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青春ラブコメ部!  作者: 凉菜琉騎
第一章 モブキャラ主人公と青春ラブコメ部
1/16

プロローグ

ラブコメのラノベに良くある話、主人公との接点が何もないのにいきなりヒロインが接触し、なぜか一度の接触で主人公に好意を寄せるよく分からない現象。チョロイン現象。

 最近のラノベでは良くありがちな展開だけど、僕はその急な展開に当然疑問が生まれる。いや誰だって疑問に思われるだろう。

 現実と創作を一緒にするなと反論は大いに分かるけど、でも僕はやはり考えてしまう。


「現実にその急な展開なんてまずあり得ないでしょ?」


 そんな事は誰しも内心で思っていることで、知っていながら実際に口にはしない。

 現実なんてクソだと吐露して現実逃避し、アニメやラノベの創作の世界に没頭しては堪能するのが僕らオタクである。

 なぜチョロイン現象が起こるのか、それは現実では女子に話しかけられず、オタクをキモオタと揶揄し、僕たちオタクを汚物を見るような目で女子は見下してくる。だから僕たちは現実逃避し、女子にモテない負け組は三次元より、二次元を選ぶのだ。


 絵じゃん?


 なんて言う人はいるけど、僕たちオタクを馬鹿にせず、優しく微笑みかけてくれるのは二次元だけで、心のオアシスになり得るのだから例え絵でも、二次元の美少女達は僕たちを癒してくれる。いや、絵とか言わないで二次元と言って!


 さて、僕の二次元愛はまだまだ語り尽くせないほど、色々と語りたいことは枚挙に暇がないけど、段々と虚しくなってくるから割愛しようか。

 はぁ~……。

 えっと、まあ何が言いたいかというと


 二次元の美少女は素晴らしい!


 はい、結論が出たところで話題を変えよう。

 さて、僕はオタクである。

 なんか夏目漱石の我が輩は猫である的なニュアンスではあるが……。

 ちなみに僕は夏目漱石の文学全般を読んだことはない。我が輩は猫であるも当然タイトルは聞いた事あるが内容は知らない。多分タイトルで察するに猫になる話でしょ……?

 とまあ、僕は文学小説を読まない理由は一つ――文章が堅苦しくって読みにくいんだもん。

 いや、きっと共感を得る人はいると思うよ?

 少なからずラノベばかり読んで慣れてしまった人達は、高尚な小説を読むことに苦痛を感じる人はきっといるはずだ。僕だけじゃないよね?


 話が脱線してしまったが、改めて僕はオタクである。

 星道高校2年E組、16歳、露木陽也つゆきはるや

 家族構成は父と母、妹、猫の四人と一匹家族の不自由ない中流家庭。

 平々凡々な男子高校生で主人公気質もない、スクールカーストの底辺、モブキャラで影が薄いオタク。

 そのためメインヒロインとの接触イベントは皆無、友情を育むイベントも皆無、当然友達のいないぼっち、全てにおいて格下の存在であるのが僕である。


 はぁ……というか僕の紹介いる?

 僕が言うのもアレなんだけど、はっきり言って、面白みのない灰色の青春まっしぐらなつまらないモブキャラだよ? ぼっちだし、コミュ障だし、周りからは陰気なキモオタという評価の僕の話なんて、見ていてつまらないし、プロローグだけでそっ閉じされるような停滞した物語を誰が読むのだろうか。


「何か知らないけど、僕の目の前に化け物が出現して、颯爽と刀を手にしたヒロインが登場し、化け物をやっつける展開とか起こらないだろうか……。もしくは異世界に飛ばされて、ヒロインにいきなりキスされて使い魔になる展開とか…………」


 そんな妄想を拗らせるほど、僕の日常に潤いはなく、乾ききった変化のない日常が淡々と流れているのだ。

 もう引き返してもいいんじゃないかな?

 だって僕は主人公じゃないし、モブキャラだし、つまらない人間でキモオタですしおすし。

 まあ、それでも停滞した灰色の青春が読んでみたい物好きがいるのなら、お勧めはしないけどご自由に進み下さい。

 

 これから語るのは何の変哲もない、停滞した青春の物語。

 そして――露木陽也の日常が変化し、新たな日常が始まる物語である。

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