二人の出会い
入学式から九日目。
「くっそ!誰でもいいから入ってくれないのか?このままでは本当に解散することになるぞ!」
「無理でしょ~。だいたい、めぼしい奴等は、大抵入学前から誘いを受けてるし、残りの奴等もうちらみたいな弱小部隊には、入らないって♪」
「貴様はなぜそのように能天気なんだ!このまま隊が解散することになってもいいのか!」
学園の門の近くでミレーナと言い争っている?男の名前は、ブレット・マーツ。ミレーナはブレットの胸ぐらを両手で掴んでいる。
「ほらほら、そんな恐い顔していると新人さん入って来てくれないよ~?スマイル♪スマイル♪」
「……っ!アンナと同じことを!」
「だいたい始業式から九日たったんだからもう残ってないんじゃないの~?そんなにすぐに解散することになるわけじゃないし、新人さんが欲しいなら次の試合か、決闘で勝てばいいんじゃないの?」
「…………ブレット。試合を行うさいのルールを言ってみろ。」
「えっ?何で今さら?」
「いいから言ってみろと言っているんだ!」
「わかったわかった。そんなに怒んないでよ。
えっと、
最低五人で試合を行うこと。
両分が同意の元であること。
試合のさいの支給される武器を使うこと。
不正、違反をしないこと。
以上の条件が守られなかった場合、試合の無効、不正した者の部隊の二ヶ月の決闘の禁止となる。
だったよな?」
「今、部隊で戦闘員は何人だ?」
「えっと、………二週間前に二人抜けて……五人?」
「そしてこのまえ、一人抜けて四人になった。」
「えっ………マジで?」
「それなのに。そんなに!貴様と言う奴は!」
ミレーナが掴んでいた手を激しく前後に揺らす。
「わっ!ちょ、待っ!苦しいから!ストップ!ストップ!」
「貴様と言う奴は!貴様と言う奴は!」
周りの生徒は、関わらないように二人から離れて学園の中に入っていった。
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一方琥珀は一人でようやく学園の門までたどり着いていた。
「シンさんどこにいったのかな?結局はぐれちゃったけど…………まー問題ないかな。問題はここであっているのかどうかだよな。」
琥珀の周りは誰もいない。ここが求めていた場所か、どうかは確認するすべを知らないのだ。
……………………門の隣に名前があるのに気がつかないで。
そんなとき話し声が聞こえてきた。
「ん?誰だろ?」
とりあえず琥珀は話し声の方へと行ってみることにした。
琥珀が見たのは、胸ぐらを掴み激しく揺らしている女と揺らされて魂が抜けかけている男が目に嫌でも入った。
「なにやっているんだろ?」
すると女がこちらに気づいた。その時目が怪しく光ったかのように思え背筋に寒気が走った。
女が男を投げ捨てこちらえと走ってきた。
どうしようかと考えた琥珀だが、あまりにも迫力があったため動くことができずにいた。
女が琥珀の前まで来ると琥珀の肩を掴み満面の笑みで
「お前うちの部隊に入らないか!?」
「…………はい?」
半場涙目で琥珀は自分の置かれた状況を確認するのに精一杯だった。
これがミレーナと琥珀の最初の出会いだった。