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第24話 ポイントを稼げ! 試練の体力テスト

※4/18追記  自分が引いたカードを売ればいくらでも金策出来てしまうのではないかとご指摘を頂いた為、第4話に自分が引いたカードには『販売不可』という刻印が刻まれ、買取が出来ないという設定を追加しました。


また、協力者がいれば無限にガチャを引けるのではないかとのご指摘を頂いた為、第5話にて筐体による無限ガチャ行為の禁止の条項を追加しました。悪意を持ってガチャを回そうとした場合筐体が感情を読み取り、ガチャが引けなくなるという設定にしました。

営業で得た正当な報酬で、ガチャを回す場合は問題ない事にしました。


過去の内容の変更について、ご迷惑おかけしますがご了承くださいm(_ _)m

 記述式テストが終わり、体力テストの実施のため体育ホールへと足を運んだ。

 

 男性84名、女性37名の参加者全員に、身体能力向上系スキルを封印する腕輪が配られる。

 筋力上昇や敏捷上昇を使用出来る状態だと、スキル保持者と未保持者との間で不公平さが生じてしまうためだ。  


 体力テストは腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、動体視力測定、シャトルランの5つの項目だ。

 パワー、スピード、スタミナ、反射神経などが問われる。

 一つの項目に付き順位によって点数が割り振られ、成績上位者は多くの点がもらえる。

 男子の配点は以下の通り。


 1位……30点 

 2~5位……20点 

 6~10位……15点 

 11~30位……10点 

 30位以下……5点 

 基準値以下……0点


 また、足切りラインが設定されており、その数値を下回ると0点になってしまう。

 最低でも基準値さえ超えれば5点は手に入るという事だ。

 5項目×5点なので25点は確保したい。




 前にも説明したが、記述式テスト150点、体力テスト150点の合計点が高いものから順に、二次試験に進むことが出来る。

 二次試験進出のボーダーラインは都道府県によって差異はあるが合計160点くらいと言われている。


 恐らくさっきの記述式テストの手応えだと50問中40問は正解したと思うので、1問3点として120点は確実に取れているはず。

 あとは体力テストで如何に40点を稼げるかだ。



 この日のためにスポーツジムで個人トレーナーを付けて身体を仕上げてきた。

 長らく続いた貧困生活で栄養価の低い物ばかりを摂取し続けたため俺の肉体は貧相だった。

 この一月は高タンパク低脂質の食生活を実践出来たため、中々いい感じに筋肉がつき始めていた。



 体力馬鹿の探索士たちにどこまで太刀打ち出来るか分からんが、やれるところまでやってみよう。

 体育ホールでは男子と女子に分けられ、俺たちはまず腕立て伏せの測定からスタートした。


 床に設置された小さいボタンに顎を付けると、ボタンが押されてカウントされる仕組みだ。

 昔、筋肉自慢の男たちが集まるTV番組でやっていた企画と同じだ。


 もっともこのボタンはかなり小さく薄型なので、しっかり腕で身体を支えて頭を下げないといけない。

 腕立て伏せっていうのはズルしようと思えばいくらでもサボれるトレーニングである。

 今回の測定方法だとしっかり腕立て伏せが出来てないと、顎でボタンを押すことが出来ない。

 

 筋肉自慢の探索士たちも最初はいいペースで飛ばしていたが、段々苦しそうになっていった。

 俺は元々痩せ気味でパワー型ではないので、この項目は自信がなかった。


 足切りである50回のラインを超えなんとか頑張ったが76回で力尽きた。

 上位の30位にも入れなかったため結果5点ゲットで終わった。




 続く上体起こしは自信があった。学生時代も30回くらいは出来た気がする。

 更にジムのマシン、アブドミナルクランチでしっかり鍛えてきた。

 おかげで腹筋は6パックだ。

 もっとも痩せぎすな人間は簡単に腹筋が割れるものだが。 


 上体起こしは、仰臥姿勢を取り補助者に足を抑えられた状態で30秒間でどれだけの回数上体を起こせるかをカウントするものだ。

 係員に足を固定され合図のブザーの元、30秒間の腹筋競争が始まった。


 ポイントが取れそうなこの項目で稼いでおきたい。

 俺は必死の形相で上体を起こし続けた。

 景色が霞んで脳がシェイクされる。


 終わりのブザーが鳴り回数を確認すると、41回だった。

 なんとこの項目では7位に入り15点をゲット出来た!


