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第二十五話 白閃と黒炎の果て - after 100 years -

ダイロンは魔力の天才だった。

本来なら、誰よりも未来を担うはずの男。


それでも彼は世界を拒んだ。


だから彼は決めた。

世界そのものを作り直す、と。


after 100 years 最後のお話をどうぞ。


【アルト、新技《白閃・断炎》の進化形】

アルトは剣を振りかぶり、白い光を刃に集中させる。


アルト「――《白閃・断炎・零式》!!」


ズバァァァァァン!!


黒炎魔核が、中心から真っ二つに裂けた。


爆発的な衝撃が走り、

坑道の天井が完全に崩れ落ちる。


ドガァァァァァァァン!!


ダイロン「……ッ……!!黒炎魔核が……破られた……だと……!」


アルトは炎の中から歩み出る。


白い光を纏い、

剣を肩に担ぎながら。


アルト「……終わりだ、ダイロン」


ダイロン(……世界平和?笑わせる……平和とは“強烈な支配”の上にしか成り立たない……)


彼の思想はこうだ。


弱者は守られるべきではない


弱者は“管理”されるべきだ


世界は“選ばれた者”が統治すべきだ


その秩序こそが平和を生む


そして彼は、

かつて存在した闇の経済圏――


”シャドウマーケット”を再生しようと考えた。


そこは、

力ある者だけが生き残る世界。


ダイロン(……あの村のような弱者を生まないために……私は“世界を作り直す”……)


それが、彼の歪んだ正義だった。


【現在:アルトの剣がダイロンを現実へ引き戻す】

ズガァァァン!!


アルトのロングソードが

ダイロンの防御膜を大きく揺らす。


ダイロンは後退し、炎を纏い直そうとするが――


炎が揺らぎ、

魔力が乱れ、

呼吸が荒くなる。


ダイロン「……我…テラを導く者なり…!」


アルトは力強く


アルト「ダイロン!お前は何にそこまで執着しているんだ!

何があったのか?俺にはわからないが……」


白い光がさらに強くなる。


アルト「俺の好きなテラは…そんな窮屈な世界じゃない…!!」


坑道は崩壊し続け、

二人の足元の地面すら割れ始める。


バキバキバキ……ッ!!


【崩壊する坑道、二人だけの世界】

白閃と黒炎がぶつかり合うたび、坑道の天井が崩れ、

地面が割れ、空気が震える。


ドガァァァァァン!!


巨大な岩盤が落下し、炎と光がそれを粉砕する。


アルトは白い光を纏い、剣を構える。


アルト「……行くぞ、ダイロン……これで終わらせる……!」


ダイロンは黒炎を纏い、両腕を広げる。


炎が竜の形を取り、光が刃の形を取り、二人の魔力が極限まで高まる。


坑道はもう限界だった。


ミシミシミシ……ッ!!


ダイロンは全魔力を一点に収束させる。


黒炎が渦を巻き、

空間が歪み、

熱が世界を焼き尽くす。


ダイロン「――《黒炎終焉(ラグナ・インフェルノ)》!!」


黒炎が巨大な柱となり、アルトへ向かって放たれる。


坑道の天井が完全に崩れ落ちる。


ドガァァァァァァァン!!


アルトは剣を構え、白い光を刃に集中させる。


白い光が爆発し、炎を押し返すほどの輝きを放つ。


アルト「――《白閃・終断》!!」


ズガァァァァァァァン!!


白閃が黒炎を切り裂き、

二つの大技が真正面からぶつかり合う。


【決着】

白と黒。

光と炎。

希望と絶望。


二つの力が衝突し、

世界が白く染まった。


――そして。


黒炎が砕け散る。


ダイロンの身体が後ろへ吹き飛び、

吸収したはずのキューブが

全て、光の粒となって四方へ飛び散った。


ダイロン「……くそ!……バカな……!」


アルトはその中から

ひときわ強く光る“レオンのキューブ”を拾い上げる。


剣を下ろし、

肩で息をしながら立っていた。


ダイロンは崩れた岩の上で、

ゆっくりと顔を上げる。


そして――

静かに笑った。


【敗者の笑み】

ダイロン「……勝ったつもりか……」


アルト「……ダイロン……。俺たちは平和な世界を作る……」


ダイロンは薄く目を閉じ鼻で笑う。


ダイロン「……甘いな……

 そんなだから駄目なんだ……

 お前には絶対にわからない……

 “弱者が焼かれる世界”の痛みが……」


アルトは拳を握りしめる。


アルト「……わからないかもしれない。

 でも、やれることはやるさ。

 だからもうやめろ……

 過去のお前が……報われるようにするよ……」


ダイロンの目が、一瞬だけ揺れた。


だが――

すぐに、狂気の光が戻る。


【最後の意地】

ダイロン「……俺を許そうとしているのか……?バカめ……!」


崩れた岩の上で、

ダイロンは震える腕を持ち上げる。


ダイロン「俺の望む世界は……必ず成し遂げる……

 お前も……その礎となるのだ!!」


黒炎が、最後の残り火のようにダイロンの腕に集まる。


アルト「……まだやるのか……!」


ダイロン「当然だ……!

