第十話 冒険者って皆こんな名前なの?
前回までのあらすじ:街に着いたらおっさんの門番とお話して、目的地の場所聞くの忘れててどうしようかと思ってたら、親切な男女4人組に拾われて目的地に着いたので換金しに行きます。
サブタイトルがいいのでてこない...
換金所となっているカウンターへと向かうリミュス。そこには職員と冒険者が話しているのが見える。それは1ヶ所だけではなく、五つあるカウンターのそれぞれで行われていた。時刻はそろそろ日が沈む頃の為人が多く、列がそこそこ出来ていた。だが一つだけ他と比べて列が短い場所があったため、リミュスはそこに並び、順番が来るまで取引の様子を窺う。
クエストカウンターの机に、耳や角などの何かしらの部位と思われる物を提出する者もいれば、カウンター横にある大きいスペースにアイテムボックスから人型の豚の魔物を出す者もおり、職員は植物の品質を確かめたり、部位の数を数えたりなどしている。
「あの豚ってオークなのかな...まさに異世界って感じだな」
リミュスはその光景を物珍しそうに見ながら一人ごちる。日本では魔物なんていなければ冒険者などという命を懸ける仕事などなかったから。それでもここは活気に満ちており、リミュスは興奮してきているのが自分でもわかった。とそこに声がかかる。
「ギルドに来るのは初めてか?」
突然後ろから声を掛けられ又もビックリして即座に後ろへ振り替える。そこにいたのは先ほどギルドへ案内してくれた一人の黒髪の男だった。
「おっと、また驚かせちまったか?」
「なんだ黒髪さんか...いえ、ちょっとぼーっとしてたもので。」
「黒髪て...。あーそういや自己紹介してなかったか。」
男はそういうとポケットからカードを取り出し、リミュスに見せながら自己紹介をし始める。
「俺は【暁の炎】のカイルってんだ。因みに階級はB。よろしくな。」
人の好さそうな笑みを浮かべ紹介をされるも、リミュスはちんぷんかんな顔をしている。
「暁の炎?B階級???」
(暁の炎って何?え?何その厨二溢れる名前。名前?もしかして本名とかいうパターン?それにB階級って?全く分からない...冒険者って皆こんな名前なの?)
冒険者自体が初なリミュスはカイルが言っている事が理解できず、?を浮かべながら首を傾げる。
「あー、暁の炎ってのはチーム名な?俺の名前じゃないぞ?あとB階級てのは...まぁそこそこな強さってことだ。」
説明がめんどくさくなったのか適当に返すカイル。
「なんで考えてる事ばれたの?!」
そんなことよりも頭で考えていたことがばれていたことに驚きを隠せないリミュス。もしやこの男は読心術でも使えるのか...
「顔に出てるんだよ。読心術なんか使えねえよ。」
なんてことはなく、リミュスが顔に出やすかっただけであった。
「えっと、僕はリミュスっていいます。宜しくお願いします。」
顔に出ていると指摘され恥ずかしくなったリミュスは強制的に自分の自己紹介へと話を戻す。
このリミュスという名前だが、これはゲーム時代のメインキャラの名前からとったものだ。ウルブズに名乗る際に咄嗟に口から出してしまい、このままでいいかとそのまま名乗ることにしたのである。
「へー、リミュスっていうのか。なんか変わった名前だな?」
「そうですか?アハハ...」
カイルから変わっていると言われ、少ししょんぼりしてしまうもすぐに違うことへと話を進める。
「それよりカイルさんどうしたんですか?」
「ん?あぁ報告は終わったから、依頼途中適当に狩った魔物の換金をしようと思ってな。俺だけこっちに来たんだ。そしたらリミュスが珍しそうに見てたもんでな。」
「そうだったんですね。」
どうやら何か用があって話しかけてきたわけではなかったようだ。
「なぁ、聞かれて困るんだったら答えなくてもいいんだが、リミュスはなんでそんな格好してんだ?どこかの貴族様って感じだけど。」
瞬間リミュスは固まってしまう。気を抜いていた所にいきなりそんな質問が来たために返す言葉が出てこなかった。だがリミュスはすぐに気を取り直し答える。
「あはは、実は途中で道に迷ってしまって、何日も魔物と戦いながら彷徨ってたんですよ。」
嘘は言っていない。日にちや迷っていた場所が不明瞭だが事実、街の方角が解らず彷徨っていたのだ。
それを聞いたカイルは、先ほどまでとは雰囲気が変わり、真面目なトーンで話しかける。
「まさかとは思うが脱走奴隷じゃないだろうな?」
それを聞いたリミュスは何を言っているのかわからず反芻する。
「奴隷...ですか?」
奴隷。奴隷とはあの人を人ではない扱いをされるあれだろうか。この世界には奴隷が一般的になっているのか?リミュスは途端にこの世界が怖くなってくる。カイルの変わり具合も不安にさせられる。
だがカイルはそんなリミュスの反応から、違うと確信したのか先ほどの真面目な雰囲気は霧散した。
「いや、悪い悪い。最近どっかの奴隷商が奴隷に逃げられただとかで依頼書を出しててな。これだけ汚れてるからちょっと気になってな。」
「あの..奴隷っていうのは...。」
「ん?あぁ奴隷ってのは、基本的に全国共通で人権を剥奪された犯罪者だったりを管理するため、罰として奴隷印を刻まれた者たちのことだ。奴隷印が刻まれたものは所有者の言うことは絶対、さらに自殺防止も組まれてる。」
「そうなんですね...。」
カイルの説明を聞きホッとするリミュス。所謂犯罪奴隷の事で、罪を犯さなければ自分には関係ないと思ったからだ。
「?でもそれだとなぜ僕を奴隷と?」
何故少女の見た目をしている自分が奴隷の可能性があると思ったのだろう。
「あぁ、その逃げだした奴隷ってのがリミュスと同じくらいの年の女の子らしくてな。」
「そう...なんですか...。」
少女が奴隷として売られている。それを聞き悲しくなる。逃げたしたことに安堵をすればいいのか。なんなのか。
カイルがもし自分の事を奴隷だと思っていたら一体どうなっていたのか...。そんな考えが顔に出ていたのか、カイルはリミュスの頭を撫でながら笑う。
「ッハハ、安心しろ。お前は犯罪なんて犯しそうにねえからな。それに見たところ人間だからな。奴隷だなんて決めつけやしねえよ。」
「ちょ、やめろって!」
「おっと、すまん」
いきなり頭を撫でられ、素の口調で振りほどくリミュス。だがカイルの発した言葉に、一つ気にかかる言葉を見つけていた。
「あの、人間だからってどういうこt...」
「次並んでるやつこっちこい。」
その疑問を聞こうとしたときに、いつの間にか順番が来ていたようでカウンターの方から声がかかる。
「お、順番来たみたいだな。」
「はい...。そうですね...。」
リミュスは疑問を抱えながらカイルとの会話を止めカウンターへと向かう。
お読みいただきありがとうございます。
なんでこう話が進まないのでしょうか!!()
書きたい事がどんどん見つかって長くなってしまう....。
他の方々はよく短くまとめて進めれますね。見習いたいです。
所で、リミュスという名前になったきっかけを前回書き忘れていた為、急遽後日、再開時にしようとしていた自己紹介をカイルだけ連れてきて行わせると同時に、経緯をかかせていただきました。(強引)