 必死に頑張って良かった。

 充血した顔で、頭をクラクラさせながら自分で自分を褒めてあげた。



 

 続く反復横跳びと動体視力測定では足切りラインは超えたが、30位以上には入れず5点ずつの獲得となった。

 ここまで4項目を終え30点。目標の40点に届いていない!

 

 このままだと二次試験に進む事が出来ない。

 なんとしても最後のシャトルランでは30位以内に入って最低でも10点以上取らなくてはならない。

 記述式テストの結果もあるし、出来ればここで大量得点をゲットして有終の美を飾りたいところだ。





 

 シャトルランは20m間隔の2本の平行線が敷かれ、一方の線上に立ち合図と共にスタートする。

 一定の間隔で電子音が鳴り、次に鳴るまでに20m先の線に達し、足が線を越えるか触れたらその場で向きを変え向こう側の線上を目指す。この動作を延々と繰り返す。

 電子音の感覚は徐々に早くなっていくため、後半になればなるほどキツくなる。


 学生時代はいつも最後の方まで残っていたので、シャトルランは割と自信はあった。

 ジムでもトレッドミルやクロストレーナーで重点的に足腰を鍛えてきた。

 不安要素があるとすればシャトルランは10年ぶりである事と30手前の体力が落ち始める年齢だ。


 とは言え、文句は言ってられない。

 なんとしても30位以内に残らなければならないのだ。



 体育ホールを目一杯に使って男性の参加者84名がスタート地点に着く。

 ヤンチャそうに髪を染めた大学生風の兄ちゃんや、タンクトップ姿でいかにもバランスに優れてそうな筋肉質な男を見ると尻込みしてしまう。


 54人がふるい落とされるまでなんとかしがみつかなくては。

 5秒前のカウントダウンの後、始まりの音声が流れた。


 ドレミファソラシドの電子音が鳴る。

 この電子音が終わるまでに向こう側の線上に辿り着かなければならない。

 到着すると機械的な女性の声で回数が数えられる。


 84名のドタドタと喧しい足音が響く。

 始めは電子音の間隔も長い。

 

 皆余裕の表情で走る。

 なんなら歩いている奴やスキップをしてる奴もいるくらいだ。


 30回、40回、まだまだ余裕だ。

 肥満体型のおっさんや、白髪交じりの爺様たちは早くも脱落し始める。

 

 50回、60回、体力は問題ないが集中力が途切れ始める。

 余裕があった若い男が、うっかりテンポの速さに気付かずにスピードを緩め、電子音が鳴るまでに隣りの線に辿り着けず失格となった。

 まだ体力に余裕があった為係員に文句を言っている。

 短い間隔で何度も走るため、自分が何をしてるのか分からなくなってくるのだ。


 70回、80回、ここらで脱落し始める者が増え始める。

 俺も結構キツくなってきた。


 90回、100回、かなりの人数がふるい落とされていた。

 恐らく半数以上は減っただろうか。


 110回、120回、膝も肺ももう限界に近かった。

 途中から参加者の数も数えられなくなり、今は必死に電子音が鳴り終わるまでに隣りの線に向かって走るだけだ。

 

 125回、126回、127……。

 走り終えたところで係員に失格を言い渡された。

 どうやら間に合わなかったらしい。


 ヤクザの挨拶の様に膝に手を当てて休憩する。

 目の前にはまだシャトルランを継続する猛者たち。


 息を荒げながら人数を数えると残り18人。

 

 どうやら俺は目標の30位入りを果たせる事が出来たようだ。

 安心したらドッと疲れが湧いてきた。



 これでなんとか目算の数字は超えられた。

 後は試験委員会からの吉報を待つだけだ。

 ギリギリの数字なのでボーダーライン次第では二次試験未通過の可能性も大いにある。

 それでもベストは尽くした。とりあえず後悔はない。



 なぜかジムのジャグジーが恋しくなった。

 ゆっくりと風呂にでも浸かって身体を休めたいぜ――。

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