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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

殺人について

作者: 和音

人を殺すのは怖い。なぜ怖いのか。それは潜在意識の中に殺人がいけないことだという考えがあるからだ。


もし自分が衝動的に人を殺してしまったら、殺してしまった人への罪悪感やその後の不安で動揺し、うろたえるだろう。人を殺したのだから警察に捕まれば重い刑罰は免れない。その後出所したとしても、世間の目は厳しい。生きて行くためには金が必要で、金のために仕事をして稼がねばならない。だが、人殺しの経歴をもつ人を雇う物好きなどそうはいない。つまり人生においてその人は詰むのだ。


だから、隠したいと考えることが自然だと思う。私は実際に人を殺めたことはない。だが、どんな些細なことでも自分にとって不都合だと思う事実は人目のつかない場所に隠しておきたいと考えている。そのことから殺人をしたと想定すると、私のとる行動は死体の隠蔽工作だと思う。また、これは私だけではなく他の人も考える事だと私は考えている。


では、殺人を隠蔽しようと考えたならどういった方法で死体や凶器を隠すだろうか。一言に隠蔽と言ってもたくさんの方法がある。死体を隠す事に絞っても、埋土だとか焼却などがメジャーだと思う。


ただ、埋土は時間がかかる。まず、死体を埋める穴は相当深くし、死体を消臭する必要がある。死肉が腐敗しなくなるのに一年から三年ほどかかり、なおかつ骨が残る。なので一時的な隠し方としては良いだろうが、長い目で見たら見つかってしまう確率は低くないだろう。また、焼却するにしても人が焼かれる匂いや、身体の大きさから小さい火では時間がかかる上に綺麗に灰になるとは限らない。どこか移動できる範囲にマグマのようなものがあれば投げ入れるだけで勝手に消えていくが、それは非現実的だ。また、身体を部位ごとに切り分けて燃やしたとしても火の規模を多少小さくできた程度で、その切り取りの作業と割に合うとは言い切れない。


さらに、現代の警察がもつ科学捜査とは非常に優れている。ゆえに、目に見えない痕跡からすぐに事件の真相を見つけだしてしまう。だから、自宅で殺害し死体の処理をするなんてことは絶対にしてはいけない。思わぬところから手掛かりを発見されてしまう。


以上のことから突発的な殺人では確実に日の目に出てしまうと考えた。どんな完全犯罪だとしても大概のことは見破られてしまう現代の捜査の前でぽっと出の殺人の拙い隠蔽は意味がない。では、どんな殺人なら捕まらずに犯せるだろうか。


まずは殺す側と殺される側に接点があってはいけない。現実で実際に起こった事件において、双方に直接的な関係があるのとないのとでは捜査にかかる時間が大きく異なる。狭い身内や知人などの枠から出ると途端に捜査範囲が広がる。その辺の道を歩いている通行人ですら犯人である可能性を秘めているのだ。だから、互いに接点がないというのは捜査撹乱に一役買ってくれるだろう。


次に場所だ。やっぱり人気がなく死体を処理しやすい所が理想だ。そこでいかに自分が一緒に居たという形跡を残さないのかが重要だ。当然、都心では人目が多い。また、血痕や自分の形跡を綺麗さっぱりに犯行現場から消し去るのは困難である。ゆえに都心での犯行は困難だ。では、山はどうだろう。たしかに人は居ないが自分の形跡が残りやすい。土の地面に残った足跡から警察は犯人の目星をつけてしまうことだってある。次は海だ。たしかに砂浜の海では足跡が残りやすい。だが、岩場の海なら足跡は残らないだろう。また多少の形跡も潮の流れで消してくれるだろう。さらに潮の満ち引きがあるとなお良い。潮の引いているうちに行い、現場が満潮時には水面下にある状態が最高だと思う。ただ、夏は海水浴に来る客が多いからと言って冬に行っても意外と人がいたりする。だから完全に大丈夫というわけではない。つまるところ、エベレストの山頂付近や北極南極に連れて行き凍死させたり、疫病の流行っている地域に連れて行き感染させて放置するのが楽だろう。死体を隠すなら死体にとは、このことだと私は思う。ただこの場合だとターゲットをどうやってそんな極地や地域に連れて行くかが難点だ。


次に重要なのは凶器だ。これはどのような殺し方をするかによって使う道具も処理方法も変わって来る。ロープや木製の棍棒などを使えば燃やせば良いし、鉄製の包丁を使えばよく洗い酸性の強い液体に漬けて表面を若干溶かして刃を研ぎ直せば良い。素手も同様によく洗えば良い。ただ、爪の隙間に付着した被害者の形跡には気をつけなければならない。尖らせた氷を使うのだったら犯行後死体に水をぶっかければ済むので楽かもしれない。ぶっちゃけ凶器については珍しいものさえ使わなければ、自分が一番処理しやすいと思うものを使えば良いと言える。


さて、これらの事を上手く使い、さらに熟考したならば捕まらない殺人ができると私は考えている。そうなった今、人殺しに関して怖いことはなくなっただろう。まだ何かとっかかりがあるとすれば、殺した人への罪悪感といったところか。それはどうしようもないことだ。被害者自身は同意してないことがほとんどだろう。が、自分の人生の経験となってもらうのだ。身を呈してもらうのだ。悪いと思わず、感謝しろ。命は一人にいくつもあるわけじゃない。一人一つだ。罪悪感でその経験を生かせない方が相手に失礼だ。だからしっかり計画を立て、どんなハプニングにも柔軟に対応して最高の状況の中殺人をする事を願っている。

最後まで読んでいただき本当に嬉しく思います。

これは犯罪を勧めるために作られたものではありません。

フィクションとして楽しんでもらえたら幸いです。


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