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七変化冒険譚~TS少女は何を見る~  作者: 菘
始まりの章
7/21

第六話 光と…

 

 お風呂問題からさらに一週間


 俺は未だに森の中を彷徨っていた。


(三週間も歩いてるのにまだ外に出ないって、これ迷子になってるとかそういう奴じゃないよな...?)


 本当に、なんでまだ外に出れてないんだろうな...

 今の俺はきっと生気の無い顔しかしてないだろう。そう思えるほどに落ち込んでいる。

早く外に出たいし、そろそろ身体を洗わないと発狂しそうだ。


 気晴らしにローズに頬ずりしたら、臭いと言わんばかりに不機嫌な感情が伝わってきて、本当に禿げそう。いや禿げて貰ったら困るけど。




 そんな時に左方の木の奥から何かの気配がした。何かが俺を狙っている。

何かが木の陰から出てきた瞬間に、俺はローズでその眉間を撃ち抜く。

何か...虎はそのまま地面に倒れ動かなくなった。

 三週間もいたためか息をするように反応できるようにまでなっている。



 (・・・だいぶ野生になりつつある気がする...)



 まぁ危険がなくていいんだけどさ。

ともあれ、今日のメインは決まったわけだ。



「食料Get~♪」



 すぐに心臓へ二度三度突き入れてから少し下へ深く突き入れ持ち上げる。慣れたもので、抵抗感などはない。




 新しい食料を手にして前へと進んでいると、遠くの木と木の間に小さくオレンジの光が見える。

 今は森の暗さから夕暮れだと思われる。ならばそれは外の光に違いない。


 そう思った俺は思わず駆け出した。




「フッフフフフ!」

(やっとこの森から出られる!そしたらお風呂絶対入ってやる!)




 逸る思いが抑えきれず笑っていると、出口ちょっと前の茂みから何かが見える。

 横を通ろうとした直後、その顔が見えた。


 見えた瞬間、無意識にローズを向けて撃っていた。














 その相手は今まで接触を避けていた()()()()(仮)だった...











 ------------------




(まずい!?)




 撃った瞬間に失敗だったと悟った。


 いくらローズが強いといってもドラゴンを仕留められるとは思えない。


 今までドラゴンはこちらから攻撃しなければ見向きもしなかった。だからこそ今までドラゴンは避けてきたし、攻撃しようとも思わなかった。




 ガキィンッ!




 弾はドラゴンの皮膚に弾かれ、地に落ちる。

 攻撃されて苛立ったのか、ドラゴンはこちらへ顔を向けて...




『ガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』




 明らかな敵意を向けてきた。




(ッ!?こうなったらやるしかないか!)




 咄嗟(とっさ)に枝を投げ置き、もう一つのローズを抜いて対峙する。


 だが何故だろうか、不思議と怖くは感じない。




 先に動いたのはドラゴンだ。口を大きく開き、火を溜め込み始めた。




 (もしかしなくてもブレス!?いきなり!?ここ森だよ!?)




 意外と冷静に突っ込みながら、右へ思いっきり飛んだ。のはいいんだが勢いが付きすぎたのか、木に当たってしまい、その木が折れてしまった。


「は!?」


 と同時にドラゴンが火球を吐く。




 まっすぐに俺のいたところへ飛んでいき、着弾と同時に爆発した。


 爆発の衝撃で周りの木などは吹き飛んでいく。




(あ、食料......っ?!)




 そこには爆風で吹き飛ぶ食料()を目にし残念な気持ちになった。が、ドラゴンはそんなものはお構いなしに爪の振り下ろしをしてくる。



(っ?!他のとは早さが違う!?)



 思っていた以上の速さで振り下ろされる。何とか横に転がりすぐに距離を取る。



(流石ドラゴン...こっちに来た日以来の危なさだよ...)



 どうやって切り抜けたものかと考えたときに、ゲーム時代のドラゴンを思い出した。




 イベントのソロ・銃限定ダンジョンに潜ったときのことだ。


 ソロとある通り個人での実力が試される場所で、銃系のスキルを殆んど覚えていないとまず進むことすらできない、そんな過酷なダンジョンだった。

 その時点ではすでにローズを持っていた為、2時間程度で最奥までたどり着くことができた。そしてそこにいたのがドラゴンだった。

 それも普通のドラゴンではなく、皮膚が鋼のように硬く防御魔法を重ね掛けしているタイラント・アーマー・ドラゴン、並のガンナーじゃまず突破できない防御力持ちだった。

 そのドラゴンに対しては色んなことをした。

麻痺弾(パラライズバレット)】、【睡眠弾(スリーピングバレット)】、【爆発弾(ショットボム)】、特殊スキルの【焼夷弾(ナパームバレット)】などなど、一通りやったが殆んど通じることはなかった。


 だがその中でも通じたものは何個かあった。そのスキルでごり押してなんとか倒したのは3時間後だった...




(...あれと比べれば強くはなさそうだけど、どうかは分からない。それにあの時は回復ポーションがいっぱいあったから良かったけど、今はそんなものはない...)




 流石に3時間もかかることはないと思いつつ、当時のスキルを思い起こす。


 数あるスキルの中から選んだのは、【粒子弾(レーザーバレット)】。

 ガンナーの中で一番人気で使いやすいスキルだ。


 MPの込め具合(溜め時間)によってダメージが変動し、範囲も広がるというものだ。

 全MP使用の為には10秒は溜めないといけないから前衛ではまず使えないが、後衛なら火力の役割を担えるほどだ。


 ドラゴンの様子をうかがう。

 ドラゴンの足の下にはクレーターが出来ており、奴は足を上げて死んだか見ているようだ。




(なら今しかない!)




 ローズのバレルを合わせ二丁の銃口から【粒子弾(レーザーバレット)】を発動する。


 すると、銃口には紫色の光が集まっていく。


 数秒経った頃、その光に(ドラゴン)が気づきこちらに向けて火球を溜め始める。瞬間、火球を撃ってきた。さっきよりも規模が小さいことから、危機を感じ取り止める為に撃ってきたのだろう。



 だがもう遅い。



 溜め始めて5秒は経過している。これだけあれば例えT(タイラント)A(アーマー)D(ドラゴン)並の防御だって少しは抜ける!




「いっけええええええ!!」




 引き金を引いた瞬間、画面で見ていた規模の数十倍はありそうなデカさのレーザーが視界を()()()()()()

 最早、弾というよりも()()()()()といった方がしっくりきそうなレベル。


 レーザー砲はドラゴンの火球を容易く霧散(むさん)させ、奥にいたドラゴンをも容易に飲み込んでいった...。






 しばらくして、徐々にレーザーは小さくなって光も収まる。




「っ...!?...............うわ~...」




 レーザーの光にやられていた目が回復してきて、森の現状を見ることができた。

 そこには惨状があった。


 地面は抉れ、木々も消失していて暗くなり始めた夕陽が差し込んでいる。

 そこにはドラゴンすらいなかった。



「ハ、ハハ...」



 どうやら思っていた以上に俺は強いようです。

お読みいただきありがとうございます。


やっと戦闘(と言っていいのかわかりませんが)シーンが来ましたね。

出口も見えたことですしやっと街に入れるのでしょうか?。


ここからは裏設定になりますが、ソロ・武器種固定ダンジョンとありますがもちろんマルチ版もあります。ソロの方はソロプレイヤーでも楽しめるようにマルチよりも少し難しくして登場しています。

ボスを倒すのに3時間って少し難しい程度なのか疑問になりますけどね?

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