第5話 衝撃の事実! 俺のガチャは他人も引ける事が判明
本日は一挙5話投稿!!
ラスト5話目です!
佐治の目の前で『スキルガチャダス』の能力を実演する。
一万円を挿入し、ダイヤルを回すとカードがジーコジーコと少しずつ出てくる。
この時、裏になっているので内容が読めない。
ダイヤルを回し切り、カードを引き抜くと、パッと裏返した。
【N】 パッシブスキル:『光魔法上昇(1%)』
「くっそ! いらねー。ゴミスキルが出ちまった」
「光魔法上昇ってこれ本当なのか?」
「ああ。スキルカードを発動すると実際に能力は向上する。もっとも光魔法なんて習得してない俺からすればゴミみたいなもんだ」
「ふーん。今まで何回ガチャを引いてきたんだ?」
「これで12回目だ。もう12万も使ってるのに【R】は一枚しか出てないんだよ」
「ちなみにその【R】はなんだったんだ?」
「【R】パッシブスキル:『筋力上昇(小)』だよ。このカードのおかげでオークやホブゴブリンを倒せたんだ。今までの俺ならオークに出会ったら瞬殺されてるよ」
「『筋力上昇(小)』って凄いな。お前それ使わないで売ってたら中古の軽自動車が買えるぞ」
「マジで?」
「ああ」
まさか『筋力上昇(小)』がそんな高価なスキルカードだとは思わなかった。需要が大きいから売値も高くなるんだな。
まあ売らずに使用した事に後悔はない。今後大きく稼ぐには俺自身が強くならなきゃならないからな。
佐治がなにやら顎に手を当てて考え込んでいる。
鑑定士が年代物の美術品の査定に頭を悩ませているような顔だ。
ガチャの筐体を時折指でツンツンと突いた。
「ところでこれって俺も使えるのか?」
「は?」
「このガチャだよ。カードダスって言ったほうがいいか?」
「いや、呼び方はどっちでもいいけど。ていうかお前無理だろ。何言ってるんだよ。俺のスキルだぞ」
「そうだけどさ。俺にも見えるし、触れるんだから、俺も金を入れればガチャを引けるんじゃないかと思ってさ」
「ええ~? あ、お前ちょっと」
佐治は財布から先っぽが折れた一万円を取り出すとガチャの筐体に金を突っ込んだ。
金はすんなり挿入されていき、筐体から例のアナウンスが流れた。
≪入金を確認しました。右のダイヤルを回してください≫
「おおー! やっぱり引けるんじゃね? 俺でもさ」
「嘘ー!? まあとりあえず回してみてくれよ」
佐治は俺のやり方を真似て右のダイヤルを回した。
ダイヤルを回した分だけカードが出てくる。
ダイヤルを回しきり、佐治はカードを引き抜いた。
【R】 水魔法:『ジェネウォーター』
「うおおおおおお! 『ジェネウォーター』が出たぞおい!」
「マジかよ。レア魔法じゃねえか。お前ガチャ運強いな」
「引きの強さには自信があるんだよ。ていうかこのスキルカードもらっていいのか?」
「まあお前の一万円だし別に持ってっていいよ」
正直使わないんなら俺にくれって思ったが、金にがめついこいつの事だからオークションや闇市場で売っぱらうつもりなんだろうな。
佐治が引いたカードには『販売不可』の刻印が刻まれていなかった。
これは通常と同じスキルカードという事になる。
俺以外の他人が引いた場合は通常のスキルカードを得られるのか。
「それじゃ早速使ってみるか。『ジェネウォーター』習得するぞ!」
「ええ? お前使っちゃうの? それ」
「実際に使ってみてスキルが習得出来るか確認しなきゃ駄目だろ。これで俺が『ジェネウォーター』を使えたら、お前の『スキルガチャダス』は誰でも使用できるものになるんだぞ」
「でもそれが分かったところで別にどうって事なくね?」
「まあいいから。『ジェネウォーター』を試したいな。風呂場に行っていいか?」
佐治は風呂場の残り湯が入った浴槽に向かって『ジェネウォーター』と叫んだ。
すると佐治の手のひらからもの凄い勢いで水が飛び出してきた。
「うおー! 本物だ! 俺も遂に魔法使いになったぞー!」
「ちょっと待てお前! 浴槽がぶっ壊れるからセーブしてくれ」
「あ、ああスマン」
浴槽が一瞬で水で一杯になった。
水の勢いが強すぎて浴槽にヒビでも入って無ければいいのだが。
「だがこれで分かったな。只野。お前の『スキルガチャダス』は誰でも利用出来るとんでもない能力だぞ」
「他の奴らが利用できてどうするんだよ」
「ふふふ。筐体の裏側を見せてくれ」
佐治はカードダスの筐体の裏側を探った。
「¥」マークの付いた蓋がある。
「只野。お前ここから金を取り出せるんじゃないか?」
「いや、そんなわけないだろ。金を回収出来るのなら実質無料で永遠にガチャを回せるじゃないか」
「いいから弄ってみろって」
「ううーん。……あれ!? 金が回収出来るぞ! でも一万円だけだ。一体どうして?」
「¥」マークの蓋を俺が触れるといとも簡単に開き、そこから先っぽが折れた一万円が出てきた。
「あ、この一万円札もしかして!」
「そうだ。俺が入れた一万円札だ。つまり仕組みはこういう事。お前の『スキルガチャダス』は他人が使用した場合のみ、金を回収することが出来るってわけさ。お前のスキルを使用させてもらった使用料みたいなもんだな」
「これだと無限にガチャ引けちゃうんじゃないか?」
「ちょっと試してみるわ」
佐治は先っぽが折れた一万円札を挿入しようと試みた。
その瞬間――筐体からアラート音が流れた。
≪不正行為を検知しました。『スキルガチャダス』ガイドライン3項「悪意を持った無限ガチャ行為」に抵触致します。直ちに不正行為の中止をお願い致します≫
「なるほどな。仲間と結託してガチャを回す→金を回収する→ガチャを回すっていう無限ループは禁止されているのか」
「どこで検知してるんだよ。まったく。意外とルールが厳しいな」
「悪意とか腹黒い感情を読み取れるんじゃないか。お前の能力だし」
「うーん。まあ正しく使っていくしかないか」
「それでも良かったな只野。お前は今後金には一生困らないぞ。探索士相手に『スキルガチャダス』で商売を始めろよ。皆狂ったようにお前のガチャに金を注ぎ込むぞ。それこそソシャゲにハマった廃課金者たちのようにな。はっはっは」
探索士に俺のガチャを引かせるか。
確かに低級探索士の多くはスキル未所持の者も多い。
一万円でスキルカードを得られるなら皆食いついてくるだろう。
佐治の提案は悪魔の囁きに聞こえた。
あまりに魅力的な提案をされてしまうと、人間は頭が真っ白になってしまう事を知った――。
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