 私は……“私のルール”の上で……

 最後まで戦う……死ね…アルト!!」

 

 【崩壊】

その瞬間――

坑道の天井が大きく軋んだ。


ミシ……ミシミシ……ッ!!


アルト「…坑道が崩れる!…共連れ覚悟か!!」


黒炎が暴発し、坑道全体が崩れ始める。


ドガァァァァァァン!!


巨大な岩盤が落下し、

地面が割れ、

炎と光が吹き荒れる。


坑道の天井が大きく軋む。


ミシ……ミシミシ……ッ!!


ダイロンは全魔力を一点に収束させる。


ダイロン「――《残火(レムナント・フレア)》!!」


黒炎が最後の輝きを放ち、

巨大な炎柱となってアルトへ襲いかかる。


アルトは剣を構え、

白い光を刃に集中させる。


アルト「――《白閃》!!」


白と黒が再び衝突する。


ズガァァァァァァァン!!


衝撃で坑道が完全に崩れ始める。



黒炎が砕け、

ダイロンの身体が崩れ落ちる。


だが――

彼は笑っていた。


ダイロン「……覚えておけ……アルト……

 “光があれば、かならず闇が存在するのだ……!!

 グハハハハハハハハ!!」


天井が落下し、

黒炎の残滓とともに

ダイロンの姿は瓦礫の向こうへ消えた。



【静寂】

アルトは剣を支えに立ち、

レオンのキューブを握りしめる。


アルト「(……これが最善の結末だったのか……)」


ダイロンの見てきた世界とはどんなものだったのか……


崩れた坑道の中で、ただ一人、

なんとも収まりの悪い気持ちを抱え、静かに息を吐いた。


アルトは足早に崩れ落ちる坑道の中、ヴァルカ達の元へ向かった。


【崩れた坑道からの帰還】

崩れた坑道を抜け、

地上へ向かう。


その先で――


【ヴァルカたちとの合流】

瓦礫の向こうから、聞き慣れた声が響いた。


ヴァルカ「アルト!!」


アレサ「おい! 生きてんのか!!」


イリス「アルト……!」


アルトは微笑む。


アルト「……ただいま」


ヴァルカは肩を貸し、アレサはレオンのキューブを見て目を見開く。


アレサ「それ……レオンの……!」


アルト「……取り返したよ」


イリスは涙をこぼしながら頷いた。


イリス「……よかった……本当によかった……」


アルトは静かに告げる。


アルト「ダイロンは……もういない。最後まで戦って……そして、果てた……」


ヴァルカは目を閉じ、アレサは拳を握りしめ、

イリスは静かに祈った。


【傷ついたパレットバトラーズ、帰還】

四人は傷だらけの身体を支え合いながら、

セントラルテラへ戻る。


本部の医療区画は騒然としていたが、

アルトたちを見ると静まり返った。


医療班「レオンをこちらへ!」


レオンの身体は深い眠りのまま。

アルトはそっとキューブを胸元へ戻す。


光がふわりと広がる。


【レオン、目を覚ます】

しばらくして――


レオン「……ん……」


アルト「レオン!!」


ヴァルカ「おいおい……やっと起きやがったか……!」


アレサ「てめぇ……心配かけやがって……!」


イリス「レオン……!」


レオンはぼんやりと天井を見つめ、

仲間たちの顔を順に見た。


レオン「……みんな……無事か……?」


アルトは笑って答える。


アルト「お前のせいで大変だったけどな。でも……全部終わったよ」


レオン「……ダイロンは……?」


アルトは静かに首を振る。


アルト「……倒した。最後まで戦って……そして、消えた」


レオンは目を閉じ、小さく息を吐いた。


レオン「……そうか……あいつも……最後まで……」


アルト「レオン。もう大丈夫だ。全部……終わったんだ」


レオンはゆっくりと微笑んだ。


レオン「……すまなかった……アルト……みんな……」


【後日談】

ダイロンとの死闘から数日。

セントラルテラの医療区画には、

ようやく落ち着いた空気が戻っていた。


パレットバトラーズの面々は

それぞれ包帯やギプスを巻きながらも、

以前と変わらない表情で過ごしている。


アルトは窓際に立ち、

外の光を眺めていた。


レオンが静かに近づく。


レオン「……アルト」


アルト「お、起きて大丈夫なのかよ」


レオンは軽く笑う。


レオン「お前が戻してくれたキューブのおかげでな。……ありがとう」


アルト「礼なんていらねぇよ。」


二人はしばらく黙っていた。

その沈黙は、重くも苦しくもない。

ただ、戦いを越えた者同士の静かな呼吸だった。


レオン「……ダイロンは」


アルト「……あいつは最後まで自分の信じた“秩序”を貫いたよ。

 どうしてダイロンはあそこ迄歪んでしまったのか。

 一体何を見てきたら。。。」


レオンは目を閉じ、ほんの一瞬だけ祈るように息を吐いた。


