はじまり。
人生初の投稿作品です! 読み苦しいところがあると思いますが、そこは目を瞑ってください(汗
「で、お前は一体いつまでここにいるつもりだ?」
俺の問いかけに答えたのは、目の前にふわふわと浮かんでいる彼。
「さあ」
俺、遠藤遥は一つため息をつくと、へらへらと笑う彼を睨みつけた。
「さあ、ってお前、ユーレイに付きまとわれる俺の身にもなってみろよ」
「そんなこと言われても、僕だってどうしてこうなったのか分かんないし」
少し困ったように顔をしかめた彼はふわふわと俺に近づくと、至近距離で俺の顔を覗き込んだ。
「僕のこと見えてるの、遥ちゃんだけだと思うし、一緒にいちゃダメかな?」
「嫌だ。俺が嫌。大体俺をちゃん付けで呼ぶなと何度も言ったはずだが」
押し返そうとしても触ることができないのは分かっているので、黙って身を引く。
「なんでこうなっちまったのかな……」
俺はつい6時間前の事件を思い出していた。
*
「見てみて、遥ちゃん。空がこんなに近いよ」
「そりゃあ、ここは屋上だからな。近いに決まってるだろ」
春の暖かい日差しを浴びながら、屋上に寝転がった俺と彼、井上樹は雑談を楽しんでいた。俺は中学校二年生で樹は三年生。受験生といってもまだ四月だからそんなに慌ただしくはない。現に今ものんびりと日向ぼっこを楽しんでいる。
「ねえ、遥ちゃん」
「何だ」
「空に手、届くかな」
「は?」
ふと樹が寝ころんだまま空に手を伸ばした。手を大きく開いて、まるで何かを掴もうとするかのように。しかし空に手が届くはずもなく、樹はゆっくりと手を下した。
「後もうちょっとで届きそうなんだよな」
そういうと樹は立ち上がって、屋上の端のほうへと歩いていく。
俺はなんだか嫌な予感がして、樹の後を追いかけた。
「もうちょっと高ければっ」
屋上の端には転落防止のため高さ2mくらいのフェンスがある。樹はそれに手をかけると、その上にひらりとまたがった。
「ちょっと樹! 危ないから降りろよ!」
「平気へーき」
その言葉通り、樹は危なげなく背筋を伸ばし、精一杯右手を空に伸ばした。
「んー、後もうちょっと……、あ」
ぐらりと樹の姿勢が傾いた。しかも外側に。
「樹!」
俺が伸ばした手はフェンスに邪魔されて届かない。
「大丈夫。僕は平気だよ」
落ちて行く途中でもにっこり笑う樹。
「大丈夫じゃないだろ」
俺がつぶやいた言葉は彼に届いたのだろうか。
書いてみて思ったのですが、創作って難しいですね……。のんびり続きを書いていきたいと思います。