
その言葉を引き金に私は数多の樽酒を創り出すのであった