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逃げても、君は俺のもの

冷酷な公爵様の愛など不要です。お暇をいただきます。――メイドと仲良くしてくださいと手紙を置いて逃げ出したら、公爵様の凄まじい独占欲に追い詰められました

作者: 唯崎りいち
掲載日:2026/04/25

 私は公爵様の婚約者として公爵様の領地の屋敷で暮らしています。


 領地経営の勉強をしなければいけないのだけど……領地に来てから公爵様がおかしい……!


 ちょっと失敗したくらいの使用人を睨んだり、領地で不正をした人をすぐに処刑したり……。


「令嬢……」


 それなのに私といる時はとても甘い顔で抱きしめて髪を優しく撫でてくれます。


「今日は一日何をしていたんだ」

「帳簿の見方を教えていただいていました。まだ、わからないことが多くて、叱られてばかりですけど……」


 甘い空気が凍る。


「令嬢を……叱る……?」


 甘い顔で私を甘やかしていた公爵様の顔が一瞬で暗くなる。

(あ……! また、やってしまいました……)


「そいつはすぐにでも処刑しないとな……。大丈夫、令嬢は何も心配しなくていいから……」


 暗い顔でつぶやいた後には、また優しく甘い顔になって私を撫でてくれる。


 公爵様の手が心地良くて流されてしまいそうになるけど……しょ、処刑ですか!?


「ちょっと叱られただけです、公爵様! 処刑は大袈裟すぎます!」


「俺の令嬢を叱ったんだ、これくらい当然だ」

「でも……」


 公爵様が私にキスする。


「君は、何も考えなくていい……」


「ん……」

 考えなきゃいけないのに……唇の甘さに意識が持っていかれて、何も考えられなくなる……。



 公爵様は、ずっと前から、こうだったんでしょうか……?


 王都にいる時は、こんなに冷酷ではなかったと思う……。


◆◇◆


 私は王都で両親と暮らす貴族令嬢でした。


 領地を持たない下級貴族でしたが、父の仕事のお陰で裕福な暮らしができていました。


「でもね、領地がある方がもっと暮らしが安定するのよ。お父様に不満があるわけではないけど、あなたには領主様と結婚して欲しいのよ」


 母が父の前でも言うからハラハラしていたけど、父も無言で頷いているので、領地の大切さは身に染みて分かった。


 そんなわけで、母は私に惜しみなく華やかなドレスを作ってくれて、夜会に送り出してくれる。


 私は18歳になったばかりで、夜会にはまだ一、二度しか行った事がなかった。


 身分の近い小さな領地持ちの素敵な男性に出会えたらいいと思った夜会会場で、着いた早々に声を掛けられる。


「君はどこから来たんだ」


 背の高い大人の男性が私の顔を覗き込むと不躾にそんなことを聞いてくる。

 まだ慣れない夜会でそんな事を聞かれて、何か粗相をしてしまったのかと思った。


「あれは新しい公爵様よ」

「前の公爵と違って、冷酷だと言う話だけど……」


 ヒソヒソと聞こえる話し声に、彼が公爵様だと知る。


(すっごい領地持ってる人だ!)


(私には関わりのない方なのに、何をしちゃったの私!? もっと地に足のついた男爵くらいの男性とお知り合いになりたいのに……)


 私は怖くて顔を背けたまま動けなくなっていた。


「すまない……あまりに君が美しかったから、つい我を忘れてしまいました……」


「え?」


 意外な言葉に公爵様を見ると、真っ直ぐに私を見つめる恋する男性がいました。

 パッと私はまた目を逸らしてしまう。

 こんなにわかりやすい好意を男性から向けられた事などなかった。


(お母様の作ってくれたドレス……すごい効果だわ……)


 顔を背けた私だけど、さっきと違って赤くなってドキドキして戸惑っているのだと、公爵様にも伝わったようです。


 公爵様は優しく微笑むと、私の手を引いた。


「今夜は私に君をエスコートさせてください」


 自然に公爵様の手が私の腰に回されて逃げられない。


 周りの女性たちが公爵様の優雅な動きに感嘆の声を上げる。

「一緒にいる令嬢は誰? こちらもなんて美しいの……」

 こんなに注目される事なんてないから恥ずかしさが増していく。

(う、美しいって、公爵様の隣にいるからそう見えるのね……)


