表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

先手を打つ(皇太子視点)

6話目。別視点で書いております。よろしくお願いします。




皇太子side






自分の婚約者に初めて会ったのは5歳の頃。その時には自分が何者か、ここがどういう世界なのかを理解していた。

正直、めんどくせぇなと思った。

戦争なんてもので人が死ぬのを見るのは、歴史で散々勉強させられて胸くそ悪いと思ったが、

ヒロインなんざ適当にあしらってしまえばいいかぐらいにしか思っていなかった。



その考えを変えたのはあの日。

初めてアンジェリナに会ったあの日、直ぐにこいつは花帆なんだと気づいた。


奇跡だと思った。

チャンスだと思った。




ずっと後悔してたことを覆す機会を神様は転生という形で叶えてくれたのだと。




今日再会して、アンジェリナにも記憶が戻ったようだが、あの様子じゃあ完全には思い出しちゃいない。



今度こそ離さない。


今度こそ幸せにする。


今度こそ、今度こそは



「.......渡すもんか」



絶対に、渡さない。




ラヴェール学園、王族棟。

自室に戻ろうとすると、部屋の前で俺の側近たちが待っていた。


宰相の息子、ヴィンセント・アンデスク。

親衛隊長の息子、グレイブ・セントメーカー。


この2人も攻略対象であり、前世の記憶を持っている。

「おかえり、ジーン」

「ああ」

「どうだった?」

「記憶は戻ったが断片的だ……徹底的に()()から遠ざける」


俺は椅子に腰かけ、窓の外を見た。

窓の外からは太陽の光で輝く湖が見える。

アンジェリナの部屋からも、見えるのは同じ景色だろう。

俺がそう()()()()のだから。




ベゴニアの花は、もう見えない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