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とあるゴーレムの物語  作者: 秋色猫
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玉蜀黍畑でつかまえて

さっそく育ててみたいと言うヴェルトお姉様に連行されて

色とりどりの花が咲く庭にやってきたレムとローズ

ちなみにローズはお目付け役(自称)だそうです

レムは目を離すと何か問題を起こすから・・・と解せぬ


庭師と思わしき人物がお花の手入れをしていました

『トーマス、育てたい作物があるので庭の一部を用意してちょうだい』

ちょっと年配な庭師さんの名前はトーマスさんと言うみたいですね

『姫様がお育てなさるので?』と不思議そうに尋ねるトーマスさんに

『レムがスキルで育てるのよ』と然も当然のように答えるヴェルトお姉様

ですよねぇ〜と半ば諦めの気持ちで臨むレムなのである


トーマスさんの案内で季節の花の植え替えで空いていた畑へとやってきた

『この畑でしたら今は花壇の方に花を移したので空いておりますが』

『そうありがとう、じゃあレムお願いね』とのヴェルトお姉様の声に首肯き

先ずは種子創造で玉蜀黍の種を創り畑にまく

たぶん直ぐにでも玉蜀黍の味を確認すると言うのだろう・・・と

植物成長も使い一気に収穫できる状態まで育ててしまうレム


『えぇ〜とレム、確認なのだけど・・・もう収穫できるのかしら?』

凄く不思議そうに尋ねるヴェルトお姉様の様子に

あれ?レムまた何かやらかしちゃいましたか?と気づいたが

時すでに遅しでローズにも『やっぱりレムね』と呆れられてしまった

トーマスさんも顎が外れたように口をあんぐりと開けたまま

意識が何処かに旅立ってしまったようである


気を取り直したトーマスさんが『私が収穫いたしましょうか?』と

気を利かせて聞いてくれたのでお願いして収穫してもらう

『この玉蜀黍は生でも甘くて美味しいのです』

レムのやらかしから意識を逸らすために提言してみると

思い通りに釣られたヴェルトお姉様が『食べますわ』と答える

ナイフもフォークもないのでミスリルワイヤで実と芯を分けてみる

ホントに便利だな操糸スキルは・・・と顔をあげると

ローズから冷たい視線がレムへと向けられていたのだった


ローズがトーマスさんに『ここで見たことは他言無用に』と視線で圧をかけ

トーマスさんも『はい心得ております』と神妙な顔で返した

なんだか居た堪れなくなったレムはトーマスさんに玉蜀黍をお裾分けする

手軽に摘めそうなクッキーも添えて『庭師の皆さんでどうぞ』と笑顔にっこり

『有り難う御座います』と受け取ってもらえたので・・・たぶんOK

トーマスさんとはここでお別れしてテラスに戻り試食タイムです


レム達と別れた後でトーマスさんが

『あれが侍女たちが噂していた天使様か・・・なんか嵐のような御人だな』

と言いながらも貰ったクッキーをひとつ口に放り込み

『美味いな・・・まぁ悪い御人ではなさそうだ』と笑顔になる


この後、食べた玉蜀黍の美味しさに感動した庭師達の働きかけで

お城の畑の一角で玉蜀黍が育てられることになり

その事実を知ったヴェルトお姉様が歓喜することになるのだが

それは別のお話で・・・語られることはないかな・・・たぶん

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