 でも、私の瞳を覗き込んで、なんでも望みを叶えたいと訴えてくる公爵様の恋する瞳の方が、もっと私をドキドキさせる。

 腰に回された腕に優しく促されて、私は気づいたら公爵様の胸に飛び込んでいた。


 夜会中、優しく何不自由なく過ごした私は、すっかり公爵様の虜になっていた。


 でも、これは夜会の中でだけの魔法で、次の日には消えているの。


 そう思っていたのに、まさか、公爵様にあんなに執着されているとは——。


◆◇◆


 翌日には公爵様が家にいらして、両親に挨拶していた。


 私は公爵様との夜会が楽しすぎて夜眠れずに、まだ寝ているところだったので、だいぶ驚いた。


 両親は公爵様の来訪にもっと驚いているようだった。


 私は、慌てて支度もそこそこに公爵様の前に来てしまい、「しまった!」と思う。

 公爵様は母の選んでくれたドレスを気に入ってくれたのに……。


(前世の世界でのシンデレラの話みたいに、私の魔法はとっくに解けていたのに。公爵様に本当の私を見られてしまった……)


 恥ずかしさに真っ赤になっていると、公爵様が両親に、これから私と出かけていいかと聞いていた。


 私は支度をちゃんと済ませてから公爵様の馬車に乗ったけど、昨日のドレス姿とは似ても似つかないくらい地味だった。


「ん……んっ!」

 馬車の中で公爵様にキスされていた。


「すみません。ご両親への挨拶だけにするつもりが、君が可愛すぎて、連れ出してしまいました……」


 公爵様は言いながらも止まらずに私を抱きしめてキスする。


 私は抵抗できずに受け入れている。

 本当はもっと公爵様を感じたいと思っている。

 でも、公爵様がまだ昨日の夜会に取り残されているようで怖い……。


「公爵様……私、夜会での私じゃないんです……。よく見て下さい。ドレスがないと、全然地味なんです。だから、ごめんなさい……」


「令嬢……。夜会での君なら俺は、君の家からあのまま帰れたんだ……。もっと魅力的な姿を見せられて帰れなくなった……」


 公爵は恋する瞳のままで私を見つめている……。


「……まだ、夜会の熱が残っているんですね。私も、まだ公爵様が私を好きなのかもしれないって期待してしまっています。でも、身分が違いすぎますから……」


「身分なんて関係ない、俺は君が好きなんだ。ずっと変わらないよ。今すぐにでも結婚して欲しい」


 公爵様は真面目に私の目を見て言います。

 私の心臓が跳ね上がった。


(公爵様と結婚したら、とんでもなく広い領地が手に入るけど、流石にお母様もここまで凄いものは求めていなかったでしょう……)


「結婚なんて出会って直ぐで急すぎます……」


(領地のことを考えたら、公爵様と結婚なんて私には荷が重い……)


「どうすれば急じゃなくなる?」


「五、六回は一緒に出かけたりした後ですかね……?」

(週一回出かけて一か月半も経てば、公爵様の気も変わられると思う……私は、ますます好きになっていそうだけど……)




 その日、公爵と別れて家に帰ると、両親がかなり心配して待っていた。


 公爵様は最近、叔父から爵位を譲られた22歳で、王都の公爵家邸宅(タウンハウス)で暮らしていて、領地には今までほとんど行った事がない、と両親から聞かされる。


「どうして、お父様とお母様の方が詳しいの!?」


 私が驚くと、母が呆れた。


「今朝出かける前に伺ったんです。何も知らない、あなたがどうかしていますよ」


 私は顔が赤くなるのを感じた。


 公爵様といると、キスされたり抱きしめられたり、ドキドキする。

 それに、「飲み物は?」「暑いかい?」とかなんでも先回りして聞いてくれて、自分で何かをするって感覚がなくなってしまう。

 母は私の様子に何か察したようで、私はますます赤くなる。


「……父さんは、反対だな。今、公爵家は大変な時だし、令嬢に領地の管理が務まるとは思えない」


「それはそうだと思います……。だから、私もお断りするつもりです……」


 本当に断るつもりだったけど、父に言われるとちょっとショックだった。

 本当に私には無理だと思うけど、公爵様はとても素敵な方だから……。


「まあ! 断るって、正式にプロポーズされたの!?」


 母が驚いている。


(あ……)


「せ、正式にではないけど……それに、たぶん、正式にプロポーズはされないと思います……」


 私が慌てて訂正すると母は少しだけがっかりする。


「でも、そうね。公爵様となんて不釣り合いだもの、一度でもお近づきになれて良かったと思いましょう」


 もちろん、母のいう通りのことを私も考えていた。

 なのに……とてもショックだ……。胸がいたい。


「私は、20歳くらいの小さな領地を持っている男爵様を探します」


(公爵様みたいに大人な男性で、ずっと甘やかしてくれるような人じゃなくてもいい。少し歳上で頼れて、優しくてたまに甘やかしてくれれば何も言う事はないの)


 私の宣言に両親は喜んでくれた。

 胸がちょっと痛んだのは、両親の喜びで消えてしまう。


 公爵様のことは過去のことにして、私は眠りについた。


◆◇◆


 夜会の翌日の昨日と違って、いつもの時間に起きて階段を降りていると、ちょうど玄関のベルがなって母が対応していた。


「令嬢、おはよう」


 公爵様だった。


 私に気づいて、恋する瞳で見つめる。

 私は朝からドキドキした。


(ど、どうして、今日も公爵様が!?)


