幕間 動向
お久しぶりです!!
そろそろ投稿再開しようかと思っております。
プライベートも忙しくなってきているので投稿ペースは遅いかもしれませんが、どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
注意:この話を読む前に第0話を読むことを推奨します。第0話は現在改稿されており、初期と全く内容が変わっておりますので、第0話を読んでからの方がちょっと面白いかもしれません!!
第0話のほかにも色々と改稿していっているので気が向いたらでよろしいので見てみてくださいね。b
街に着いたリミュスは冒険者登録を行い、その後宿で十面相をし就寝した。
一方その頃。
~アルバルン法国~
大聖堂の広間。そこには荘厳な神像が立っており、その前には月の光に照らされながら祈りを捧げる女性がいた。
近くで音が鳴っても気づかないのではという程集中している。その様子は美しく、思わず拝みたくなるような、そんな光景だ。
それから数分後。突然女性はハッと顔を上げると、
「法皇様に知らせなければ!」
そういうと急ぎその場を後にするのだった。
誰もいなくなった大聖堂。月に照らされた神像は、どこか悲しそうな表情をしているように見えた。
~とある国~
窓からは月の輝きが差し込み部屋の中を淡く照らしている。
部屋には窓からほど近い場所に書斎机があり、机には一人の男が向かっていた。
机の一角には紙が積まれており、横にランタンのようなものが置かれ男の顔を映し出している。
仄かな明かりに照らされる顔からは、厳しい印象があるものの、どこか優しい雰囲気が通っている。
コンコンッ
男が書類を捌いていると、扉をノックする音が響く。
「入れ」
扉が開かれ白衣に身を包んだ男が入ってくる。
「失礼します。数週間前に起きた夜天陽の陸裂に関することで報告がございます。」
「何かわかったのか?」
夜天陽の陸裂...それは静まり始めた夜に突如、真昼のような光を放つ物体が現れ6つの光に分裂し各地へと散らばっていく現象が発生し、つけられた名前だ。その光景は絶景の一言に尽きる。誰もが見惚れ、動きを止めてしまうほどだった。それだけならば特に問題はない事であった。しかし6つに分裂したことが問題であった。
過去、この大陸では凄惨な事件...人類の存亡をかけた戦争が起きた。その際、敵側の王の配下の数が6体おり、その6体により6つの大災害を引き起こされた。それ以降、6という数字は闇の数字とされ不吉とされてきた。
夜天陽が6つに割れた。その事が世界に不安を生じさせているのだ。
「夜天陽の陸裂については色々な憶測が出ており、中でも魔王並びにその配下の復活の予兆ではないかと言われていました。」
白衣の男は確認をするかのように話す。部屋の主はじれったいのか眼で先を促す。
「失礼しました。早速本題ですが.......聖女が神託を受けました。」
「...なんと?」
「【闇は再び世界を覆い、天の希望に光は導かれん。】」
その言葉は静かに、しかし確かに部屋中に重く響いていく。
「実しやかに囁かれておりました魔王復活論。神託が降りたことにより法国はこれを全面的に支持するつもりです。さらに神託にあった希望とはまさに勇者の事であるとし、迎え入れる準備を進めているようです。ですが神託を公にするのはまだ未定のようです。どうやら勇者がいつ召喚されるのか把握できていない様子。」
「ぬうぅ...帝国の動きが怪しくなっている時期に魔王の復活とは...。」
それを聞いた部屋の主は、知らず知らずのうちに入っていた力を抜きながら呻くように話す。
「いくら帝国とはいえ、魔王が復活するとなると下手なことはしないのでは?勇者が召喚されるとはいえ、どれだけの民が悲惨な目に合うか分からないはずはないと思いますが。」
「解っている。帝国とて馬鹿ではない。だからこそ、無血で国が手に入るのならば動かないはずがない。」
「.....帝国が周りを取り込むと?」
「魔王が復活したとなれば、配下の魔人にさえも対抗できる国など数える程度だ。この国でさえも、容易ではないだろう。今の帝国ならばそこに漬け込む。民を、国を守るために帝国に傅くか。誇りを、民の名誉を守り、魔人と共に滅ぶか。選ばなければならぬときがくるやもしれん。」
「しかし、そんなことをしようとすれば他が黙っていないのでは?特に法国は噛みついてくるかと思いますが。」
「勇者が利用されたわけではない。法国は何も思わんであろうよ。現状でさえ、教会が巻き込まれない限り目を瞑っておるしな。」
「....間者を増やしておきましょう。帝国動向如何によっては...。」
「覚悟を決めておけ。」
「...御意。」
白衣の男は退出をし、部屋には重苦しい空気だけが残る。
「・・・・・・魔王か。」
その言葉は部屋の主の耳にすら届かずに溶けて消えていく....。
~ヴァルナリア帝国~
「んで?その信託はどういう意味なんだ?」
帝国内のとある一室。部屋の中央で、ソファに凭れ掛かり足を組んでいる男がそう話す。部屋には様々な高価なものが置かれており、否が応にも、部屋の主が高貴な身分であるというのが解る。部屋の一角には黒く大きな鎧が飾られており、その威容はみる者すべてに恐怖を叩き込む。
聞かれた男は、その横柄な態度に気分を悪くするのではなく、寧ろ謙るように返す。
「つまりは魔王が復活し、人類の危機が訪れようとしており、それに向けて法国は勇者の召喚をしようとしているのです。」
それを聞いた部屋の主は、何が面白いのか笑い始める。
「クハハ!魔王が復活すんのか?!いいじゃねえか!勇者なんて必要ねえ。俺の物にしてやるよ。」
「し、しかし!魔王は勇者にしか倒せない存在ですぞ?!いくら貴方様でもとても...」
そんな部屋の主の余りにも現実離れした言葉を耳にした男は焦りながら苦言を呈するも
「ああ?所詮勇者なんざ尻の青いガキしか召喚されねえよ。どうせ魔王を倒したとかいう勇者もガキだったろうさ。そんなガキでも倒せる魔王なんざたかが知れてるっつうの。」
「.....。」
返って来たのは、勇者を馬鹿にする内容だった。これには男も呆然としてしまう。
「おい。あの流星の散った方向はどこかわかるか?」
「え、あ....はい。少々お時間をいただければ特定できると思いますが。」
突然部屋の主が流星。夜天陽の陸裂の事を聞き出す。
「ならさっさと割り出してこい。すぐに向かう。」
それを聞いた男は、部屋の主がやろうとしていることに思い至り、顔を青くしながら慌てて制止する。
「お、お待ちください!まさか本当に魔王を手籠めにしようと!?」
「それ以外何があるって言うんだよ。俺がやれって言ったんだ。とっとと黙ってやれ。」
部屋の主の強烈な、殺気にも似た威圧に男から生気が抜けるかのように白くなっていく。
「...も、申し訳ございませんでした...。」
男は逃げるかのように部屋から退出し、扉の外からバタッと倒れる音が響いた。
~ヴェスタリア 宿~
「すぴ~」
リミュスは久しぶりのフカフカな布団に、幸せそうな表情で眠っていたのであった。
お読みいただきありがとうございます。
時系列はバラバラです。法国はリミュスが街に着く1週間程前。他はそれから数日後、或いは当日といった感じで結構適当です。()
おかしい箇所がありましたらお教えいただければ嬉しいです!
法国のシーン短すぎない???




