プロローグ?
バン!
とある小さな建物の中で大きな音と共に1つの扉が開いた。
「もう我慢できねぇ!ここのチームは出ていく!」
1人の少年が飛び出してくる。
「待て!それではこの隊はどうなる!」
少年を追って少女が飛び出してきた。
「何が隊だ!負けてばかりで!だいたい負け続けているのは、お前のせいだろ!」
「なんだと!私のせいで負けていると言うのか!」
「実際にそうじゃねえか!弱いくせに前線に出て戦って!」
「なんだと!」
少女が少年の胸ぐらを掴んだ。少年の体が壁にぶつかるが、少女はさらに掴んでいた手に力をこめた。
「ゥグ……ど…どうした。…………殴ってみろよ!」
「…………くっ!」
何も言わないまま少女は掴んでいた手を緩めた。支えを失った少年はそのまま崩れた。
「ゲホッ…ゲホッ…………はん!人を殴ることもできない臆病者が!」
少年はそう言い残すとその場を立ち去った。
少女は何も言わずその場に立ち尽くしていた。
「……くそ……くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそー!!」
少女は目の前の壁に拳を叩きつけた。何度叩きつけた。
「くそ!くそ!……くそ………く…そ…………」
少女の声がだんだんと小さくなってゆく。
少女はただ、涙を流しながら壁を弱々しく叩き続けていた。
所変わって1人部屋の中でベットに寝そべっている少年がいた。
少年は手にある手紙を見つめていた。
「…………対生物兵器戦闘専門学園…ってどこだ?」
少年が学園に着いたのは入学式から九日後のことだった…………