 公爵様は両親に許可をもらって私を連れ出した。

 私は断るつもりだったのだけど……。


「公爵様と出かけられる服がないので、今日は止めておきます……」


「服なんて気にしなくていい。でも気になるならまず買いに行こう。俺がプレゼントするよ」


 そう言われてはもう断れなくて、馬車に乗り込む。


 高級な王家御用達の服屋さんでお店の方が、これから行くレストランに合う服を選んでくれた。


「とても良くお似合いになります」


 お世辞だろうけど、夜会の時ほどではないけど、自分の変身っぷりに驚いてしまう。


 まだ大人っぽい服が恥ずかしくて、こういう服は持っていないのだけど、次に買うときはもっと安いところで同じようなものを探そう。


 そんな事を思っている時に、公爵様が店にある服でサイズの合うものを全部買い占めて、家に送ってくれた事をまだ私は知らない。


 それから公爵様は、六日間、毎日、私を外に連れ出した。


「結婚しよう、令嬢」


 六日目にプロポーズされる。

 これは正式なプロポーズって言えるのかしら??


「違います、公爵様! もっと時間をかけて下さい!」


 五、六回は一緒に出かけたりした後と言ったけど……!


(毎日、公爵様に連れ出されて、大人気の予約の取れないレストランやチケットが売り切れた歌劇とか、絶対に行けない場所に行けて楽しかったけど……)


 服もあと100回デートしても、全部着る事が出来ないくらいあった。


「分かった、時間をかけよう」


 そう言って、公爵様はその後は時間をかけてくれたけど……毎日、私を連れ出すのは変わらずで……。


 両親はそこまで娘のことを好きならと、二週間かからずに公爵との婚約を許した。


 私は馬車の中で、公爵様に抱きしめられてキスされて髪を撫でられていた。

 ポーッと公爵様を見つめる。

 こんな日々が当たり前になっていて、もう断ることなんてできない。


 私も公爵様と結婚する事を決めた。


 公爵様はとても喜んで、さっきよりも激しくキスする。

 まるで自分の所有物にするみたいに……。


 公爵様の甘いキスが身体中に染みてくる。


「公爵の妻になる君には、領地経営について学んで貰わないといけない。すぐに、俺と領地に来てくれ」


「はい……」


 私がうなづくと、公爵様の瞳がとても優しくなって、私はドキッとした。


 急にガタガタと馬車の音が聞こえてくる。

 今まで、音が聞こえていなかった。

 あまりに公爵様に夢中になっている自分に気づいてしまう。


「令嬢、愛してる」


 公爵様に甘く囁かれて、意識が向くとまた周囲の音が消える。


 公爵様の美しい顔が私に愛を囁いて、馬車の中はもっと甘くなった——。


 この時は、領地での公爵様に怯える日が来るなんて、まだ私は知らない——。


◆◇◆


 王都での事を思い出すと、レストランや歌劇場と、人の多いところに行ったけど、公爵様は処刑なんて言わなかった。


(領地とは違うんだろうけど……)


 他の人に怒ったりしているところも見てない。

 ただ、私しか見えないって感じで、『私じゃなくて、歌劇を見て下さい』ってお願いした事もあったのに……。


 公爵様は、前の公爵だった叔父さんから爵位を譲り受けたばかりだと聞く。


(だから、大変なのかもしれない)


 領地経営の勉強も思ったよりずっと大変で、私は毎日朝から夕方までずっと帳簿と睨めっこしてる。


 もっと領地全体を見てる公爵様は大変よね……。


 王都では毎日一緒にいたのに、領地に来た途端に公爵様とはあまり会えなくなった。

 一日の終わりに少し会えるだけで、運が良ければ夕食を一緒に取れた。


 今日は運が良い日で、久しぶりに公爵様と夕食が取れて、私はとても嬉しかった。


 でも——。


 ガチャーン


 メイドが食器を落とした。


「処刑しろ」


 公爵様が冷たく言う。


 せっかく一緒に夕食が取れたのに……気分が沈む。


 メイドは食器を落として——割ってしまったけど、それだけなのに……。


 やっぱり公爵様はおかしい。


 スープにさっき連れて行かれたメイドの怯えた表情が映る。

 何を見ても美味しそうに見えない。

 あんなに楽しい気分だったのに……今は、公爵様が怖い……。


「どうした、令嬢」


 公爵様に言われてビクッと身体が震えた。


 公爵様は私を抱き上げて膝の上に乗せる。


「食べさせてあげよう」


 私は言われるままに口を開けた。

 味がしない。


「大丈夫だ、令嬢。君は何も心配しなくて良い……」


 また公爵様は言う。

 何度も、何度も——。


 催眠術みたいに繰り返される言葉と、公爵様が私に食べさせてくれるスプーン。

 この言葉に私は安心してしまう。


「ぷっ」


 笑い声が聞こえた。

 思わず吹き出してしまったと言う声。


 メイドが一人立ってる。


(私と公爵のやり取りを笑ったの?)

