第49話 相棒誕生! 【SSR】召喚獣カーバンクル
その日は自宅にてGPでガチャを引いていた。
GPガチャは【R】【SR】【SSR】の排出率が向上し、通常ガチャでは得られない特別なスキルカードが追加されているとの事だが、ここまで特に変わったカードは得られなかった。
最近不要なスキルカードが段々余り始めていた。
自分でガチャを引いたカードには『販売不可』という刻印が刻まれ、売り払う事が出来ないため手元に置いておくことしか出来ない。
『販売不可』カードは使用自体は誰でも出来るため、恵まれない下級探索士に寄付をしようかと考え始めている。
正規の団体にキチンとした手続きで渡さないと、悪用されてしまいそうで心配だ。
募金を着服する詐欺団体もいるわけだし。
そんな事をぼんやり考えながらガチャを回していると、キラキラと光沢を放ちレインボーカラーに輝く【SSR】が現れた。
思わず快哉を叫んでしまう。
「キターーーーー(≧∀≦)ノーーーーー!!!」
中身を確認すると今まで見たこともない文字が羅列していた。
【SSR】アクティブスキル:『召喚獣カーバンクル』
「召喚獣だと? 一体なんなんだこれは?」
考えても分からないので、いつもの通りネットで検索してみる事にした。
ブクマしている『A級探索士『灼熱の高橋』のバーニング日記』のブログの中に召喚獣に関する記事があった。
「15年ほど前の話だ。オーストラリアの『ハーツ・マウンテン国立公園ダンジョン』を探索した際に、不思議な体験をした。75層あたりの溶岩地帯で全身燃え上がるような炎に包まれた怪物と出食わした。大苦戦を強いられたが、仲間たちと協力してなんとか討伐に成功した。その怪物のドロップアイテムの中に【SSR】のスキルカードがあり、そこには『召喚獣イフリート』と記載されていた。『召喚獣イフリート』の買取価格は1億円だったが、仲間たちに金を払い、私が引き取らせてもらった。イフリートは初めは小さな存在だったが、探索を共にするうちに成長し、数メートルの巨体となった。その圧倒的強さはA級探索士一人と同等以上と言っても過言ではないだろう。今では私の立派なパートナーだ」
その記事を読んで、俺は興奮に打ち震えた。
「うおおおお! 『召喚獣カーバンクル』これは超大当たりじゃないか!? 育てればA級探索士に匹敵する強さになるなんて本当かよ!?」
俺は『召喚獣』の力を調べるため近場の『豊島町ダンジョン』に足を運んだ。
ダンジョンに入ると、早速アクティブスキル『召喚獣カーバンクル』を発動させる。
眩い光と共に現れたのは、耳の長いリスの様な生物だった。
額にはルビーの様な赤い宝石を付けている。
「おおっ!! これがカーバンクルか。それにしても小さいなー」
大きさは手の平サイズで、ハムスターよりも更に小さい。
不思議な翡翠色の憐光を放ちながら宙にフヨフヨと浮いている。
「こんなに小さいとゴブリンの一撃でも死んじゃいそうだな。魔物に遭遇したら安全な場所にいるんだぞ?」
「きゅぅ」
どうやら言葉は通じるらしい。
可愛らしい鳴き声と共に俺の後ろをついてくる。
召喚獣について色々調べてみたが、戦闘を重ねる毎に経験を積み成長していくとの事。
まるでポケ○ンのようだが本当だろうか。
とりあえず銃の練習がてらゴブリンやコボルトを狩ってみる事にした。
目の前に丁度良くゴブリンがいたので、エナジーガンの出力を絞って攻撃する。
かなり出力を絞ったのにゴブリンは木っ端微塵になってしまった。
威力の調整が中々難しい。
イメージとしては魔力の充填が1%くらいでも十分過ぎる威力を発揮出来た。
オーバーキルしても体力がもったいないので、どの程度エネルギーを注ぎ込めば敵を倒せるのか確認を行う事にした。
ゴブリンやコボルトは身体のどこに当てても、着弾時の衝撃が拡散し、肉体が弾け飛び致命傷を与えられた。
そのため胴体にさえ当てられれば出力1%くらいでも簡単に倒せた。
オークやホブゴブリンはさすがに1%ショットでは倒せなかった。
もっとも心臓や頭部にピンポイントで当てればワンショットキルを決める事は出来た。
やはりガンナーとしての練度を上げる事が大切だと改めて実感した。
最下層の7層まで着いたので地上に帰ろうかと考えていると、カーバンクルが少し大きくなっている事に気付く。
「おお? もしかして俺が魔物を倒したからその経験値を得て成長したのかな」
「きゅ、きゅきゅぅー!」
どうやら正解らしい。
成長する事が出来て喜んでいる様に感じた。
「と言ってもまだまだ小さいな。どれくらいの大きさになるか分からないけど、いつかは俺を乗せて運べるくらい大きく育ってくれよ」
「きゅきゅきゅ~」
「いつまでもカーバンクルって呼ぶのも味気ないな。せっかくだし名前を付けてやるか。うーん。そうだな……よし! 決まった。君の名前は『カーバルくん』だ!」
「きゅっ、きゅきゅー! きゅー!」
安直な名前だが喜んでくれたらしい。
それから一月。ダンジョンに探索する時は必ずカーバルくんを出現させておいた。
召喚獣は一度召喚すると魔力を吸われたりするわけではない。
徐々に成長していき、今では小型犬くらいの大きさに成長した。
俺の後ろをトテトテと着いて来る姿が愛らしい。
体毛もモフモフになっていき撫でるとふかふかで気持ちいい。
今日も『所川ダンジョン』の低層を一緒に潜っていた。
カーバルくんの成長は身体が大きくなっただけではない。
前方に現れたインプが、突如こちらに向けて火炎魔法を繰り出してきた。
するとカーバルくんは俺に向けて魔法を発動し、なにやら赤い壁が俺の身体の前に現れた。
インプの放った火炎魔法は赤い壁に触れると、突如反転し、魔法を放ったインプの元へと飛んでいった。
自身の放った魔法を食らい、燃え盛るインプ。
「なんだこれは? もしかしてゲームでよくある反射魔法ってやつか?」
「きゅっきゅぅ!」
どうやらカーバルくんはサポート系の補助魔法を得意としているようだ。
キマイラの突進攻撃を食らいそうになった時、カーバルくんは青い壁を俺の前に作り出してくれた。
するとキマイラは青い壁に触れた途端、後方へと勢いよく吹っ飛んでいった。
よろよろと立ち上がるも、キマイラはかなりの衝撃とダメージを受けている。
まるで自分の突進攻撃を自分で食らったかのようだ。
「まさか今のは物理反射ってやつか?」
「きゅぅー!」
「すごいぞ! カーバルくん。君がいれば戦闘がグッと楽になるぜ」
「きゅっきゅ~」
俺はモフモフのカーバルくんの頭を撫でてやった。
気持ちよさそうに目を細める。
マジックガンとエナジーガンの扱いにも慣れ始め、召喚獣という新たな相棒も手に入れた。
俺は日に日に着実と強くなっている実感を持っていた――。
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