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三茶浪漫  作者: たま
4/15

翌日スーパーの休憩室で携帯を見るとまた大量の電話が。

「ハア〜、懲りないなあ〜」夫が生きてた頃の杏しか知らないから、吠えれば何とかなるとまだ勘違いしてるようだ。

電話に出る。

「ちょっと〜娘のインスタに何書き込んだのよ!

娘が学校行きたくないと部屋にこもってるわよ!」義姉がまくしたてる。

「お義姉さんが電話してきた内容をそのまま書いたんですが…花ちゃんからお母さんに注意してと。」丁寧に話す。

「ハア?なんで子供にそんな事!!!」お義姉さんは知らなかったようで絶句する。

「あら?お義姉さんもウチのコに家を売れと言ったんでしょ?一緒じゃないですか?

また同じことしたら…旦那さんの会社の社長にメールしますよ。若社長さん、インスタされてるじゃありませんか?」お義姉さんが黙る。

「これは誹謗中傷になりませんからね?

貴女が口にした事実ですから。

それとお金に困ってるなら、息子の香典をご両親が

ネコババしてますよ。そちらから頂いて下さい。では。」そのまま電話を切った。

「おまえらの生命線切ったるぞ。ナメんな」下を向いて小さく呟いた。

夫と死別するのは大変なのだ。

店長が休憩室の扉からビクビクとこっちを見てる。

「どうしましたか?」杏から声を掛ける。

「いや、パートさんからね、なんで正社員の杏さんが帰る時間が私達と同じなんだ?と苦情が来てね。」

正社員が夕方4時に帰るのが納得いかないらしい。

世間は旦那を亡くした人間に優しくない。

イメージがリアルに湧かないんだろう。

夫が正社員で働いて奥さんパートと1馬力の正社員が同じ土俵だと思うんだろか?

そう、思うなら自分も正社員になって4時帰りの交渉をすれば良いじゃないか?

「人の事に口出しする暇あるんですね〜」無表情に辺りのパートさんを見回す。

「面接で事情を説明して許可を取ってやってるんです。

え〜と、シンママいじめですかね?コレは?」店長が気色ばんでる。

しかし、せっかくの正社員だ。社会保険とか考えても失いたくない。

「でも会社はチームワークですからね。

私が4時帰りで士気が下がったら困りますよね?

子供達に迷惑かけますが、パートさんが不満らしいよと説明して6時まで働きます。

私はそのまま帰宅ではなく、次の仕事に行くまえに夕飯作りに帰るだけなんですが。」

ガタンと席を立つ。

「同じ土俵に居ると勘違いしてる人がいるんですかね?良いなあ〜子供と家で夜過ごせて!

シンママはそれも叶わないんですよ!」そのまま席を立ち仕事に戻る。

スナックのママが言ってた。

『戦え!子供達はアナタのその背中を見て育つと』

杏は成長した。が、こんな最強どうなんだろ?

ふと考えたら、主人が亡くなってから風邪も病気もなってない。

体調悪い事がまず無い。

「私、人間離れしてきてない?」ちょっと自分が不安になる。


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