 

 そんなことより、私たちを笑うなんて公爵様が……!


 慌てて公爵様を見るけど、公爵様は私を見ているだけだった。


「機嫌は治ったかい?」

 公爵様は私にキスする。


(聞こえなかったの……?)


 ……あのメイドが無事ならいいけど。


 私は、公爵様の胸に抱きついた。

 メイドの失敗に目を向けないで欲しくて、公爵様に甘えるのは少し後ろめたかった。


 私は、このメイドを守ってあげたつもりだったのに……後に、裏切られた事を知る——。


 公爵様とこのメイドがつながっていたなんて——!


◆◇◆


 翌日、私は帳簿を見るために部屋を出た。


 途中でちょうど公爵様の後ろ姿が見えた。


(以前なら……抱きつきそうな勢いで走って行ったのかもしれない)


 今は、迷っている。


 公爵様は大好きだけど……少し怖い……。


 使用人を処刑し続ける、公爵様の真意が分からない。

 これが、あなたの本当の姿だったの……。


 迷って公爵様を見つめていると、昨日笑ったメイドが公爵様の目の前を横切るのが見えた。


(せっかく昨日助かった命なのに、なんて迂闊なの!? 「処刑しろ」って公爵様に言われてしまう!)


 ……。


 待っても公爵様の「処刑しろ」の声は聞こえてこない。


 恐る恐る、メイドと公爵様を見る。


 メイドがニヤッと公爵様に向かって笑っている……。


(え……)


 メイドの動きが親しげに見える……。


 公爵様は何も言わない……。


 そのままメイドはどこかへ行ってしまう……。


 ……何?


 何が起こったの?


 メイドをなぜ、処刑しないの!?


 昨日の私と公爵様の様子を笑ったメイド……。

 いつもなら、処刑されているはずだったのに、昨日、助かって、今日も無礼を働いた後に何もない……。


 ど、どうして……!?


 メイドのニヤリという表情を思い出す。

 意味ありげで親げだった……。


 公爵様はそれを見ていた……。


 グチャグチャと私の心の中に暗いものが広がっていく……。


「令嬢、どうかされましたか?」


 その場で止まっていると、呼びかけられる。


 若い騎士が立っていた。


「だ、大丈夫です……!」


 私はさっきまで公爵様がいた場所に目をやる。

 公爵様はいなくなっていた。


 若い騎士は私を心配して声をかけてきたのだ。

 公爵様に見られてこの騎士が処刑対象になったら、可哀想……。


(……それは私の思い込みで、ならない人もいるんだ……)


 さっきのメイドの姿を思い浮かべて、また傷つく。


「公爵はあなたのことを本当に愛して心配しておられます。無理されないでください」


 騎士は本当に公爵様に忠誠を誓っているのかもしれない。

 私には的外れの言葉にしか聞こえなかった。


「ありがとう……」


 私は暗い声で、そう言っていつもの帳簿のある場所に向かった。


◆◇◆


 あのメイドがまた粗相をした。


 夕食の席で私にスープをかけたのだ。


 公爵様の目の前で……。


「令嬢、大丈夫か? 着替えてこよう。料理はまた新しく作らせるから、大丈夫だ」


 公爵様は私を抱き上げて、部屋に向かう。


 料理をこぼしたくらいで大袈裟ね、私はなんて愛されているんだろう……普通なら、そんな場面だろう……。


 公爵様の腕に抱き抱えられながら、私の心の中は荒れていた。


(なぜ、あの女を処刑しないのですか——!?)


 食器を割っただけのメイドが処刑されて、私を叱っただけの領地運営の教育係が処刑されたのに。


 公爵様はの腕の中で私は涙を流す。


「熱かったのか、令嬢……。すぐ手当しよう」


 公爵様はすごく心配そうに私を見る。


 スープはそんなに熱くはなかったから、火傷するような事はなかったけど。

 心がヒリヒリして来る。


(公爵様はあの女のことを見ないし、話題にしない。不自然なほどに——)


 傷一つない足に包帯が巻かれる。


「痛みはないか」


 公爵様が聞いて来るけど、傷がない事は公爵様もわかっている。


 ——何も聞くな。


 暗にそう言っているんだ。


 優しくキスされて抱きしめられる。


 そう言う表面的な動きなだけ。


「大丈夫だ、令嬢。君は、何も考えなくていい……」


 くりかえされる言葉……。


 でも、あのメイドは許されている。

 

