第十四話 今の自分
ホテルの宿泊料の円換算があまりにも安すぎたため少々改変しました。
一泊1万円で高いとかちょっと頭おかしい()
受付の人曰く、ヴェスタリアが大きい街だからなのかはわからないけど、結構宿は多いそうだ。その中でもお風呂があるのは2~3件だけらしい。聞いておいて本当に良かった。お金は相当に掛かるそうだけど、入れないよりはずっといい。
ということでギルドを出た後、すぐに教えてもらった宿に直行した。
したのはいいんだが....
「...ここ...でいいんだよな....」
目的地にあったのはどこぞの豪邸のような4階建ての建物だった。宿というよりもホテルといった方のがぴったり来そうだ。しかもVIPとかが泊まるような...。
正直入るのは躊躇われるけど、お風呂の為だ。それに早く部屋で休みたい。覚悟を決めホテル、もとい宿に入った。入ると中は想像していたよりはキレイではなかった。だが明らかに内装が普通の宿とは違うだろうことはわかる。
「いらっしゃいませ。ご宿泊ですか?」
少し見惚れていると、声をかけられた。声のする方を向くと執事のような恰好をした人が立っていた。従業員の方かな?
「あ、はい。ここにはお風呂があると聞いたのですが。」
「はい、各部屋ごとに設えております。」
念のため聞いてみたけど間違いはなさそうだ。
「では一泊お願いできますか?」
「かしこまりました。1泊で10000cになります。」
「はい、ではこれで」
「確かにお受け取りいたしました。こちらお客様のお部屋のカギになります。3階にお上がり頂きまして右手一番奥の部屋になります。」
「ありがとうございます。」
執事からカギを受け取り自分の部屋へ向かう。1泊1万cがこの世界だと高いのかどうかは分からないけど、1c=1円だと考えると1万円なわけだから相当安く感じる。早く相場を知らなきゃ。
「うわああああぁぁぁ....」
自分の部屋に着き、鍵を開けて中に入ると思わずそんな声が出てしまった。部屋の中はとても広く、豪華なダブルベッドが部屋の真ん中に置かれており、書斎机。クローゼット。書斎机とは違う広く長い机に、装飾や飾り彫りされた椅子。ふかふかそうなソファ。部屋のあちこちに金があしらわれており、とても豪奢であった。
「やっぱりここって貴族とかそういう用のやつじゃ...」
ちょっと不安にもなるが、普通に相手してくれたし多分大丈夫なんじゃないかとも思う。
そんなことより、お風呂だ。休める場所は確保したのだ。第一目標のお風呂を後回しにしていいわけがない。
部屋の中に扉が二つあったため、一つ目を開けてみるがそこはトイレだった。何故か日本でよく見るようなタイプのだ。まぁ、思考が似る事もあるだろうと変に納得する。
そしてもう一つの方を開けると脱衣所らしきものがあった。
「ここがお風呂か!!....っ!?」
今度こそ当たりだと脱衣所の奥の扉を開けると、そこにはお風呂があった。広く、湯舟は部屋の半分の大きさもある。洗う場所もちゃんとあるようでシャワーや蛇口もある。そんな懐かしい中に、贅沢で初めての倒錯した感情が渦巻く。
だが、そんなことよりも。
「やっとお風呂に入れるぞおおおおおおお!!」
その場で服を脱ぎ棄て、湯舟にダイブをする。体を洗ってから、なんて事を守ることすら忘れて。
「はあああぁぁぁ....気持ちいいいぃぃぃ」
久々のお風呂で、体の芯まで溶けてしまいそうなほどあったかく、気持ちいい。このままずっと入っていられそうだ。
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「あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”......」
たっぷり堪能して、お風呂を上がったのは2時間経ってからだった。
ついつい時間を忘れて入っていたから、流石にのぼせてしまい慌てて上がってきたのだ。
それにしても驚いたのは日本のお風呂とあまり変わらない事と、魔道具らしきものを使っていたことだ。
トイレに続いてお風呂まで似ているとなって、この世界には自分以外に日本人がいるのかと考えてしまう。居るなら居るで交流を図ってみたい気持ちはあるが。
魔道具のほうはこんなのもあるのか程度にしか思わなかった。何しろ日本の機械も行き過ぎて半ば魔道具のようになってたし。まぁそれ以前にギルドカードも魔道具みたいなものだったからそれで慣れてしまったのだろう。それより使う時にちょっと戸惑った。最初は魔道具なんてわからなかったから、どうやってお湯を出すのかとかが解らず、10分くらい格闘した。
因みに手で持ちながら魔力を通したらでました。
そんなこんなでお風呂を満喫して、のぼせたために今はソファで横になってます。
「あぁそうだ。まだこの姿になってから一度も自分の顔見てない...」
ある程度休憩して、治まって来た時にふと、自分の顔が気になった。
(お風呂場に鏡はなかったのかって?何故か不思議なことになかったんだよ。置いておけない事情でもあるのだろうか?)
森を彷徨っていた時からずっと気になっていた。ゲームのメインキャラだってのは分かってるし、どんな顔をしているのかはわかっているのだが、やはり自分で確認をしておきたい。そう思って鏡の前に移動する。
「......っ」
俺は思わず言葉を失った。鏡の前に立つのは美少女だった。肩に掛かるほどの長さのまるで夜のように黒く艶やかな髪。整った顔立ち。エルフのように、でもエルフよりも小さく横に尖った耳。白く滑らかな肌。細くしなやかな腕、指。少女のような愛らしさもあり、どこか艶めかしさも感じられる。そんな美少女が、鏡の前で裸でいる。
そこまでを理解して俺はようやく再起動する。のぼせて上がったから服を着るのを忘れていたのだ。己とはいえ、少女の裸を見てしまったことによる罪悪感とそれに興奮してしまった背徳感が綯交ぜになりながらも俺は鏡から視線を外し、着れるものがないか自分のアイテムボックスの中を探し始めた。
お読みいただきありがとうございます。
中途半端ですがここで区切らせていただきます。
やっとお風呂に入ることができました。リミュスだけのお風呂シーンているかな?と手が動かなかったため、割愛いたしました。ご要望があれば、書いてみようかと思います。
そしてリミュスの容姿にやっと触れることができました。なるべく可愛くなるよう表現したのですが、伝わりましたでしょうか?




