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第16話 ダサい?

「いくぞ。ダンジョンだ。釣りだ」


「ぐぎゃあおっ!!」


「ローズ様おはようございます!」


「……あなた、本当に目立つつもりないのよね?」


「ドラゴンを連れまわして目立たないのは不可能だった。だが、ある意味で近寄ってくる奴はいなかったらな。これはこれでありかもしれん」


「そ、そう……。というかなんで御者のお兄さん……エリオットさんもまたいるのよ」


「ドラゴンを住まわせる場所に絶対困るだろうなって思って昨日アルクさんのもとを訪れたんですよ。で、今後は私がドラゴン世話を専属として見ることになりました! 偶然俺の借り家と近かったのは本当に運が良かったです!」


「なりました! 運が良かったです! ……って明るいのはいいんだけどね……。なんで一人で決めちゃうのかしら、そんな大事なこと」


「……すまん。こいつがずっとこうやって、ベタベタしてくるものだから勝手に決めさせてもらった。駄目なんだ、ここまでべったりされるのは。人間でもモンスターでも」



 2日酔いで痛い頭のままギルドに向かうと、入口前には昨日のメンツ、アルク以外が私とは反対に元気いっぱいな様子で待ち構えていた。


 当然人は群がってない。



 ドラゴンパワー恐るべしね。


 ただこのままだと私まで煙たがれない?



「はぁ。これはちょっと計算外かも……。ま、でもアルクの困った顔が見れたならそれだけで儲けものかもしれないわね。うふふ、今日はいい日になるかも。なんだか2日酔いも吹っ飛んだ気がするわ。エリオットさんありがとうね。はい、これお駄賃」


「あ、ありがとうございます! ってこんなにいいんですか!?」


「あなたもダイヤモンド級パーティー専属の御者なんですものこれくらいは当然よ。むしろアルクに頼まれたドラゴンの世話が安いなって思ったらいつでも相談して頂戴」


「流石ローズ様!! 助かります!! 実はアルクさん、あれでケチでして……」


「やっぱり……。これからアルクには思ったこと全部いってもいいから。私が許すわ」


「本当ですか? ならまずアルクさんのことはアルクって呼び捨てさせてもらいます!」


「いいわねそれ! エリオットさん、あなたノリがいいわね!」


「ありがとうござ――」


「おい。いいから行くぞ、ダンジョンに。エリオットは昨日の俺のようにドラゴンの操縦、ローズ……様はさっさと酔い止め飲んで馬車に乗れ」


「ふふふ、はいはい分かりましたよ」



 一生ドラゴンに頬をすりすりされるアルクはもう我慢の限界だったのか、あからさまに機嫌悪そうに馬が引かない馬車に乗り込んだ。



 少しだけだけどマウンティングできて気分がいいわね。



「――よし、乗り込んだわよ。エリオットさん馬車を……竜車を出して頂戴」


「了解ですローズ様! アルク! 揺れるから気を付けろよ!」


「……分かった」


「じゃあ頼んだぞ、ドラミ!!」


「くぎゃあああぁぁあああぁぁぁあぁぁぁああっ!!」



 宙を飛ぶ馬車、じゃなくて竜車。



 って折角ちょっとかっこいいネーミングしたのにドラミって名前ダサくない? 安直にもほどがあるでしょ!



「エリオットさんってセンスないのね、ドラミって……ねえ?」


「……俺がつけたんだが、名前」


「え? ……。……。……。あはははははははははははははははっ!!! 最高! 最高のセンスよアルク! あーっ! 今日最高に気分がいいわ!!」


「……。早く釣りがしたいな。今日だけは魔族関係なく」


「あははっ! わ、悪かったわっ! でも大丈夫よ! 別に私はあなたのことあいつらみたいに馬鹿にしたいわけじゃないから! あはは! むしろその感性を、褒めてるんだから! っ、ふふ……」


「そうは思えんがな……。はぁ。図鑑でも見るか」


「あ、それずっと気になってたのよね! 私にも見せてくれる?」


「ああ。ローズにも目的を教えておく必要があるだろうしな。……『オープンレコード』」

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