 私はポロポロと泣き続ける。

 公爵はずっと私を抱きしめて髪を撫でて優しい言葉を囁き続ける。


◆◇◆


「どうしたんですか」


 あの若い騎士に声をかけられた。


(公爵様が私を本当に愛してるって言っていた騎士だ……)


 また、落ち込んでいるように見えたのかもしれない。

 その通りで、前とはすっかり世界が変わってしまった。

 

「……」


 何も言わない私に騎士が言う。


「俺は公爵に仕事を手伝って欲しいと言われてここにいたけど、ちょうどその仕事が終わったところなんです」


「……」


(それが私にどんな関係があるの? 少し話した事があるだけの騎士なのに……)


「俺はこの隣の男爵領の後継なんです。もし、令嬢がここから出たいのなら一緒にいきましょう。男爵領の中なら公爵も令嬢に手出しできない。その間に婚約解消の手続きをすればいいんです」


「え……」


(婚約解消なんて考えてもいなかった……)


 いつの間にか騎士が腕を伸ばして私の周りを囲んでいた。

 壁際で何処にも逃げられなくなっている。


「……公爵様に見られたら、貴方が処刑されてしまう……!」


 私が心配しているのに、騎士は慌てない。


「俺は、公爵とは友人で頼まれて部下を演じていただけです。だから、処刑されません」


 そう言うけど……友人の婚約者に婚約解消を勧めるなんて……。


 私はハッとする。


「……あのメイドは……」


 公爵様の友人が部下の中に潜んでいたのなら……愛人だって……。


 考えないようにしていたけど、絶対に処分されない、あのメイドは、公爵様の特別な人なんだ……。


 私はまたポロポロと涙をこぼした。

 今は慰めてくれる公爵様はいない。


 騎士が目の前にいるだけ——。


 両手で口を覆って涙を流す私を、両腕で囲って騎士が顔を覗き込む。


「俺と行きましょう、令嬢。これからは、俺があなたを守ります……」


 恋する瞳に見つめられている。


 王都にいる時は公爵様にこんな風に見つめられていた。


 私は騎士に向かってうなづいていた。


◆◇◆


『冷酷な公爵様の偽りの愛は不要です。お暇をいただきます。メイドと仲良くしてください』


 そんな手紙を机の上に置いてきた。


 騎士の馬に乗って、公爵領と男爵領の一歩手前の街に着く。

 男爵領や他の領地との境目にあり、交易が盛んなようで、比較的におおきな街だと思う。

 王都から出た事のない私には、とても小さな街に見えるけど。


「宿をとってあります。俺と一緒の部屋でいいですよね」


 騎士に言われて驚いてしまう。


「公爵様と婚約しているので、それは……」


(不貞を疑われたら、不利になる……。でも、だったら騎士と来るべきではなかったのかも……。公爵様にはメイドがいるのに……)


 私が青くなっているのを見てイタズラっぽく騎士は笑った。


「冗談です。部屋は別だけど、いつ公爵が現れるかわからないので、出来るだけ一緒にいましょう」


 騎士は私の手を取る。

 恋する瞳に見つめられて、何から何まで世話を焼かれる。


(公爵様といるのと同じだわ……)


「本当は僕が公爵より先に君を好きだったんだ。覚えていますか?」


 酒場の隅で一緒に座って食事をしていると騎士が話しだす。

 騎士に聞かれても覚えはなかった。


「あなたの初めての夜会の時だと思います。俺は話しかけたけど、他にも男達がたくさんいて、一言だけしか話せなかった」


(初めての夜会の時のことは覚えているけど……。騎士のことは見ていないと思う)


「公爵に相談したら、俺の行けない夜会であなたに僕のことを伝えてくれるって約束したんだ……なのに、奪われた……!」


 騎士の怒りに私の身体が震えた……。

 私はのことを想っていてくれた人がいたの……?


「……でも、騎士は男爵で領地があるのよね? 歳が20歳なら私が探していた人だわ……」


 騎士が息を呑んだ。


「は、20歳だよ……!」


「え?」


 こんな偶然あるのかしら……。


 私は笑う。


「最初にちゃんと見ていれば、あなたに会えたのね」


(公爵様には会えなかったけど……)


 甘い日々が思い浮かぶ……。

 そして、処刑を命じる顔——。


 騎士——男爵の恋する瞳に見つめられながら、公爵様の事を考える。


「ヘえ、いい女連れてんなぁ。こんな騎士より俺たちとあっちで一杯どうだ」


 急に腕を掴まれた。


「やめろ! 令嬢から手を離せ!」


 男爵が手を払って守ってくれる。


 男爵の身体で私を隠すようにして店を出る。

 男たちがニヤニヤしてこっちを見ている。


 店の灯りが遠のいても未だ見られているようで、嫌な感じがする。


「令嬢、もう大丈夫だよ」


 男爵がまだ私を隠すようにして言う。


(全然大丈夫じゃない……男たちの嫌な声が張り付いてる)


