第二話 少女になったようだ。
連続投稿です。
※第一話が失踪していましたので直させていただきました。
俺が覚えてるのはそこまでだ。
本当になぜこんなところにいるのか...
もう一度周りを見渡しても、緑しか視界に入らない。
あまり詳しくは読んだことないが、流行りの異世界物の小説だとゲームの世界に入るって言うのがあるらしいが、まさかそういうやつなのか?
だがAPOにこんなマップはなかったはずだが....
「どうしたもん...か...?!」
なんか声がおかしい...声が高くなってる...?
少女の声に聞こえなくもない。
「まさか...」
その小説の中では男が女になる所謂TSというものもあるそうだ(同僚が話していた)。まさかそんなことはないだろう。
そう思い体を見てみたら...
「オーマイ...グッネス...」
若干だが胸がある。腕や足なども、細くしなやかで、今にも折れてしまいそうなほどだ。...心なしか視界も下に下がった気が...。そして何よりこの恰好だ。
黒いワンピースに首元には白く細長いマフラーが巻かれ、背中の膝裏辺りまで降ろされている。黒いニーソを履いているが、肝心の靴がない。
見覚えがある。これはAPOのメインキャラの恰好だ。
何故靴を履いてないかというと、つい最近にあったプレイヤー主催のカワキャラコンテストというのに参加していて、その際のコンセプトが部屋着ということで靴を履いていなかったのだ。
じゃあなんでマフラーがあるのかっていうと、かっこいいからメインキャラの標準装備にしてるってだけだ。
因みに、そのコンテストは優勝出来ませんでした。
ともあれそんな恰好をしてる。声が高くなっている。これだけ要素が揃っていれば今の自分が置かれてる状況もある程度わかってしまった。
「本当にゲームのキャラになってんだな...」
普通なら困惑物なんだろうけど....正直めっちゃくちゃうれしい!!
今まで何度も思ってきた。
APOのメインキャラになれないかなとか、美少女になりたいとか。
恐らく皆一度は思ったことあるんじゃないか?
...拗らせすぎて趣味が凄いことになったけど...
ともかく、そんなわけだからすごい嬉しい。
「やったやったやった!!!っ!?」
その場で小躍りして喜んでたら、硬い草を踏んだようで足に刺激が来た。
「っ~~...靴がないと痛い...。と、ともかくここから出なきゃ」
流石に舞い上がりすぎだったと注意をして、落ち着く。
何をするにもまずは森からでないと始まらない。
「といってもどうするか...」
特に何かいい案があるわけでもないので歩きながら考えていると、足元からパキッと何かが折れる音がした。
「あ、枝だ...そ・う・だっと♪」
大振りに動きながら枝を回収し、それを地面に垂直に...草が邪魔でやりづらいから、片側の先端を折ってから上に投げる。
地面に落ちた際に折った方向に進むというわけだ。
「ん、こっちだな。」
そのまま枝の折れた方へ歩き出す。
「ふんふんふ~ん♪」
抑えきれない思いをそのままに....
...テンション上がってるのはしょうがないと思うんだ?
お読みいただきありがとうございます。
この主人公頭のねじ飛んでるのかもしれませんね。
つまり私のねじも飛んでるわけですね、わかります。