第四話 痴女子高生と初ファミレスプレイ! 前編(綺音視点)
「ぼ、ぼぼぼ僕はまだ死にたくなああああああああああい!!!」
必死な形相で私から逃げる露木君を、私はただぽかんと屋上から出ていく露木君の後ろ姿を眺めているだけしかできませんでした。
いきなりの展開に付いていけない私の脳裏は大量の疑問符が浮かび上がる。
え? これはどういう状況なの?
しばらく呆けていた私の頬を冷たい風が撫でていく。まだ5月の中旬で気温の上下が激しく、肌寒い日が連日していた。
「…………えっと、断られたのかな?」
状況は未だに分からずで、取りあえずそんな事を呟いた。だけどまだ何も彼に告げていないのに、断られるのは全然納得がいかない。
私の中にモヤモヤ感が沸き起こって、そして――もう一つの感情が芽生える。しかし、その正体が私には分かりませんでした。
悔しさ? 悲しさ? それとも……彼に断られて傷ついた?
「って、それは私が失恋したみたいじゃない! きっとこれは怒り……そう! これは怒りなのよ! 別に傷ついて無いんだからね!」
ツンデレのような台詞に私は微妙な顔を浮かべて嘆息するのでした。
手紙も失敗し、直接会って話しても失敗……それなら一体どんな手ならいいのだろうか?
私はしばらく屋上で露木君とオタク話するにはどうすれば良いのか画策するのでした。