『処刑しろ』


 公爵様だったら……。


(男爵が悪いわけじゃない……けど、公爵様だったら、全て消して私を安心させてくれるのに……)


 でも、メイドを処刑しなかった公爵様。


 私よりメイドが大事なのね……。


 (あの女さえ消してくれたら、お別れせずに済んだのに……)


 男爵の腕に捕まる。


 男爵は少し驚いて私のを見ると、とろけるような笑みを見せた。

 私を守ってくれる人はもうこの人だけだから……。


「うひゃあぁぁ」


 背後で妙な声が聞こえて振り返る。


 さっきの男たちが酒場のドアから宙に舞って飛び出して来る。


「な、なんだ!?」


 周囲を歩いていた人たちも驚いている。


(さっきの人たちが本当になんで)


 不思議に思っていると、男爵が私を抱く手の力が強くなった。


 酒場のドアから人影が見える。


 背が高く場違いな高貴な服装をしている……。


「こ、公爵様……!」


 私は息を飲む。


「俺の令嬢にその汚い手で触れたな。次はないと思え」


 倒れた男たちに公爵様が怒気を向ける。


 男たちは怯えた声をあげて逃げていく。


「行こう、令嬢!」


 その混乱の声に乗じて、男爵が私の手を引く。


 けれど、公爵様と目が合ってしまう……。


『俺の令嬢にその汚い手で触れたな』

 いつから、公爵様は私を見ていたの……。


 男爵の手を取って出てきてしまったのだから、もう遅いのだけど……胸が高鳴ってしまう。

 それに、公爵様はメイドを選んでいるのに……。


 騎士と向かう先に公爵家の騎士たちが現れ道を塞がれる。

 後からは公爵様が迫って来る。


「令嬢を返せ! 男爵!」


 さっきの男たちに向けるよりも遥かに強い怒気を含んだ声。


「友人じゃなかったんですか?」


 私は思わず聞いてしまうけど、


「友人だから、裏切られたら許せない。先に令嬢を好きになったのは俺だ!」


 男爵はそう言って公爵を睨むと、私を引き寄せて強く抱きしめる。


 公爵様の眉間の皺が深くなり、目付きがこれ以上ないくらい鋭くなる。


 道の両側から追い詰められて逃げ場がないのに……。


 そう思った時に、男爵は私を強く抱く右手とは逆の手を空中に突き出すと、円を書くように動かす。


移動(テレポート)


 騎士が呪文を唱えると私は一瞬で光に包まれて空に飛び出していた。


 一瞬、公爵様を眼下に確認すると、そのままものすごいスピードで私と騎士を包む光が移動する。


◆◇◆


 さっきまでいた街の灯りが遠くに見える。


「ごめん、こんなに早く追いつかれるとは思っていなかった」


 男爵が謝るけど……。


「あなた騎士じゃないの……? 魔術師だったの……」


 スッと男爵の身体が小さくなる。

 顔立ちは変わらないけど、見上げる程だった背の高さが私より少し高いくらいになっている。


「……騙していたの……」


 彼が、騎士だからついて来たわけじゃないけれど……。


 そういえば、今の彼なら夜会で見かけた事があったと思う。


 それとは別に何処かで見たような印象がある……。


「……逃げられると思ったのか」


 暗い声が聞こえてくる。


 見ると公爵様がいた……。


「……公爵様も魔術師だったんですか……?」


「同じ魔術師に師事していたんだ。公爵は爵位を継ぐ必要がなければ魔術師になっていただろう」


 男爵が教えてくれた。


(将来が決まっていた公爵様が爵位を継いだ理由ってなんだろう……。『今、公爵家は大変な時だ』とお父様が言っていた気がする……)


 でも、今はそんな事を考えている暇はない。

 鬼気迫る公爵様がすぐそばにいる。


「令嬢、次は……男爵領まで、飛ぶ……」


 男爵が手を差し出すけど、息が苦しそう。


(できるなら最初から魔法で飛んでいけたのに、しなかったのは体力が必要だとか、無理な理由があるんじゃない……?)