レオン「……そうか」


ヴァルカが大きな声で笑いながら入ってくる。


ヴァルカ「おーい!医者が言ってたぞ!今日から軽い訓練ならOKだってよ!」


アレサ「ヴァルカ、お前はまず安静にしろって言われてただろ」


イリス「ひぃ~。もう少し休ませてよ~」


アルトとレオンは顔を見合わせ、

自然と笑みがこぼれた。


「アルトーー!!」


「イリスーー!!」


「遊んでーー!!」


子どもたちが一斉に駆け寄ってきた。


アルト「お、おいおい……まだ俺たちケガ人なんだけどな……」


イリスは苦笑しながらしゃがみこむ。


イリス「みんな、元気だね……」


子どもたちはアルトの腕にぶら下がり、

イリスの手を引っ張り、わちゃわちゃとまとわりつく。


「ねぇアルト!また剣のやつ見せて!」


「イリス!光の矢のやつやってよ!」


「セイレン化みせてよ~~!!」


アルト「いやいやいやいや!!セイレン化は遊びで見せるもんじゃねぇって!!」


イリス「そ、そうだよ……!あれは危ないから……!」


子どもたちはまったく聞いていない。


「ちょっとだけでいいからー!」


「光るやつー!」


「変身してー!!」


アルトは頭を抱え、イリスは困ったように笑う。


アルト「……イリス、どうするよこれ」


イリス「……えっと……“ちょっとだけ”なら……?」


アルト「お前まで乗るなよ!!」


子どもたち「やったーー!!」


ヴァルカ「……アルトは相変わらずだな。」


アレサ「まぁ、あいつららしいじゃねぇか」


レオンは静かに微笑む。


アルトとイリスは、子どもたちに囲まれながら

穏やかな時間を過ごしていた。


戦いは終わった。

傷はまだ癒えない。

けれど――


子どもたちの笑い声が、戦いの終わりをそっと告げていた。



――――――



【暗転:ダイロンの最期の足掻き】

坑道の崩落からしばらく後。

瓦礫の奥深く――

誰も近づかない闇の底で、

かすかな呼吸音が響いていた。


ダイロンは、まだ生きていた―――


ダイロン「……はぁ……はぁ……

 俺は……まだ……終わっていない……」


瓦礫の隙間から、

いくつかのキューブが転がり落ちてくる。


戦いの余波で散った、

名もなきキューブたち。


ダイロンは震える手でそれらを掴み、

胸元に抱え込む。


ダイロン「……こんなところで……

 終われるか……!」


彼は這うようにして、

坑道の奥――

封印されていた“ジコーズの欠片”の前へ辿り着く。


黒い結晶が、

微かに脈動していた。


【魂の献上】

ダイロンは自分の胸に手を当てる。


ダイロン「……俺のキューブも……持っていけ……

 俺の魂ごと……くれてやる……!」


胸の奥から、

赤黒い光が漏れ始める。


それは――

ダイロン自身のキューブ。


彼はそれを引き抜き、

ジコーズの欠片へ押し当てた。


ズ……ズズズ……ッ!!


黒い結晶が反応し、

ダイロンの魂を吸い込み始める。


ダイロン「……俺はまだ諦めていない……

 お前たちのような……恵まれた奴らに……

 俺たちの気持ちは……わからないだろう……!」


瓦礫がさらに崩れ、

天井が落ちてくる。


それでもダイロンは叫び続けた。


ダイロン「俺は負けた……

 だが――俺の意思は……まだ負けていない……!!」


黒い結晶が強く脈動する。


ダイロン「待っていろ……俺は止められないぞ!

 パレットバトラーズ……!!」


その瞬間、

坑道全体が崩れ落ちた。


ドガァァァァァァァン!!


瓦礫の奔流がダイロンを飲み込み、

黒い光だけが最後に一度、

脈動した。


【読者の皆様へ】

ここまで物語を読んでくださり、本当にありがとうございます。

アルトたちの戦いも、ダイロンの最期も、

あなたがページをめくってくれたからこそ意味があります。


studio Y.S.Nの活動はまだまだ始まったばかりです。

今回は初めの一歩という事で、ひとまずどれくらいの方が読んでくれるのか?

についての実験に近いものとなりました。


改めて、この章を一緒に見届けてくれたことに感謝を申し上げます。


今後の活動ですが、現在新章である「PALETTE BATTLERS」(印無し) ※所謂本編スタート

となる物語を構想中です。


ミニプラはまだ続けますが、組立式は廃止しようと考えています(作るのが難しい為)

主に完成品(カセット版)となります。


秋くらいに1.5周年でまた出店を考えていますので、詳しい情報は公式、noteやx,tiktok等で。

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