3人の旅路 2話
蒼燕が別次元の世界にたどり着いたと同時にほかの2人も同じ次元に到着した。
蒼燕は次元を渡った後のことをあまりわかっていなかった。
教えてもらったことといえばこれから次元をわたる術を持つ生物のいる次元世界へ転移するといったことくらいだった。
ただ、運がよかったのは、すでに目的の生物が目の前にいたことだった
目の前の生物は、 ナイアラトテップ。
無制限に次元をわたることができる。
基本的に仙人や魔術師でも当人の気量や魔力量に応じて次元を渡れる回数というのは決まっている。
クラトスが問うた
「あなたがナイアラトテップですか?」
それと同時に宝仙も口を開いた
「あなたがナイアラトテップか?」
「そうだが、何ようだ?」
「ある人物を探すのに次元をわたる必要がある、力を貸してほしい」
「わしも同様だ」
「条件がある」
「きこう」
「聞かせてもらおう」
「この世界に存在している宝玉を探して持ってきてほしい」
「それを持ってくれば力を貸してくれるのか?」
「ちょっと待ってくれ
俺もある人物を探している
ただ、どこの次元世界の人間なのかがわからない
そのために数多の次元を超えなければならない
だから、俺にも力を貸してもらいたい」
「なるほど、おぬしら3人とも誰かを探しており、かつ探している人物がどこにいるかわからないから複数回次元を渡れる我々を頼りにこの次元世界に来たといったところか、本来であればそれぞれに我々の誰かがつければいいのだが、あいにくと今は出払っていてな、3人まとめてで良ければ先ほどの条件で力を貸すのもやぶさかではないが、それでも良いか?」
クラトス
「問題ない」
宝仙
「わかった」
蒼燕
「かまわない」
「それでは、この世界のどこかにある宝玉を探してきてくれ
強い力を発しているから近くに行けばわかるはずだ」
「おおよそどのあたりっていうのも教えてはくれないのか?」
「それがわかればおぬしらに依頼などしておらぬよ」
厳かな雰囲気にしては、似つかない口調に蒼燕もあっけにとられた。
「それもそうか」
気を取り直して蒼燕は2人に自己紹介をした
「俺は朽木蒼燕、これからよろしくな」
「私は、クラトス=フローライトだ」
「わしは宝仙と申す」
これが3人の最初の出会いであった。