 私は公爵様に向き直る。


「やめて下さい! 公爵様は私よりメイドを選んだんでしょう!? なら、もう放っておいて!!」


 公爵様の顔に怒りが滲む。


「令嬢、手紙にも書いてあったが、メイドとはなんだ! 俺の君への愛が偽りだとはどう言うことだ!!」


 低く激しい声に、心臓を掴まれたみたいに縮こまる。


「だって……公爵様が、あのメイドだけ、特別扱いしてるから……」


 恐怖に耐えて、絞り出すように私は言った。


「メイド……特別扱い……?」


 公爵様は、本当にわからない様子で睨むように私を見つめている。


 その時、視界の端に男爵が映る。


 男爵はニヤリと口の端を歪める……。


「貴様か!? 男爵が変身していた、あのメイドの事か!」


 公爵様が怒りの叫び声を上げた。


「男爵が……変身……?」


 騎士に化けていた魔術師の男爵なら、メイドにだって化けられるかもしれない。

 何より口の端を上げて笑っていた……。


「令嬢を……先に盗んだ……のは、公爵、お前だ!!」


 男爵が苦しそうに私に手を伸ばす。


 バチッ!


 公爵様から放たれた光が男爵の手を弾いた。

 公爵様は、同じ光を手に持って、男爵目掛けて放つ。


移動(テレポート)


 弾かれた手で円を描いた男爵は、一人で空に舞い上がると消えていった。


 私は唖然と空を見つめた。


 公爵様に、身体を後ろから抱きすくめられた……。


「もうアイツには絶対に渡さない……」


 逃げられない公爵領の平原に残されて、私に逃げ場はない、


(男爵は私を捨てて逃げたの……でも、彼がメイドだったって……)


 私の目から涙が溢れる。


(私は、あのメイドを嫌って公爵様から逃げたのに、メイドの腕の中にいたの——。もう何もわからない……)


 私の涙を公爵様が拭ってくれる。


「すまない、俺がちゃんと話していなかったせいで、辛い思いをさせた……」


 公爵様はまた優しい……。

 私を抱きしめて髪を撫でてくれる……。


 私は公爵様の腕から抜け出す。


「どうして、公爵様は、こんなに私には優しいのに、使用人を処刑なんてするの!?」


 それがなければ、あのメイドを疑うこともなかったのに……!


 公爵様は済まなそうな顔をして笑う。


「ここは寒いから、街の領主邸に行こう。全部話すよ」


 私は公爵様に抱かれて、魔術で飛んで行く。


◆◇◆


 公爵様が爵位を継いだのは、前公爵である叔父が国家転覆罪で処刑されたからだと言う。


 一年ほど前に貴族の間では話題になったが、国の恥部なので公に語るものは少なくなっていったそう。


 公爵様は取り潰される寸前の公爵家を、未だに潜伏しているであろう国家転覆を狙う不穏分子を掃討する約束で継いだのだと言う。


「俺は取り潰しになるならそれでも良かったんだ。隠れた不穏分子を掃討させたがっていたのは王家の方だった。残っていたら後々困るからね」


 私は公爵様があの街で使っている邸宅の寝室にいた。


 意外すぎて内容が頭に入ってこない。

 ただ、魔術師を目指す人は社会性が薄いと聞くけど、公爵様もそのタイプの人なのかもしれない。


「処刑と言っても実際は王都に送って、そっちに処分を委ねている。不穏分子だけを処刑していたらすぐに疑われるから、ただ失敗した者も処刑する中に混ぜる必要があって、溺愛する婚約者の為に冷酷になる公爵を演じなければいけなかったんだ……」


「……そうだったんですね……。だから、公爵様はおかしかったんだ……」


 私だけに優しくて、他の人は気に入らなければ即処刑なんて普通じゃない。


「令嬢、何も知らせなかったせいで、君には怖い思いをさせたね。もう、掃討作戦は終了したから、本当に何も心配しなくていい」


 公爵様が私を抱きしめて髪に口付けする。


 私は胸が締め付けられた。


 掃討作戦が終わったって事は、溺愛されるだけのバカな婚約者は必要ないってこと……。


 私はまた泣いていた。


「令嬢、どうして……。本当にもう君は何も心配する必要がないんだ、なのになんで泣くんだ……」


「……だって、私がいらなくなるなら、最初から教えてくれれば良かったのに……。もう、私は公爵様の事をこんなの好きになってしまったのに……」


 私は公爵様の腕の中で、公爵様を避けて、両手で顔を覆って泣いた……。

 これから、また一人で生きていかなきゃいけないんだもの。


「な、なぜ、そうなる!? 令嬢と俺はずっと一緒だ! 両親にも婚約を許して貰っただろう……!?」


 公爵様が慌てて言う。


「え……だって、婚約者を溺愛するのは演技だったって……」


「計画ではそうだったんだ。だから、夜会で協力してくれる女性を探していた」

「やっぱり……」


「君に協力は頼んでないだろう……。協力者を探していたら、運命の人に出会ってしまったんだ……。男爵が一目惚れしたと言う令嬢に……」


 男爵が夜会で私に自分の事を伝えてくれるように公爵に頼んだって言ってた話しと同じだ。


「俺は掃討作戦で領地に来なければいけなかったから、時間がなかったんだ。放っておけばすぐにでも君は別の男と婚約してしまうだろう。狙っているのは男爵だけじゃないんだから」


「そんなことはないと思うけど……」


 でも、結婚相手に希望はあったけど領地を持っていればほぼ誰でもいいと思っていたのも事実で……。


 公爵様は私の言葉をまるで信じていないようだった。


「俺が婚約するなら君しかいないから、演技をしてもらう協力者なんて探している暇がなくなったんだ……」


 公爵様の話はきっと本当のことなんだろうと思う……。

 私の涙は止まってる。


 公爵様は、処刑を命じるのも本当は嫌々だったんだろう……。

 公爵様の辛かった気持ちを想像する……。


 そんな中で、私に『何も考えなくていい』と言って守ろうとしてくれた……。


 なのに私は……。


「メイドを処刑して欲しいって思ったの……」


 公爵様の動きが止まる。


 公爵様は本当は優しく人だから、こんな事を考える私の事は嫌いだと思う……。


 酒場で絡んできた男たちを罰しない男爵を物足りなく思ったり……。

 私は、自分のために暴力を振るってくれる人に慣れすぎてしまった……。


「忘れたのか、令嬢。俺が酒場にいた君に無礼を働いた奴らを痛めつけていたことを」


 公爵様に言われて思い出す。


「令嬢を傷付ける奴は許さない、メイドは掃討作戦を手伝わせていた男爵だったから、手出しできなかったんだ。同じ事があったら、処刑までは出来なくとも、必ず報いは受けさせる」


 公爵様が鋭い目で宣言する。


 私はそれを頼もしく思ってしまう。


「ただ、メイドのことは誤解で、もう二度と同じような事が起きることはないのは言っておくよ。俺は愛人なんて絶対に作らない、令嬢以外の女性を見る事も決してない」


 公爵様の言葉を私は素直に信じられた。


◆◇◆


 公爵の領地の邸宅で前と同じように、領地運営の勉強をしながら過ごしている。


 公爵様は相変わらず忙しいけど、夕食までには帰ってきてくれる。


 たまには、昼間も邸宅にいて、私の勉強に付き合ってくれる。


 今日は勉強の合間に公爵様と休憩が取れている。


 庭園のテーブルにティーセットを運んでくれたのは、食器を割って処刑されたメイドだ。


 残党への目眩しに王都に連れて行かれて公爵家邸宅(タウンハウス)で休暇を楽しんだらしい。

 何人かそんなそんな使用人がいたが、今は全員が戻って仕事をしている。


「男爵は身体を壊してしまったようだ」


 紅茶を飲みながら公爵様が教えてくれる。


 やっぱり、移動(テレポート)の魔法は身体に負担がかかるらしい。

 公爵様より男爵の方が魔術師としての能力は劣っていて、二回連続の移動(テレポート)は負担が大きすぎたようだ。


「二度と起き上がる事がないといいんだが」


 公爵様は友人にそんな事を言う。


 私もメイド姿の男爵には思うところがあるけど……私を好きな気持ちは本当だったんだと思う。


「仕組まれた事だったけど、男爵を頼ってしまった私も悪いの……」


 公爵様の目が鋭く光った。


「令嬢……君がそんなだと、本当に男爵を処刑しなければいけなくなるだろう」


「え!?」


「君は俺のモノなんだから、他の男のことを考えるな」


 強く言われてビクッとしてしまう。


 そんな私を膝に乗せて撫でながら公爵様は言う。


「『男爵を処刑して』って言うんだ、令嬢。そしたら、必ず処刑する」


「……あのメイドは処刑して欲しかったけど……」


「あのメイドは男爵なんだから、同じことだろう」


(冗談なのかなぁ?)


 冷酷な公爵様は愛と独占欲で今日も私を包んでくれている。


「君は俺のことだけ考えていればいいから」


 そう言って公爵様にキスされる、何度も何度も——。


 私は催眠術にかかったみたいに蕩けていくけど、公爵様も蕩けてる。


 夜会や王都での溺愛とは違う、歯止めが効かない公爵様の愛。


 もう二人は、お互いのことしか考えられない——。



 公爵家邸宅(タウンハウス)帰りのメイドは思う。


 新公爵としてやる気のなかった公爵様が令嬢に出会ってとても張り切って公爵領に向かって、王宮や公爵家では胸を撫で下ろしたと。

 国家転覆を狙っていた残党たちは、準備したものがまだ使えると、一刻を争う状況で動いていたらしい。


 公爵様をやる気にさせた、令嬢には感謝しきれないと、王都ではご両親がかなりの厚遇を受けていた。


 メイド自身も『処刑しろ』と言われた時はどうなるかと思ったけど、こうして戻ってこれて二人の仲の良い姿を見れてホッとする。


 お互いのことしか見えなくなっている二人はずっと仲良くここを守ってくれるのだろう。


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